岸田繁、主題歌に「リラックマ」のワードを入れた理由

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「リラックマとカオルさん」で全楽曲を担当した岸田繁

 ロックバンド、くるりのボーカリスト・ギタリストの岸田繁が、Netflixオリジナルシリーズ「リラックマとカオルさん」(4月19日配信スタート)の全楽曲を担当。主題歌にはくるり書き下ろしの「SAMPO」が起用された。くるりの全国ツアーのほかソロ活動の準備が控えるなか、「音楽を作る仕事でしたら極力、タイミングさえ合えばやらせていただきたいと思っています」と臨んだ岸田が、本作での楽曲づくりを振り返るとともに、唯一無二の世界観の魅力を語った。

【動画】リラックマがダイエットマシン使ったらこうなった!

 本作は、2003年に誕生したキャラクター「リラックマ」を、NHKキャラクター「どーもくん」で知られるドワーフの制作・プロデュースによりストップモーションアニメ化。不器用なアラサーOL・カオルさん(声:多部未華子)と、同居するリラックマ、コリラックマ、キイロイトリの悲喜こもごもを描く。

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見どころは何と言っても初登場のカオルさん!(C)2019 San-X Co., Ltd. All Rights Reserved.

 岸田が作詞した主題歌「SAMPO」は、思うようにならない日々を送る主人公のカオルさんがつまずきながらも少しずつ前進していく情景を思い浮かばせる、切なくも希望を感じさせるもの。アニメで描かれる季節の移ろいを感じさせるリリックも心地よく、何と言っても「リラックマ」のワードが入っているのも興味を引く。

 「イライラしてどうにもならないというような気持ちのカオルさんが、リラックマに『教えて』と問いかける、そんな歌です。リラックマはのんびりしているように見えるけど、実はカオルさんのことをよくわかっていて、そんなクマ側のメッセージも代弁して、3歩歩いて2歩下がるぐらいで明日になったらいいな、と。おそらくセリフがない箇所で使われることもあるでしょうから、カオルさんやリラックマが感じているであろうことを歌詞にするのがいいのかなと思いながら作っていきました。“テンポは120ぐらい”というオーダーは、いただいていました」

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 歌詞の中で印象的なのが、絶妙な「ポジティブ」さ。例えば、「しばらくはあなたのための春」には「桜が散ってしまえば寂しいですけど、次の季節がやってくる感覚もある。その前に『瞬きする間に過ぎゆく 季節をおいかけないで』とありますけど、季節は通り過ぎるものなので過去、未来にとらわれるのではなく『今』を生きてほしい」といったメッセージが。最後の「余裕でいけるでしょう」には、逆説的な思いが込められている。「人生、余裕では生きていけないものだと思うから。『余裕でいける』と言い切っていないのには、不安な気持ちがあるからだと思うんです。そこからどうなるかというのはケセラセラ(なるようにしかならない)でしかないわけで」

こんなかわいい仲間がいたら……と妄想せずにいられない(C)2019 San-X Co., Ltd. All Rights Reserved.

 一方、音楽で重要視したのは「完璧ではない、ずれの妙」。デジタルとアナログが融合したアニメの世界観を壊さないことを重んじながら、ほぼコンピューターで行ったという。「迷ったシーンは一つもなく、アイデア自体は一筆書きの感覚でした。シーンを見た瞬間に『この音』というのはすぐに浮かぶので、できるだけそのイメージに近い音を選んでメモを取り、シェイプしていく。よりリラックマの動きに合うようにしたり、お天気、物語の雰囲気に合うようなサウンドに仕上げていきます。でもあまり磨きすぎると世界観に合わなくなるので、ちょっと雑なぐらい。その雑さというのも、いかにもな手作り感ではなくて」。作家性が出過ぎないようにと、ピアノも生の音を収録するのではなくプリセットを使用しコンピューターで打ち込んでいった。

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 ちなみに、岸田が注目した作品のポイントはカオルさんのキャラクター。「カオルさんはやや注意力散漫ですよね。つっこみどころがある人。だからこそ、僕も含めたいろんな人が抱えているパーソナリティの問題意識みたいなものにうまくつながっているエピソードが多い気がします。とはいえ、それを物語の中ではあえて掘り下げていないところもいいんです。何もできなさそうなリラックマが、より何もできないカオルさんと一緒にいることによって、カオルさんが救われている。そこがいいなと思いました」

 5月のくるりのニューアルバム「songline」リリースツアー「列島 Zeppェリン」、6月より全国ツアー「列島ウォ~リャ~Z」、そして3月に東京で実施されたソロ公演「京響プレミアム 岸田繁交響曲第二番 初演」など多忙なスケジュールのなか、作り上げた「リラックマとカオルさん」の音楽。なお、本作の23曲を収録したオリジナル・サウンドトラックが、主要配信サイト及び各ストリーミングサービスで配信中だ。(取材・文:編集部 石井百合子)

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