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池松壮亮とオダギリジョーが兄弟役 オール韓国ロケの石井裕也監督作『アジアの天使』

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 俳優・池松壮亮が主演し、オダギリジョーや韓国の女優チェ・ヒソが共演する映画『アジアの天使』が、2021年に公開される。監督・脚本は『舟を編む』などの石井裕也。95%以上が韓国のキャスト&スタッフで、オール韓国ロケで挑んだ意欲作となる。

ナチュラルな池松壮亮【写真】

 「石井監督と韓国のクリエイターとの共同作業で映画を作りたい」という日本側のプロデューサー、永井拓郎の思いから始まった本作は、それぞれが心に傷を持つ日本と韓国の家族がソウルで出会い、新しい家族の形を模索する人間ドラマ。池松は病気で妻を亡くし、息子を連れて疎遠になっていた兄が住むソウルへと渡る青木剛を、その兄をオダギリが演じる。二人が本格的に共演するのは本作が初めて。

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 ヒロインは、『金子文子と朴烈(パクヨル)』で長編映画初主演を務めたチェ・ヒソ。うまくいかないタレント活動や兄妹との関係に悩むチェ・ソルにふんする。撮影は今年2月21日~3月24日に韓国のソウル、カンウォンドで行われ、今秋に完成予定。来年春に韓国で公開した後に日本で公開される。(編集部・小松芙未)

▼コメント
石井裕也監督
とびきり自由で全く新しい映画を作るためにちょっとした冒険をしました。つまらない常識は一旦全部ぶっ壊してみよう、という挑戦的な映画です。撮影期間中、コロナによって世界の状況がどんどん悪化していきましたが、スタッフたちの努力により奇跡的に無事にクランクアップできました。
日本語と韓国語と英語が飛び交う現場の中で、池松君とオダギリさんのコンビの芝居は抜群に面白く、考えてみれば日本の天才2人が韓国で兄弟を演じているだけで物凄く価値があるなと思いました。韓国人俳優たちは強烈でパワフルで純粋で、日本人には出せないオーラがやっぱり確かにありました。
別種の凄みが1本の映画の中で見られると思います。

池松壮亮
いつからか真実を見失った者達が、国を超え、こびりついた価値を捨て、互いを見つめ、痛みに共感し、共に旅をして、共に生まれ変わるまでについての映画です。
脚本を渡された時、震えました。
来たる新しい時代の夜明けの前に、それぞれの後悔の日々と、二度と戻らない時間を取り返しにいくこの映画の挑戦にかけてみようと思いました。
石井監督とはこれまで沢山の仕事を共にしてきましたが、そのあくなき探究心と、他者の心を想う映画作家としての力は、やはり圧倒的です。
世界が新たなステージの分断に乗り出しつつある今、誰が何と言おうとこの映画で出会い、受け入れてくれたチェヒソさんをはじめとする素晴らしい韓国キャストの方々、愛情深い韓国スタッフの方々には感謝してもしきれません。
この映画の天使がきっと、良き時代の到来を告げてくれると信じています。

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オダギリジョー
明らかにこの作品からは石井監督の「挑戦」が感じ取れました。
ありふれた映画ではなく、何かを飛び越えてくれそうな、何か新しい感覚をくれそうな、そんな映画になりそうで、僕は喜んで参加する事にしました。監督や俳優、ほんの数人の日本人が韓国に乗り込んで行ったわけですが、コロナも含め、色んな危機を乗り越えながら、僕らは国を超えて大きな家族になれた気がしました。

チェ・ヒソ
国も文化も違う人々が一緒に旅に出ました。映画という共通言語を信じてみよう。みんなでひとつの物語を作ってみよう。
その一心で毎日現場へ向かいました。
石井監督の無限の想像力と、映画に対する愛情と確信は私にとって大きなインスピレーションでした。監督の現場で私は、毎日、他の撮影現場では出来なかった数々の挑戦に出会い、新たな発見をする事が出来ました。
池松壮亮さんの映画を作る仲間に対する愛情深い、まっすぐな眼差し。オダギリジョーさんの抜群のウィットと優しさ。
一緒に映画を撮る人々を徹底的に信じて下さった三人のお陰で私は、役者としていつよりも自由に、私自身を解放することができました。
私たちは何のためにこんなに必死に生きてるんだろう。何に向かって戦ってるんだろう。常にその様な問いを抱き芝居をしてきましたが、今作を通じて、ソルと共に、私はその問いの原点に辿り着いたような気がします。

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▼ストーリー
ひとり息子の学(8)を持つ青木剛(池松壮亮)は、病気で妻を亡くし、疎遠になっていた兄(オダギリジョー)が住むソウルへ渡った。日本から逃げるように。
「韓国で仕事がある」と兄から告げられていた剛だったが、兄の生活はその日暮らしで貧しく、想像していたものとは違った。ほとんど韓国語も話せない中、怪しい化粧品の輸入販売を手伝う羽目に。
一方、ソウルでタレント活動を行っているが、市場のステージで誰も聞いていない歌を歌う仕事しかないチェ・ソル(チェ・ヒソ)は、所属事務所の社長と関係を持ちながら、自分の歌を歌えない環境やうまくいかない兄や妹との関係に心を悩ませていた。
しかし、その時彼らはまだ知らない。
事業に失敗した青木と兄、学たちと、資本主義社会に弾かれたソルと兄、妹たち--どん底に落ちた2つの家族が共に運命を歩んでいき、奇跡を目の当たりにすることを……。

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