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坂本龍一『戦メリ』最初は役者のオファーだった 映画音楽への思い語る

第30回東京国際映画祭

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坂本龍一

 作曲家の坂本龍一が1日、都内で開催中の第30回東京国際映画祭のSAMURAI賞の授賞式に登場し、本映画祭の特別招待作品の『Ryuichi Sakamoto:CODA』の舞台挨拶、同日開催のスペシャルトークイベントで映画音楽への思いを語った。

【画像】坂本龍一、SAMURAI賞トロフィーでぐえーっ!

 映画音楽家として数々の栄誉を手にしてきた坂本に送られたSAMURAI賞は、比類なき感性で「サムライ」のごとく、常に時代を斬り開く革新的な映画を世界へ発信し続けてきた映画人の功績を称えるもの。壇上で、久松猛郎フェスティバル・ディレクターからトロフィーを受け取った坂本は、「4回目のSAMURAIアワードをいただきましてありがとうございます」とあいさつ。刀のような形をしたトロフィーについて「最初に関わった『戦場のメリークリスマス』で刀を振ったことを思い出しました」とスピーチした。

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 授賞式後は、本映画祭の特別招待作品で坂本に5年間密着したドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto: CODA』の舞台あいさつが行われ、監督のスティーブン・ノムラ・シブルとともに坂本が再登場。シブル監督は「映画は一人では作れないので、坂本さんのほか、たくさんの方々のおかげでこの日を迎えることができました。ありがとうございました」とあいさつ。坂本は撮影中に病で倒れたことを明かし、「多分監督はシメシメと思ったはずです」と話すと場内は笑いに包まれた。司会者から「坂本さんにとって映画音楽とは?」と聞かれると、坂本は「難しい質問だな」と首を傾げながらも、「音楽が必要とされる場所に、音楽があれば映画の中の音楽の役割は最高に幸せだと思います」と思いを語った。

 同日にはTIFFマスタークラスの一つとして「SAMURAI賞授賞記念 坂本龍一スペシャルトークイベント~映像と音の関係~」も開催され、坂本はモデレーターである音楽批評家の小沼純一とこれまでの作品を、名シーンを映像で流しながら解説。

 初めての映画音楽への挑戦だったにもかかわらず英国アカデミー賞作曲賞を受賞した大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』については、「役者としてのオファーがあった時に、映画音楽をやらせてくれるならやりますという生意気な逆オファーをしたんです。でもそれに対して即答でOKをくださった大島監督の勇気に感謝しています」とオファーの経緯、「試行錯誤を繰り返していくうちに意識を失って、目覚めた時に譜面が目の前にできあがっていた」という名曲の誕生秘話を披露。

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 さらにアカデミー賞作曲賞を受賞したベルナルド・ベルトルッチ監督の『ラストエンペラー』で気合を入れた曲が即位シーンでバッサリと切られたことや、『リトル・ブッダ』(1993)では5回もの書き直しをさせられたことなど、知られざるエピソードが次々に飛び出した。

 以前、審査員を務めたベネチア映画祭で感銘を受けた作品が全て音楽のない作品だったことを明かし、「映画って実はいい音楽はいらないんですよ」と話して満員の聴衆から笑いを誘った坂本。ユーモアも交えた、貴重なトークショーは大盛況で終わった。(取材・文:森田真帆)

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