実写版「フォールアウト」S2にマコーレー・カルキン登場 ジョナサン・ノーランが語る起用理由

『ダークナイト』『インターステラー』の脚本家ジョナサン・ノーランが、世界大ヒットゲームの実写化に挑んだ Prime Video のドラマシリーズ「フォールアウト」。核戦争後の荒廃した世界を舞台にしたサバイバルを描く本作のシーズン2には、『ホーム・アローン』で一世を風靡したマコーレー・カルキンが登場する。なぜ本作に彼を起用したのか、ジョナサンがその経緯を明かした。(以下、第3話までの内容に触れています)
【画像】ゲームの世界が実写に!ドラマ「フォールアウト」シーズン2場面写真
「フォールアウト」は、核戦争から約200年後の荒廃したアメリカが舞台のドラマシリーズ。1950年代に考えられていた未来像を反映したレトロフューチャーな世界観、現実社会への風刺やブラックユーモアなど、ゲーム独自の要素を見事に反映した世界観が支持を集め、現在はファン待望のシーズン2が配信中だ。
物語はそれぞれの事情を抱えた3人の主人公の視点で描かれており、攫われた父親を探して核シェルターから旅立つ才女・ルーシー(エラ・パーネル)、軍事組織の兵士・マキシマス(アーロン・モーテン)、過去を秘めた非情な賞金稼ぎ・グール(ウォルトン・ゴギンズ)が、運命を交差させながら世界を揺るがす事態に巻き込まれていく。
マコーレーは、シーズン2でルーシーが捕らわれる集団「リージョン」の一員として登場。彼らはローマ帝国時代の価値観で生きているような集団で、マコーレーが演じるキャラクターも、『ホーム・アローン』のケヴィン役からは想像できない、前時代的で残酷なセリフを発する姿が恐ろしくも笑いを誘う。
本作には、リージョン以外にも多数の勢力が登場しており、ジョナサンは「この作品は、ある種の社会体制や宗教的団体、あるいは大企業や政府……そういったものに対して批判的な視点を持っている作品だと考えています。その果てに終焉を迎えた、1つの文明や文化が終わった後の遺産を、検視官が(遺体を)検分しているように視ている作品だと思うんです」と語る。
さらにジョナサンは、残虐な拷問も厭わない集団でありながら、どこかコミック的な存在でもあるリージョンは、本作のバイオレンスを象徴する存在だと明かし、「マコーレーはとてもアイコニックな存在だし、本当に素敵な人なんです。その彼がそんな集団の一員を演じるのが面白いと思った。また、偶然にも彼が『フォールアウト』シリーズの大ファンだったので、とても建設的な会話ができたことも大きかったですね」と証言。
そのうえで「そんな経緯でマコーレーがとてもバイオレントな役をやってくれたんですが、忘れてはいけないのは、『ホーム・アローン』こそが映画史において最もコミカルなバイオレンス映画だってことですよ! あれってクリスマス映画のわりに残虐すぎますよね(笑)」とジョークを飛ばす。
また、原作の大ファンでもあるジョナサンは、ユーモアもバイオレンスはもちろん、ゲームに込められた「ユニークなトーン」を保持することが大切だったと証言。「終末世界を少しコメディ的な視点で眺めるんです。皮肉なことに、現在のアメリカや世界をめぐる情勢が、ドラマの世界観と似たものになってしまいましたけどね。そのことで、作品にタイムリーな要素が生まれたのは、運が良かったとも思います」と語った。
「フォールアウト」シーズン2は Prime Video にて独占配信中 毎週水曜日17:00に最新話配信


