吉田鋼太郎、50代でのブレイクを振り返る「人生の師は故・蜷川幸雄」

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吉田鋼太郎

 北川恵海の同名小説を実写映画化する『ちょっと今から仕事やめてくる』(5月27日公開)で、若手部下を追いつめる威圧的なパワハラ上司を演じた吉田鋼太郎が、師と仰ぐ蜷川幸雄との思い出や50代でのブレイクについて語った。

【動画】こんな上司は嫌だ…!吉田鋼太郎がパワハラ上司役で熱演を披露

 ブラック企業で働く若手サラリーマンの苦悩と成長を描く本作の中で、一際強烈なインパクトを与えるのが、吉田ふんする山上部長。部下を大声で罵倒したり土下座させたり、デスクを蹴ったり、実際にこんな上司がいたら、会社をやめたくなるのも無理はないと思わせる山上のキャラクター像について、吉田は「あくまでも仕事に一生懸命であり、自分自身が正しいと信じているやり方をしている人」という意識で演じたという。

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パワハラ上司役、吉田の熱演の迫力といったら……!(C) 2017 映画「ちょっと今から仕事やめてくる」製作委員会

 「成島出監督とは事前にディスカッションをしましたし、現場でも監督から『ここはもう少し抑えて』など具体的な指示を受けて微調整をしながら、決して常軌を逸した人にならないようにバランスをとっていきました」。

 吉田といえば、2014年のテレビドラマ「MOZU Season1 ~百舌の叫ぶ夜~」で演じた狂気に満ちた男、中神甚のすさまじい悪役っぷりも実に印象的だった。「無口でおとなしくて、優しくて……という役がきたときは逆にちょっと悩むんですよ。演じづらいので。むしろ大声を出したり、エキセントリックなことをして見せたりするほうが楽しいんです」と笑う彼は、今回の山上部長を含め、ヒールを演じた際に抜群の存在感を放つ俳優の一人だ。

 『ちょっと今から仕事やめてくる』では、新入社員の青山にプレッシャーを与える役どころだが、吉田自身、長い俳優人生の中で「演出家の蜷川幸雄さんに出会って、蜷川さんの演出を受け始めた最初の3年間くらいはめちゃくちゃきつかった」と振り返る。

パワハラ上司と言えど、「決して狂人にならないように」が吉田と監督で話し合ったポイントだったという(C) 2017 映画「ちょっと今から仕事やめてくる」製作委員会

「毎日、稽古場に行くのが嫌で嫌でしょうがなかったですね。蜷川さんには、例えば『稽古初日なら、大体これくらいでいいだろう』というような感覚がまったく通用しないんですよ。もう1回、もう1回と千本ノックのようにやらされて。稽古初日からいきなり本番のテンションを求められるんです。稽古場はまさに命懸けの場所。きつかったですねぇ」。

 蜷川があまりにも厳しかったため吉田は「自分は嫌われている」と思い込むぐらいだったが、いつしか芝居のダメ出しが少なくなり、ある稽古のとき、蜷川が皆の前で「やっぱり鋼太郎がいれば、シェイクスピアは何でもできるなぁ」と褒めてくれたことが自信へと変わった。「あの人の言葉っていうのは大きいですから。僕にとっての師は間違いなく蜷川さんになりますね」。

 大学在学中に初舞台を踏んで以来、40代まではシェイクスピアやギリシャ悲劇など海外古典作品の舞台を中心に活動してきた吉田。50代からは「半沢直樹」(2013)、NHK連続テレビ小説「花子とアン」(2014)、「東京センチメンタル」(2016)など数々の話題のドラマへの出演が続き、一気にブレイク。「街でも声をかけられることがとても多くなった」そうだ。「もともと俳優という仕事は人に見られてなんぼのもの。街で声かけられたりしたいなぁとか、密かに憧れていたので、今の状況は素直にうれしいですね。サインを頼まれたら、なるべく応えるようにしています(笑)」。

 さまざまな役を演じてきた吉田だが、今は「正統派の時代劇」をやってみたいとのこと。「戦国時代がいいですね。僕、昔から武田信玄が大好きで、演じたくてしょうがないんですよ。武田信玄は非常にリアリストな人間で、戦の前には徹底的に根回しをし、確実に勝てるときしか兵を出さなかったそうなんです。そのぶん、周囲からは嫌われていたみたいなんですけど(笑)、かっこいいなぁと思うんですよね」と憧れの戦国武将に思いを巡らせた。(取材・文:石塚圭子)

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