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ギレルモ・デル・トロ、金獅子賞受賞のクリーチャーはこうして生まれた!2018年日本公開

第42回トロント国際映画祭

恋に落ちるエリサとクリーチャー - 映画『ザ・シェイプ・オブ・ウォーター(原題)』より
恋に落ちるエリサとクリーチャー - 映画『ザ・シェイプ・オブ・ウォーター(原題)』より - Courtesy of TIFF

 現地時間11日、第42回トロント国際映画祭で、第74回ベネチア国際映画祭で最高賞にあたる金獅子賞を受賞したばかりのギレルモ・デル・トロ監督作『ザ・シェイプ・オブ・ウォーター(原題) / The Shape of Water』(2018年日本公開)の会見が行われ、デル・トロ監督が受賞の喜びや個性的なキャラクターをどう形作っていったのかを明かした。

【画像】クリーチャーを演じたのはこの人

 本作は、冷戦時代のアメリカを舞台に、政府の極秘研究機関で清掃員として働く口がきけない女性エリサと、そこに運び込まれて残酷な仕打ちを受ける魚人のようなクリーチャーの交流を描くダークなおとぎ話。映画への愛にあふれ、サイレント映画のようなクラシックな美しさもある作品だ。

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 実際、エリサ役のサリー・ホーキンス(『パディントン』)には、スタン・ローレルオリヴァー・ハーディバスター・キートンハロルド・ロイドチャールズ・チャップリンといったサイレント映画のスターたちのDVDから役づくりをしてもらったという。デル・トロ監督は「彼女の動きにはスタン・ローレルの魅力を見ることができる。無声でのパフォーマンスだからね。あとはオードリー・ヘプバーンみたいにやってほしいとお願いした」と振り返る。

 そして水に棲むクリーチャーは、『パンズ・ラビリンス』の手の平に目玉が付いた怪人ペイルマン役など、これがデル・トロ監督と6度目のタッグをなるダグ・ジョーンズが演じた。ダグは「身長192センチ体重64キロの僕を見て、クリーチャー担当の人はこれだ! と思うみたい」と自己分析すると、「今回、ギレルモがくれたキーワードは『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』で僕が演じた“シルバーサーファー”と、“闘牛士”。棒立ちではなく、闘牛士にようにスムーズで優雅でパワフルな腰の動きを見せてほしいと言われた」と明かす。本作をメロドラマの巨匠ダグラス・サーク版『大アマゾンの半魚人』のような映画にしたかったというデル・トロ監督は「彼は純真さを表現できる」とダグの演技を称賛した。

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 スタジオのサポートも大きかったようで「僕がこれまでにハリウッドで持った関係の中で最高のものだった」と配給の米フォックス・サーチライトに感謝したデル・トロ監督。「2014年に彼らにストーリーとデザインを見せて『ミュージカルスリラーを作りたい。清掃員が魚人と恋に落ち、家に連れて帰って~以下略。それで白黒で』と言うと、彼らは『素晴らしい。でも白黒はダメ』って(笑)。僕はそれでOKして、彼らは“これだけ払える”と言ってくれた」。『アバター』のジェームズ・キャメロン監督からキャリア初期にもらった「重要なのは、どれだけ大きく考えられるか。予算以上のものを見せなくてはいけない」という教えに従ったという。

 また、金獅子賞受賞の知らせをロサンゼルスで朝食を食べている時に聞いたというデル・トロ監督は、ベネチアにとんぼ返り(それからここトロントへ)。「着いて30分でシャワーを浴びて即、授賞式に行ったよ」と大きな目をキラキラさせ、「僕のキャリアの中でも最も感動的な瞬間の一つだった」と喜びを口にした。(編集部・市川遥)

第42回トロント国際映画祭は現地時間17日まで開催

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