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核に翻弄される人々を追ったドキュメンタリー映画『わたしの、終わらない旅』ビキニ記念の集いで先行上映

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“3.1 ビキニ記念の集い”が行われ坂田雅子監督(右)、豊島博光氏の対談が行われた
“3.1 ビキニ記念の集い”が行われ坂田雅子監督(右)、豊島博光氏の対談が行われた

 核兵器、原子力エネルギーといった、核利用の歴史に翻弄される人々の現状を記録するドキュメンタリー映画『わたしの、終わらない旅』の特別先行上映会“3.1 ビキニ記念の集い”が28日、都内で行われ、坂田雅子監督が本作への思いを語った。核被害を長年取材しているフォトジャーナリスト・豊島博光氏も対談者として同席した。

核に翻弄される人々を追った坂田雅子監督 画像ギャラリー

 『花はどこへいった』で枯れ葉剤被害を追った坂田監督は、3.11の福島第一原子力発電所事故後の現実にショックを受け、亡き実母・静子さんが、約40年前に一市民として始めた反原発運動の意義に改めて思い至る。本作は、フランス、ラ・アーグの核再処理施設や、大規模な核実験が行なわれたマーシャル諸島(ビキニ島を含む)、カザフスタンのセミパラチンスクを旅し、核で故郷を追われた人々、いまも汚染された海や大地で暮らす人々を見つめる。

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 豊崎氏が感想として「本作がすごいのは、監督のご家族の歴史と核の問題がつながっている点ですね。ラ・アーグ対岸に住むお姉さんの経験が、お母さまの反核運動のきっかけになり、監督のご主人もジャーナリストとしてマーシャル諸島で写真を撮っている。以前から関心があったのですか?」と話すと、坂田監督は「お恥ずかしい話ですが、福島の事故で目が覚めたという感じです。自分は何も知らなかったから、とにかく知りたい、目の前にある見えないものを取り払いたいと、旅をして話を聞いたんです」と、製作動機を語る。

 「ラ・アーグは、日本の原発の使用済み核燃料を再処理してMOX燃料を作り、それが福島第一原発3号炉に使われた、といわれています。マーシャル諸島には日本軍が作った滑走路があり、日本語の単語を話す島民もいる。その後、ビキニ環礁ではアメリカの水爆実験で、第五福竜丸が被ばくしました。そして福島の事故。日本も太平洋のなかにあって、現在とつながっていますよね」と豊崎氏。

 これに対して坂田監督も「ビキニの青い海と白砂の浜辺はほんとうに美しいんです。でもその場所が、残留放射能が高くて70年経ったいまも人は住めない。すべてがつながっているなら、これがわたしたちの未来なんでしょうか」と話し「まだ知らないことがたくさんあるから『終わらない旅』とタイトルをつけました」と語りかけた。イベントは、翌3月1日が第五福竜丸被ばく事件(1954年)の日ということで、“3.1 ビキニ記念の集い”と副題された。(取材/岸田智)

映画『わたしの、終わらない旅』は3月7日よりポレポレ東中野ほか全国順次公開
ポレポレ東中野では公開中に坂田監督と加藤登紀子鎌仲ひとみ監督、後藤政志島田興生、太田昌克らとのトークイベントを開催

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