女優・前田敦子を総まくり!AKB48卒業からの7年

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
前田敦子
AKB48時代の前田敦子 篠田麻里子(左)、大島優子(右)と。(C)VCG via Getty Images

 交際報道が出たと思ったら、あっという間にご結婚され、さらにお母さんにまでなった前田敦子。2012年のAKB48卒業から丸7年、かつてAKB48の絶対的なエースだった彼女は、気が付けば国内外の賞レースを賑わす個性派監督のミューズになっていました。

 そんな彼女の新作映画が連続で公開されます。

 一本はカンヌを筆頭に各国で高い評価と人気を誇る黒沢清監督による主演作『旅のおわり世界のはじまり』(6月14日公開)。もう一本は『舟を編む』の石井裕也監督の『町田くんの世界』(公開中)。こちらではなんと高畑充希岩田剛典太賀と共に高校生を演じています。さらに、9月には主演作『葬式の名人』(9月20日公開)が控えています。この映画では『苦役列車』以来久しぶりに高良健吾と共演しています。(『シン・ゴジラ』でも間接的な共演あり)

 そこで、今回はAKB48時代も含む、映画女優としての前田敦子とそうそうたる映画監督たちについてまとめたいと思います。(村松健太郎)

[PR]

AKB48時代 市川準監督作でスクリーンデビュー

市川準
『あしたの私のつくり方』の監督を務めた故・市川準監督 Clayton Chase/WireImage

 前田敦子のスクリーンデビューは59歳の若さで亡くなった市川準監督の『あしたの私のつくり方』(2007)。市川監督と言えば初の劇場公開作品『BU・SU』(1987)で富田靖子、『つぐみ』(1990)で牧瀬里穂を女優としてステップアップさせるなど、新進女優を成長させることに定評がある監督でした。なかなか恵まれたスクリーンデビューと言っていいでしょう。

 その後、テレビドラマ出演が始まり、そこでは井口昇若松節朗波多野貴文犬童一心などに揉まれました。2010年には大河ドラマ「龍馬伝」(メイン演出は『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督)にも出演しています。

 その一方で、王道アイドル的な映画にも出演しています。原田眞人監督のホラー映画『伝染歌』(2007)。そして、ベストセラー本を基に映画化した2011年の初主演作『もしも高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(=もしドラ)です。そして、この映画から約一年後、AKB48 を卒業することになります。

[PR]

AKB48卒業後 早くも個性派監督との競作が始まる

1:山下敦弘『苦役列車』(2012)『もらとりあむタマ子』(2013)

もらとりあむタマ子
『もらとりあむタマ子』ブルーレイ&DVD発売中(ブルーレイ:2,500円+税、DVD:1,900円+税)発売元:エムオン・エンタテインメント/キングレコード 販売元:キングレコード (C)2013『もらとりあむタマ子』製作委員会

 AKB48卒業コンサートの直前に公開されたのが『苦役列車』です。『リンダ リンダ リンダ』『マイ・バック・ページ』の山下監督が森山未來を主演に迎えた本作。ヒロインを演じた前田敦子の魅力を感じた山下監督は、翌年のオリジナル脚本作品『もらとりあむタマ子』では主演に抜擢しました。山下監督は前田の魅力を「ネコみたいなマイペースさ」と語っています(第18回釜山国際映画祭トークイベントより)。

 また、本作を観た『モテキ』『バクマン。』の大根仁監督は「『苦役列車』を見て僕はビンビンきた、AKBファンなら見に行け」と絶賛しています(『その夜の侍』公開記念スペシャルトークショーより)。

2:中田秀夫クロユリ団地』(2013)

中田秀夫
『クロユリ団地』大ヒット祈願祈祷式より(2013年5月9日撮影)中田秀夫監督と

 シリーズに復帰した『貞子』も公開中の中田秀夫監督は、2013年の『クロユリ団地』で成宮寛貴とのダブル主演で前田敦子を起用して物語の鍵となるヒロインを託しました。

 ここでは「アイドル前田敦子じゃなくて、内にある繊細で傷つきやすくて涙もろいもの、20歳の前田敦子にしか演じられない(劇中で演じる)二宮明日香にしてほしい」と伝えたといい、「ちょうど少女から大人の女性に変化していくときに撮影させてもらったと思っている。じっくり観ていただきたい」と語り、前田敦子の脱アイドルと女優としての新しい船出をアピールしています(『クロユリ団地』公開記念トークショーより)。

3:黒沢清『Seventh Code セブンス・コード』(2013)『散歩する侵略者』(2017)『旅のおわり世界のはじまり』(2019)

黒沢清
『旅のおわり世界のはじまり』メイキングより 黒沢清監督と (C) 2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO

 女優・前田敦子に惚れ込んでいるという点ではもしかしたら、一番かもしれないと思えるのが黒沢清監督です。元々はPVとしてスタートした『Seventh Code セブンス・コード』は結果として長編作品となり、ローマ映画祭最優秀監督賞を受賞しました。終盤アッと驚く展開になるので、結果として印象が変わりますが、前半部分の雰囲気は『旅のおわり世界のはじまり』と近い空気感を味わえます。

 AKB48時代に出演したドラマ「Q10(キュート)」(2010)の演技で魅了された黒沢監督は、その後も『散歩する侵略者』、『旅のおわり世界のはじまり』で連続して起用しています。また製作中止となりましたが日中合作映画『一九〇五』という企画もありました。最新作『旅のおわり世界のはじまり』はそのリベンジ企画でもあります。

 「普通の女の子なのにスクリーンに映るとものすごい個性を発揮する」「映っているとつい彼女が目に行ってしまう」とべた褒めです(シネマトゥデイインタビューより)。

4:堤幸彦エイトレンジャー2』(2014)『イニシエーション・ラブ』(2015)

イニシエーション・ラブ
「イニシエーション・ラブ」ブルーレイ&DVD発売中(ブルーレイ:5,800円+税、DVD:4,800円+税)発売・販売元:株式会社バップ(C)2015 乾くるみ/「イニシエーション・ラブ」製作委員会 バップ

 AKB48の「フライングゲット」のPVを監督した堤幸彦監督は、2014年から2015年にかけて『エイトレンジャー2』、『イニシエーション・ラブ』に連続で前田敦子を起用。当時の堤監督は「女優として最終兵器、個々がわしづかみされます」と完全にノックアウトされた様子で語っています(シネマトゥデイインタビューより)。

5:廣木隆一さよなら歌舞伎町』(2014)

 長いキャリアを誇る廣木隆一監督の『さよなら歌舞伎町』では染谷将太と初共演。「撮影の中で自分で考えることを教えてもらった」という前田敦子に対して、「劇中で披露するギターの練習などを熱心にしていた」と語った廣木監督は、その後、前田敦子の楽曲「Selfish」のPVを映画と同じラブホテルで撮影することになります。

6:沖田修一モヒカン故郷に帰る』(2015)

 松田龍平との初共演作となった『モヒカン故郷に帰る』では妊婦役。監督は『横道世之介』『南極料理人』の沖田修一。コミュニケーションの中でかわいい妊婦像を創り上げていきました。作品は海外でも上映されるなど話題を呼びました。

7:熊切和嘉武曲 MUKOKU』(2017)

 ジョン・ウーの『男たちの挽歌』を観て衝撃を受けたという熊切和嘉監督。そんな、ウー監督が絶賛した『武曲MUKOKU』では大胆な絡みも披露して見せます。熊切監督は主演の綾野剛村上虹郎、前田敦子、柄本明と言ったキャスティングは “完璧”と語っています(『武曲 MUKOKU』初日舞台あいさつより)。

8:冨永昌敬素敵なダイナマイトスキャンダル』(2018)

 『乱暴と待機』(2010)、『南瓜とマヨネーズ』(2017)などで知られる冨永昌敬監督作品。共演は柄本佑。個性派俳優一家で知られる柄本家(柄本明、柄本佑、柄本時生)との共演が多い前田敦子は、これで柄本家コンプリートとなりました。

9:石井裕也『町田くんの世界』(2019)

町田くんの世界
『町田くんの世界』より (C) 安藤ゆき/集英社 (C) 2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

 共演した高畑充希、池松壮亮(そして『旅のおわり~』の柄本時生)とはドラマ「Q10」で共演して以来、公私に渡り仲の良いことで知られますが、その面々が久しぶりに共演するのが『町田くんの世界』です。監督は『舟を編む』の石井裕也監督。劇中では女子高生を演じている前田敦子ですが、意外なほどに違和感がなく主人公を支える気のいい同級生を演じています。

 本作はメインの2人(細田佳央太関水渚)がほとんど演技経験のないのに対して、共演が前田敦子、岩田剛典、高畑充希、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香佐藤浩市北村有起哉松嶋菜々子という豪華すぎる面々が集結したというのが話題になっていて、主演組の奮闘と共演陣の絶妙な力加減が素敵な化学反応を起こしています。

 関係者の中では話題なっている一本で、大ブレイクするかもしれない作品に仕上がっています。

[PR]

+αアンサンブル 出演作品

鶴橋康夫
『のみとり侍』大江戸プレミアにて(2018年4月2日撮影)鶴橋康夫監督と前田敦子

 AKB48時代の出演作で、当時のメンバーも多数出演の『伝染歌』。のちの共演が多い太賀主演の『那須少年記』(2008)、三池崇史監督の『神さまの言うとおり』(2014)では声の出演。『シン・ゴジラ』(2016)で冒頭にカメオ出演的に。『探偵はBARにいる3』(2017)で“もしドラ”以来の大泉洋との共演。『のみとり侍』(2018)では岡田准一主演の「白い巨塔」などでも知られるベテラン監督、鶴橋康夫のもとで時代劇映画初挑戦。2018年の『食べる女』『マスカレード・ホテル』では後に結婚することになる勝地涼と共演。ドラマに続いて出演した『コンフィンデンスマンJP』(公開中)では意外な姿を披露しています。またポケモンの短編映画で声優にもチャレンジしています。

まとめ
 AKB48時代のイメージと勢いをそのまま女優業に持ち込んでいるかと言えば、今の前田敦子の姿を見て、そうだとは言えません。しかし、その枕詞を省いて一人の女優として見直してみたとき、ここまで個性派監督の作品に連続して出演し続けている若手女優はなかなかいないということに気が付かされます。“がっつり主演型”でないこともあるのも事実ですが、それがプラスに転じて、実に幅広い役を演じています。AKB48に合格したのが2005年のことですが、27歳にしてもうすぐ15年選手というキャリアを誇る前田敦子という女性を次は誰が選ぶのか?

今後も目が離せません。

↓あっちゃん、ウズベキスタンへ『旅のおわり世界のはじまり』予告編↓

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア

楽天市場

[PR]