アルフォンソ・キュアロン監督、注目の新作モノクロ映画を語る

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ベネチア国際映画祭ではNetflix初の金獅子賞をもたらしたキュアロン監督

 現在開催中のニューヨーク映画祭に出品されている注目のモノクロ映画『ローマ(原題) / Roma』について、アルフォンソ・キュアロン監督と、女優のヤリーツァ・アパリシオマリナ・デ・タヴィラらが、10月5日(現地時間)、ニューヨークのリンカーン・センターのウォルタリード・シアターで行われた記者会見で語った。

【動画】映画『ローマ(原題)/ Roma』海外版予告編

 本作は、映画『ゼロ・グラビティ』のキュアロン監督が自身の幼少期の体験に基づきながら、1970年代のメキシコを舞台に、中流家庭の日常をメイドの視点で描いた作品。先住民の血を引く若い女性クレオ(ヤリーツァ)は、メキシコシティー・ローマ地区の中流家庭でメイドとして働いていた。だが、次第にその家で暮らす四人の子供たちを自分の子供のように考えるようになり、守る気持ちが強くなっていく。

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 「ずいぶん長い間、僕のもとにあった気がする」とキュアロン監督が語る本作。12年前、映画『トゥモロー・ワールド』の完成後の頃から意識的に今作のことを考え始めたそうだが、製作には至らなかったという。「当時は、感情的な手法を源として映画を作ることが僕にはできなかったから、むしろ良かったと思っているよ。その時点では、草稿を書いていただけで、すぐに手放してしまったから、再び関わるとも思っていなかったんだ」と振り返った。自分の人生に近い人々にアプローチをかけて制作することにも、当時はためらっていたそうだ。

 また、客観的な体験がしたかったと撮影監督も務めている。「(過去という)時間の感覚に敬意を払いたかったんだよ。それは映画全体の時間の経過だけでなく、時間の感覚自体にも言えることで、冒頭でヤリーツァ演じるクレオが床を洗っている際、時間をかけて床を洗っている。そういった時間という存在が流れている中で、僕は今作では時間だけでなく、空間にも敬意を払っているんだ。時間と空間には制限があるものの、逆にその時間と空間の制限によって、信じられない体験をすることもあるんだ」。

マリナ・デ・タヴィラ

 一方、今作の体験はこれまで出演した作品とは全く異なっていたと語るのは、メキシコでベテラン女優として活躍するマリアだ。「アルフォンソは脚本を持っていたけれど、われわれ俳優陣には渡さなかったの。だから、彼はその日撮影することを毎日、別々に俳優たちに伝えていたわ。そのやり方が俳優たちに浸透してからは、(普段の)生活を捉える中でマジックが起きたわ。通常なら、俳優は(脚本を通して)キャラクター自体やそのキャラクターの状況を分析するけれど、そういうものは一切しなかったのよ」。

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ヤリーツァ・アパリシオ

 映画初出演となったヤリーツァは、完成した映画について「最初に今作を鑑賞したのはベネチア国際映画祭で、鑑賞後にわたしとマリアは泣いていたの。過去のきつかった仕事がこのような完成した作品になって、すごく興奮したわ。それに(初出演のわたしへの)アルフォンソの忍耐力も素晴らしかった。撮影の途中で、彼から撮影したシーンでも映画に含まれない箇所もあると言われたけれど、いかにアルフォンソが全てをまとめ上げたかを見てみて、本当に素晴らしいと思ったわ」と感謝した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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