是枝監督プロデュース、香港映画『十年』が日本・台湾・タイでリメイク 厳しい社会情勢を映画に

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是枝監督は今回エグゼクティブプロデューサーとして

 香港の短編オムニバス作品『十年』を基にした映画が、日本をはじめ、台湾、タイで制作されることが16日、第22回釜山国際映画祭にて発表された。『十年 日本(仮)』のエグゼクティブプロデューサーを務める是枝裕和と4人の監督をはじめ、『十年 台湾(仮)』、『十年 タイ(仮)』の関係者らが会場に登壇した。

【画像】登壇した『十年』リメイク製作陣

 『十年 日本(仮)』のエグゼクティブプロデューサーを務める是枝は、「オリジナルの香港版『十年』を観て素晴らしいと思いました。10年後の香港を若い監督の視点で描いており、非常に挑戦的で政治色が強い。果たして日本で香港版に匹敵するような映画を撮れるかとも考えましたが、むしろ今の日本の若者が10年後をどのように考えているのか見てみたい。若ければわたしが監督として撮りたかったのですが、今回はシナリオを議論するなどサポートとして参加し、プロジェクトの今後に期待しています」とプロデュースを引き受けた理由を明らかにした。

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 “10年後”の各国をテーマに映し出す本作だが、リメイクを手掛けるタイや台湾も切実な現実を抱えている。タイ版のプロデューサー兼監督のアーティット・アッサラットは、「タイではインターネットなどを通じて表現の自由はあるとされていますが、現実には軍事政権に抑圧されています。10年後をどのように描くのか、タイ人にとってはそのことを考えるよい機会になる」と語り、台湾版のプロデューサー兼監督のリナ・ソウは、「台湾社会も不安を抱えています。それらを映画でどのように表現するのか。わたしは核廃棄物や移住民家族の問題を描いており、台湾人にとっての課題のひとつです」とそれぞれの政治的・社会背景を反映していることを語る。

 この日の会見には『十年 日本(仮)』でメガホンを取る5人の監督のうち、『美しい国』の石川慶を除いた4人が是枝と共に登壇。『いたずら同盟』の木下雄介は「今の現実が私たちの未来を創る。映画の中では葛藤し衝突しますが、未来に対する姿を描きたい」、『DATA』の津野愛は「どのようなイシューにするか悩んだ。10年という設定ですが、20年後、30年後にも通じるものにしたい」、『PLAN75』の早川千絵は「オリジナル版の『十年』に励まされ、監督としてインスピレーションを得た」、『その空気は見えない』の藤村明世は「今回はわたしが思う日本の未来を誠実に、そして自分の中にある未来を投影しながら映画を作っていきたい」とそれぞれが『十年 日本(仮)』に込める思いを述べていた。

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 是枝は、「25年前に台湾のホウ・シャオシェン監督から、アジアの国境を越えて16mmのインディー映画を作りたい。お前も参加して監督をやれと言われ、今回のプロジェクトを提案されたときに思い出しました。日本の現実は金銭的には全然足りてはいりませんが、それ以上に国際共作を通じて、日本国内だけでやっている以上に得るものが多い。わたしが若いころに釜山国際映画祭に参加してそうだったように、意識を変えるサポートをしたい」と自身の立場を語り、「2018年の第23回釜山国際映画に『十年 日本(仮)』で戻ってきたい」と抱負を述べていた。(取材・文:土田真樹)

映画『十年 日本(仮)』は2018年に公開予定

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