柄本佑、奇跡の殺陣シーンの裏側「1回1回が綱渡り」

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柄本佑 - 写真:高橋那月

 昨年、『素敵なダイナマイトスキャンダル』『きみの鳥はうたえる』『ポルトの恋人たち ~時の記憶』と3本の主演映画が立て続けに公開され、第92回キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞、第73回毎日映画コンクール男優主演賞に輝いた柄本佑。NHK連続テレビ小説「なつぞら」の高校演劇部の顧問・倉田先生役も好評を博し、今、ノリに乗っている柄本が、約8年ぶりに松坂桃李と共演を果たした最新作『居眠り磐音』(5月17日全国公開)で壮絶な殺陣を繰り広げた。「一振り一振りがセリフの一つ」と語る柄本の真意とは? あふれる時代劇愛をにじませながら、松坂との死闘の舞台裏を振り返った。

【動画】松坂桃李との殺陣シーンも!予告編

 シリーズ累計2,000万部を突破した佐伯泰英の時代小説を映画化した本作は、『孤狼の血』で第42回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞した松坂を主演に迎え、『超高速!参勤交代』シリーズの本木克英監督がメガホンをとった時代劇エンターテインメント。江戸勤番を終え、3年ぶりに九州・豊後関前藩に戻ってきた幼なじみの坂崎磐音(松坂)、小林琴平(柄本)、河出慎之輔(杉野遥亮)は、良からぬ噂が火種となり、予期せぬ事件に巻き込まれる。やがて、磐音と琴平は一騎打ちを余儀なくされ……。

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『居眠り磐音』で実直なアニキ肌の琴平にふんする柄本 (C) 2019映画「居眠り磐音」製作委員会

 もともと、映画界に入るきっかけが、小学生のときに観た三隅研次監督の『座頭市』シリーズだったと明言する柄本。以来、中学、高校と阪東妻三郎萬屋錦之介市川雷蔵などの時代劇に夢中になり、「いつか自分も出演してみたい」という思いを強めていった。ところが雷蔵らが活躍した時代とは明らかに環境が違う現在、いろいろな意味で、時代劇を演じることは難しいと柄本は指摘する。

 「今は時代劇の型をちゃんと習える場所がないんですよね。昔は撮影所があって、先輩、後輩の師弟関係があったので、自然と身に付いていたようですが、(今は)そもそも職業として時代劇俳優というものがないので、そういった意味では本当に厳しい。もはや現場で経験しながら、しかも自分から先手を打ちながら、学ぶ意識を持っていないと身に付かないように思います」と嘆く。だからこそ、時代劇の醍醐味である「殺陣」に重きを置いた本作に出演できたことに、興奮を隠せない。

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 特に松坂演じる磐音と、柄本演じる琴平との運命のいたずらとも言うべき宿命の対決は、時代劇ファンならずとも息を呑む迫力。「アクションコーディネーターの諸鍛冶(裕太)さんが、『殺陣でキャラクターをつくっていこう』と発案され、磐音の独特な構えである『居眠り剣法』に対し、琴平は肩に刀を担ぐ戦法で行くということになって。あとはそこに乗っかるだけでした」と述懐する。

幼なじみを演じる松坂桃李、杉野遥亮との息の合った共演も見もの (C) 2019映画「居眠り磐音」製作委員会

 その一刀ごとに漂う哀しさ、切なさを宿した殺陣は、本作の最大の見せ場の一つでもある。「それも、諸鍛冶さんが一振り一振りに決戦に至るまでの心情を入れてくださったので、殺陣に感情が表れているというか、セリフの一つのようになっている。だから、われわれ役者は自然と流れに乗るだけで、無心で立ち回っていたような気がします」

 磐音の手にかかって死にたい琴平と、琴平を殺したくない磐音。義兄弟であり、親友同士でもある2人の思いが、つば迫り合いの中に込められた殺陣の奥深さ。「身をまかせるといっても、テイクは10回くらい、テストを含めると20回以上はやったでしょうか。段取りを間違えたり、体勢を崩したり、一度滑ってしまうと腰が引けてしまったり……。殺陣は1回1回が綱渡り。それがまた楽しくて、時代劇の醍醐味だったりする」と柄本は充実の表情。

 俳優の石橋蓮司と共演した際、「昔は役者によって殺陣に独自の型があった」との話を聞いて興奮したという柄本。「この作品に携わってみて、改めて殺陣はやっぱり花形だと実感しました。ただ、出来上がったものを観ると、体の動きや姿勢など粗ばかり見えてきて、“柄本、まだまだだな”と思うところも」。そう、ストイックに自身の演技を振り返るとともに、さらなる高みへの意欲を見せていた。(取材・文:坂田正樹)

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