「MIU404」で人気急上昇!橋本じゅん、野木亜紀子脚本でさらなる輝き

映画『罪の声』より星野源&橋本じゅん
映画『罪の声』より星野源&橋本じゅん - (C) 2020 映画「罪の声」製作委員会

 熟練のベテラン俳優にもかかわらず、近年になってドラマや映画で目にする機会が増え、その存在を知るということがある。なかでも、舞台を中心に活躍していた俳優が映像作品で当たり役と出会ったり、映像作品に本格進出したという例が多い。今夏放送され、9月のギャラクシー賞月間賞を受賞するなどの高い評価を受けたTBS系ドラマ「MIU404」で、綾野剛星野源らと共演していた陣馬耕平役の橋本じゅんに目を留めた方も多いのではないだろうか。その橋本は、現在もドラマ「極主夫道」(日本テレビ系で放送中)、「共演NG」(テレビ東京系で放送中)、10月30日公開の映画『罪の声』など出演作が相次いでいるが、現在に至るまでの彼のキャリアを振り返ってみた。

『罪の声』緊迫の特報

 俳優としてのキャリアは30年以上のベテランながら、主に舞台を中心に活動してきた橋本。大阪芸術大学芸術学部舞台芸術学科在学中の1985年から、同大学の学生を中心に結成されていた劇団☆新感線の舞台に参加。同劇団のアクションコメディー活劇 “直撃!ドラゴンロック”シリーズで、主人公の変態的な格闘家・剣轟天役を演じるなど、古田新太と並ぶ看板俳優として、演劇界で圧倒的な人気と動員力を誇る同劇団を拠点に活躍してきた。外部公演にも多数出演しており、アクション、コメディー、ミュージカル、そしてシェイクスピア作品もこなし、演劇好きの間では誰もが知る存在だ。

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 また、1996~97年には劇団☆新感線への参加10年を機に一時休団し、イギリスのドーセット州ボーンマウスにある筋ジストロフィーの方々の暮らす施設で、住み込みのケースワーカーとして勤務した異色の経歴も。毎日8時間以上働きながら英語学校にも通い、同世代の不治の病というものを目の前で直視して、疑問や葛藤を抱きながら泣いたり笑ったりする毎日を過ごしたというこの経験は、役者として働けること、自分の意志で日常的な生活を送れることが、どれだけ奇跡的で、感謝すべきなのかということを気付かせ、元気に生きたいと思わせてくれる貴重な体験だったと自身のブログでつづっている。

 映像作品では、1992年にNHK連続テレビ小説「ひらり」で熱狂的な阪神タイガースファンの医師を演じて注目された。以降も名バイプレイヤーとして、テレビドラマには数多く出演しているが単発のゲスト出演が多く、連ドラのレギュラーや映画の主要キャストを演じる機会が増えたのは近年から。その転機となったのが、有川浩の大人気小説を映画化した2013年の『図書館戦争』。2015年に続編のSPドラマ「図書館戦争 BOOK OF MEMORIES」と映画『図書館戦争-THE LAST MISSION-』も製作されたこの人気シリーズで、橋本は、岡田准一榮倉奈々ふんする主人公が所属する図書隊特殊部隊の隊長・玄田竜助を演じた。原作では、クマと戦っても勝てるのではないかと言われるほどの大柄の体格の設定だったが、橋本はあまり上背のある方ではないにもかかわらず、隊長としての威厳や風格をその演技力と存在感で見事に表現し、原作者からも高く評価された。

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 同作以降、映像作品で演じることへの興味や魅力を強く感じるようになった橋本は、次第に映画やテレビドラマで主要キャストやレギュラーキャストを演じる機会も増え、大河ドラマ「おんな城主 直虎」(2017)での井伊谷三人衆の近藤康用、「西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ」の杉本刑事、TBSドラマ「あなたのことはそれほど」(2017)での眼科医・花山、映画『キングダム』(2019)の刺客ムタなどの脇で光る役柄を好演。そして、新たな転機ともいえる代表作に出会ったのが、メインキャストの一人である陣馬耕平を演じた「MIU404」。綾野剛と星野源ふんする主人公たちの頼れる先輩刑事として、麻生久美子ふんする隊長の下で第4機動捜査隊のまとめ役を担い、いぶし銀の活躍をみせた。岡田健史ふんする後輩刑事とのコンビぶり、第7話での激走や家族への思い、第10話での衝撃的なシーンなど数々の見せ場があり、同作を観て橋本の存在を知ったり、ファンになった人も多いはずだ。同作については、自身のブログでも、「俺の素の心の帰れる作品、役者の作品としての旗艦であります。これは『図書館戦争』3部作、この『MIU404』の2作品のみと断言させて頂きます! 何故なら、当て書きで、俺がただただ俺らしくカメラの中で生きれたからなんです笑笑。それは楽しかった!」(原文ママ)と振り返っており、「MIU404」と『図書館戦争』シリーズが、橋本自身にとっていかに大きな作品であったかがわかる。

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罪の声
『罪の声』でキーパーソンとなる小料理屋「し乃」の板長・佐伯肇に(写真右手前)

 そして、この「MIU404」と『図書館戦争』シリーズの脚本を書いたのが、「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」などの人気ドラマを手掛けてきた売れっ子脚本家・野木亜紀子。そんな野木の最新作が、塩田武士のベストセラーミステリー小説の映画化脚本を手掛けた10月30日公開の『罪の声』。橋本はこの作品でも、キーパーソンとなる小料理屋「し乃」の板長・佐伯肇を好演している。原作ものであるためあて書きではなく、野木自身はキャスティングに関わってはいないが、野木脚本との相性は良さそうだ。また、「MIU404」ファンには、橋本と星野源の再共演も見逃せない。なお、劇中での共演シーンはないが、同作では劇団☆新感線の看板女優・高田聖子も重要な役で出演している。

罪の声
橋本と同じ劇団☆新感線に所属する高田聖子が、脅迫テープに声を使われた一人・生島望の同級生に

 「MIU404」の自身のクランクアップ翌日から、10月初週時点で4作品の撮影に参加したという橋本。放送中の「極主夫道」では玉木宏ふんする元極道の主人公を敵視する組長・大城山國光、「共演NG」ではスポーツ紙の芸能デスク・中川を演じている。いまや映像作品でもひっぱりだこだが、橋本自身はブログで、「ニーズに応えていくのが今の俺の矜恃。でも、これは映像の経験値が舞台とのそれとあまりにかけ離れて少ないからなんです。どんな事でも経験して必死で吸収したい」と、役を選ばずにいろんな役に関わっていくスタンスを語っており、さらなる映像作品での活躍が期待できそうだ。また、2017年からは、母校の大阪芸術大学芸術学部舞台芸術学科で専任教授を務めて後身育成にも取り組み、原点の舞台も、2021年5月から帝国劇場で公演の「レ・ミゼラブル」で、2017年と2019年の上演時と同じテナルディエを再演する。(天本伸一郎)

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