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ユースケ・サンタマリア、“笑い”に持論

ユースケ・サンタマリア
ユースケ・サンタマリア - 写真:高野広美

 大部分のストーリーが一軒の豪邸の中で進行するスタイルの映画『泥棒役者』(11月18日公開)は、俳優ユースケ・サンタマリアにとって、持ち前のコメディーセンスを存分に発揮することになった作品だ。ひょうひょうとした雰囲気からにじみ出るユーモアが魅力のユースケが、「どうすれば観客を笑わせられるのか?」という、喜劇の演技についての考えを明かした。

【動画】『泥棒役者』予告編

 彼が演じたのは、油絵の教材セットを飛び込みで訪問販売するセールスマン・轟良介。「空気が読めない」というセールスマンとしては致命的な欠点を気にもせず、明るく強引に物事を進めようとするマイペースっぷりが何ともおかしい役どころだ。喜劇の演技をするときに心がけていることについて、ユースケは「芝居を真面目にやるだけです」と話す。

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 「だって観客を笑わせようと思って、面白いっしょ! っていう感じでやったら、すごく寒いと思うんだ。喜劇であるほど真剣にやらないと、多分面白くない。本人が汗かいて、真剣にやっているから面白いわけで」。

泥棒役者
丸山隆平、市村正親らと共演する『泥棒役者』でKYなセールスマンを好演するユースケ(C) 2017「泥棒役者」製作委員会

 撮影中はとことん真剣に、しかし一旦カメラが止まれば、すかさず笑いをとって、現場を和ませるのがユースケ流。「明るく盛り上げるタイプの人が多く揃っていた」という今回の撮影現場の中でも、スタッフからは“俳優陣で随一のムードメーカー”と評されていた。「僕自身がラクなんです。現場がクスッとなったほうが、圧倒的にやりやすくなるから。自分のためにやっているんです。僕も気分がよくなるし、現場も雰囲気よくなるし、まさにもうWin-Winってね」。

 ただし「一応、僕なりに空気は読むようにしている」のが、演じたセールスマン・轟とは違うところ。「例えば、すごく緊張感のある現場で、あえて緊張感をそのままにするっていうことはありますよ。これは、このままの方がいいなって。でも、変な緊張感が出ていたら、あえて現場の空気をぶっ壊してみたりもする。その辺の読みは大体間違っていないです。今までの経験上」。

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 バラエティー番組の司会などでは、いい意味でテキトーなキャラで活躍。俳優としては、シリアスな役柄も数多く演じている一方、やはり今回の『泥棒役者』と通じる部分もある室内劇の推理コメディー映画『キサラギ』(2007)や、先ごろ放送されたNHKの主演ドラマ「悦ちゃん 昭和駄目パパ恋物語」などで見せる、ダメダメな欠点も含めて愛すべきユニークな役柄に惹かれるファンは多い。

 ユースケ自身は、普段の自分をどんなタイプの人間だと思っているのか? と質問すると、「とてつもなく地味でフツウ」という言葉が返ってきた。「逆に、シャイな性格とか言って、何もしゃべらないような役者さんとか、バラエティーが苦手という人ほど多趣味だったりする。僕なんか、そういうの全然ないし。オフの日は一人で映画を観に行くとか、そんな感じかな。だから結果、人生のバランスが取れているんだと思う」。

 パブリックイメージからは意外に思えるほどの真面目な素顔。「人間の鼓動の量は決まっているって言われていますけど、しゃべる量っていうのも決まっているんじゃないでしょうか」とうそぶくユースケだが、彼の軽妙なしゃべりが堪能できる作品は、これからもまだまだ待ち受けているはずだ。(取材・文:石塚圭子)

泥棒役者 本予告 » 動画の詳細
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