『天気の子』北米プレミアが大盛況!新海誠監督にコアな質問飛びまくり【Q&A全文】

第44回トロント国際映画祭

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『天気の子』がトロントで上映!

 現地時間8日、第44回トロント国際映画祭でアニメーション映画『天気の子』の北米プレミアが行われ、登壇した新海誠監督がファンたちから熱烈な歓迎を受けた。この日のチケットは即日完売となったほか(翌日以降の上映回も全て売り切れ)、当日券に一縷の望みを託した人々が長い列を作るなど、新海監督作品に対する注目度の高さを感じさせた。

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 東京に家出してきた少年・帆高と、雨を晴れに変えることのできる能力を持つ少女・陽菜の出会いを描いた本作。大ヒットを記録した『君の名は。』(2016)に続く新海監督作として世界からの期待値も高く、140の国と地域での配給が決まっている。米アカデミー賞の日本代表にも選出されたほか、日本国内での興行収入は120億円を突破している。

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 上映中はしばしば笑いが起きて終盤ではすすり泣きが聞こえるなど、トロントの観客も映画に夢中になっていた様子。上映前に登壇した新海監督からの「僕の映画を観たことがある人?」という逆質問には大多数が手を挙げていたが、上映後のQ&Aは主に「『君の名は。』は一番好きな映画です」「質問できるなんて、現実とは思えないです!」など質問者が新海監督作への愛を述べるところから始まって、コアな質問が飛んでいた。(編集部・市川遥)

以下、トロント映画祭でのQ&A全文(ネタバレを含む)

ファンから切々と『君の名は。』愛を語られている新海誠監督

Q:『君の名は。』と同様にティーンエイジャーが主人公であること、両親の不在について。

新海監督:アニメーション映画を一番必要としているのが10代だと思うからです。僕も高校生の時に、宮崎駿さんの作品がものすごく楽しみで、新作の公開までもうちょっと生きていようと思えたりとか、あるいは1本のアニメーション映画を観るだけで、学校の悩みが全て消えたりだとか、人生が少し変わったりとか、そういう力を10代にならば与えることができると思うんですね。親が出てこない理由というのは、映画の中でそんなに描く必要がないと思ったからです。今回の映画に関しては、過去の出来事が少年少女を作っているというよりは、少年少女がもう前に走り出して止まれなくなってしまって、世界のずっと先まで行ってしまうような、そういう映画にしたいと思ったからです。

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Q:「晴れ女」などの日本文化について。

新海監督:晴れ女、晴れ男、雨女、雨男とかって日本だとわりと言うんですよね。カナダでは言わないのでしょうか? 例えば本作には鳥居が出てきますが、『君の名は。』もそうなのですが、本作は日本に住んでいる自分たちの足元を深く掘るような映画にしたいとまず考えました。東京は過密な都市で地価が高いんですけど、鳥居もたくさん残っているんですよね。鳥居は言ってしまえば何の機能もなく、役に立たないものなのですが、僕たちはやっぱり鳥居を壊すことができないんです。ですから鳥居のある場所にビルを建てたいと思えば、鳥居をビルの上に移してまでずっと残そうとするんです。なんでそこまでして残そうとするのかその理由はわからないんですけど、ただ僕たちは鳥居があればその前で手を合わせて何かを願ってしまう、そういう、その場所で生まれ育ったから自分たちに染みついていることを映画の仕掛けの一つにしたいと考えました。

Q:成功した『君の名は。』後の作品としての難しさについて。

新海監督:おっしゃる通り『君の名は。』が日本で成功したことで、いろんな批判を浴びました。そのうち一番大きな批判は、日本で2011年に起きた地震にインスパイアされて『君の名は。』という映画を作ったのですが、災害をエンターテインメントの中に使うのはあまり良くない、というもの。そういう批判のされ方が自分としては一番ショックでした。『君の名は。』は“人が「あの人が生きていてくれたら良かったのに」と願ってしまうこと、そのもの”を映画にしたつもりだったんですよね。その時に思ったのが、人の願いは、時に他の人の願いとぶつかることがあるんじゃないかということなんです。例えば、映画の中で帆高が「青空よりも君が大事だ」と陽菜のことを選びますけど、それはたくさんの人たちの幸福とぶつかることだったりしますよね。『君の名は。』でたくさんの批判を浴びたことで、“人に言ったら褒められないかもしれない願い”というものを、エンターテインメントの中で全力で叫ぶような映画を作ってみたいと思ったんです。それは『君の名は。』で浴びた批判に対しての、反抗心のようなものだったかもしれないです。それが一番最初の困難だったかもしれない。どういうものを作るかという最初の種をつかむまでが、一番大変だったことかもしれないです。

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Q:RADWIMPSの曲について。

新海監督:今日観ていて、皆さんにRADWIMPSの歌詞を理解してもらえたら、もっと映画が魅力的に見えたのかもしれないなと思いました。もし歌詞にも字幕が付いたりとか、あるいはRADWIMPSが英語版の歌を作るかもしれませんが、そういうことがあれば、よりたくさん映画に込めたメッセージを感じてもらえると思います。次もRADWIMPSと一緒にやるかはまだわからなくて、決めていないです。やりたいような気もするし、またちょっと違う人と試してみたい気もするし、どっちがいいんでしょうね(笑)。

Q:『君の名は。』のキャラクターのカメオについて。これは新海バースなのか?

新海監督:気付いた方がいらっしゃるんですかね?(※手を挙げる人多数) ありがとうございます(笑)。同じ東京が舞台ですし、この映画の舞台は2021年を想定しています。『君の名は。』の瀧と三葉が生きている時代と一応被るので、前作がたくさんの人に愛してもらえた映画でもあったので、サービスのつもりで出演してもらいました。また次の作品で、今回の『天気の子』のキャラクターを出すかどうかはちょっとわからないです。東京を水に沈めてしまったので、次の作品を東京を舞台には作りにくいような気がしています。

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Q:『君の名は。』以前は、『ほしのこえ』『雲のむこう、約束の場所』そして『秒速5センチメートル』も少しそうだがSFの要素がたくさんあった。『君の名は。』と『天気の子』では日本文化がフィーチャーされている。空想的なものから、文化的なものへの移行について。

新海監督:自分の興味がだんだん移ってきた、というのがあります。自分が年を取ってきて、子供もできて、長く生きてくると自分の足元のことをより知りたくなるというか、さっきの鳥居の話もそうですけど、本作ではお盆という習慣も描きました。自分たちがなぜこういう習慣を続けているのか、そのことの不思議をより強く感じるようになって、映画の中でそういうことを描くようになってきたのだと思います。ただSFは個人的にはとても好きで、例えば『インターステラー』のような映画を作りたいという気持ちはとても強く今でもあります。ただ日本だとSFはあんまり売れないんですよね、そこがちょっと問題かなと(笑)。

Q:『囲まれた世界』(1998)を再リリースする予定は?

新海監督:僕が昔作ったすごく短い、ショートフィルムなんですけど、知っている人は世界に20~30人しかいなくて、あなたはそのうちの一人だと思います(笑)。作りはしたんですけど、とても未熟な出来なので公開はずっとしていないんですね。もし公開できることがあったとしても、きちんと今の自分で作り直したものを皆さんに観てほしいなというふうに思います。昔作ったものはとても公開できないです。データも消えちゃったような気がしますね。

Q:『遠い世界』(短編)ダイスキ!

新海監督:ありがとう! すごいマニアって言うんですか?(笑)とてもうれしいです。オタクー(笑)。ありがとう。

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