A24最新ホラー『ブリング・ハー・バック』新星の才能に監督脱帽 徹底したリアルへのこだわり

降霊体験ホラー『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』がA24の目にとまり、一躍注目のクリエイターとなったYouTube出身の兄弟監督、ダニー・フィリッポウとマイケル・フィリッポウ。二人が、A24と本格タッグを組んだ最新作『ブリング・ハー・バック』(公開中)について語った。
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父親が急死し、二人きりになった17歳のアンディ(ビリー・バラット)と、目の不自由な義理の妹パイパー(ソラ・ウォン)。二人は親切な里親ローラ(サリー・ホーキンス)に引き取られ新生活をスタートさせる。ローラの家には、口がきけない少年オリバー(ジョナ・レン・フィリップス)も引き取られていたが、彼の異様な様子やローラがパイパーに注ぐ異常なまでの愛情に、アンディは違和感を覚えはじめる……。
父親の死というトラウマを抱え、二人きりの兄弟として強い絆で結ばれたアンディとパイパー。二人とも心優しいだけでなく、お互いに悪態をついたり、友人に里親の“キモさ”を伝えたりもする、等身大のティーンとして描かれている。
前作『トーク・トゥ・ミー』で、SNSでバズる降霊術にハマってしまう若者たちの等身大の姿も話題となったフィリッポウ兄弟。YouTubeでは体を張った過激なスタントやアクション動画で人気を集めた二人は、映画でも常に“リアル”を追求し、特に若い俳優たちには、自由を与えることで会話に現実味を与えたという。
「俳優の皆さん、特に若い役者と仕事をする時は、必要に応じてセリフや会話を変更できる自由を与えるようにしています。そうすることで、彼らが発する言葉がより本物らしくなる。それこそ、僕らの映画にとって重要なことなんです」
パイパー役には、生まれつき目の不自由な新人、ソラ・ウォンを起用。ダニー監督は、目の不自由な友人の妹との出会いが本作の着想のきっかけになったと明かしており、パイパー役のキャスティングは特に重要だった。ソラは演劇の授業以外に演技経験のない新人だったが、フィリッポウ兄弟はオーディションでの彼女との出会いが忘れられないという。
「オーディションでは、即興でシーンを演じてもらったんですが、ソラは完璧にこなしてくれました。すぐにパイパー役は彼女しかいないと確信しましたね。パイパーのような役の場合、コンタクトレンズをつけた俳優が演じることが一般的です。しかし、ソラの存在は映画にリアリティをもたらすために不可欠でした。僕らはソラにも、必要に応じてセリフを変えたりする自由を与えました。そうすることで、パイパーをリアルな一人の人間として感じられるようにしたんです」
さらに「ソラは本当に素晴らしかったです。彼女は日本にもルーツがあるんですよ」と明かしたダニー。
「最初は、カメラの前で泣けないんじゃないかと怖がったり、ダンスをするのを恥ずかしがったりしていたんです。でも撮影が進んで僕らとの絆も深まっていくうちに、殻を破っていった。どんどんリラックスして、自由になっていく彼女との仕事は本当にやりがいのある経験でした」と期待の新星の才能を絶賛。最後は日本のファンに向けて「僕らは“Jホラー”を心から愛しているし、皆さんのことを本当に愛しています。日本の映画館で僕らの新作が上映されることは大変光栄です。できれば皆さんと一緒に映画を楽しみたかった。皆さんの期待に応えられる作品になっていることを願っています!」と呼び掛けていた。(編集部・入倉功一)


