異国で前田敦子を支えた時間 ウズベキスタンから激動の1年を振り返る

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前田敦子 - 写真:中村嘉昭

 女優の前田敦子が、かねてから信頼を寄せる黒沢清監督と3度目のタッグを組んだ日本・ウズベキスタン合作映画『旅のおわり世界のはじまり』が間もなく公開される。ウズベキスタンロケから約1年後、結婚、出産を経て1児の母になった前田が、「1年あったら本当に人生変わるんだな」と状況が一変した現在の心境を明かした。

【動画】『旅のおわり世界のはじまり』予告編

 本作は、日本とウズベキスタンの国交樹立25周年を記念した合作映画で、前田は昨年4月末から5月にかけて約1か月、ウズベキスタンロケに参加。今年4月にはウズベキスタン共和国観光大使に就任した。前田が演じるのは、バラエティー番組のリポーター、葉子。番組のためにクルー(加瀬亮染谷将太柄本時生)とともに幻の怪魚を探しにウズベキスタンを訪れるという設定。舞台で歌う夢と現在とのギャップに苦悩している葉子が、異国の地でさらにその思いを強め、迷いながら成長していくさまが描かれる。

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ウズベキスタンでも大人気!(C) 2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO

 完成した作品を観て「撮影しているときにわたしが観たものがそのまま映されている印象でした。ウズベキスタンで感じた空気がすべて映っているよう」と感想を述べる前田。劇中、火の通っていない料理で食レポをしたり、遊園地で絶叫マシンの体験リポートをしたりと無茶振りが続き疲弊する葉子にとって、唯一心のよりどころになったのが結婚を控える恋人との通信。くしくも前田自身も撮影の合間に当時交際中だった夫と連絡をとり、状況が重なっていた。異国になじめない葉子と違って、前田は到着早々に現地に溶け込み街を探索するなどウズベキスタンに魅了されたというが、それでもその通信時間は大切だったそう。

 「撮影はとても楽しかったのでホームシックになることはなかったんですけど、一人で考える時間を持たないでいられたのはテレビ電話をしてくれていたことも大きかったですね。知らない土地で撮影するんだったら余計なことは考えずに、現地の空気を感じながら撮影に臨んだ方がいいと思ったので。そういう意味では今の旦那さんにすごく支えてもらいました。ごくたわいもない話でしたけど、すごくポジティブな気持ちにしてくれていたように思います」

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現地にて黒沢清監督(左)と

 昨年5月にウズベキスタンから帰国した後、結婚・出産とプライベートで大きな変化があり、自身も驚きを隠せない。「もともと台本の方が先にあったのに、気付いたら自分が葉子と同じような状況にいて。映画の中で、帰国後の彼女は描かれていませんが、かたや『前田敦子はこうなりました』と(笑)。人って1年あったらこんなに変わるんだと、いろんなことを考えました。だから葉子はどうなったんだろう、とすごく気になります」

 出産して以来、子育てに奮闘中の前田。気になる今後の女優業との両立については、決して気負わない考えだ。「子供がまだ何もしゃべれないですし、何か伝えてくるということはないですけど、聞いてあげる存在ではありたい。ちゃんとお母さんで居続けたいです。わたしの時間のために子供を振り回すのではなく、むしろ子供に振り回されたいと」

 現在、石井裕也監督の『町田くんの世界』が公開中。9月には初の母親役に挑む主演映画『葬式の名人』の公開も控えており、母として、女優として邁進する彼女のさらなる成長を見届けたい。(取材・文:編集部 石井百合子)

映画『旅のおわり世界のはじまり』は6月14日より全国公開

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