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「麒麟がくる」谷原章介、涙をこらえられなかった理由

第37回「信長公と蘭奢待(らんじゃたい)」より谷原章介演じる三淵藤英
第37回「信長公と蘭奢待(らんじゃたい)」より谷原章介演じる三淵藤英 - (C)NHK

 20日に放送された大河ドラマ「麒麟がくる」第37回で、将軍奉公衆・三淵藤英(みつぶち・ふじひで)を演じる谷原章介が、演出ではなかったという涙のシーンを振り返った(※一部ネタバレあり)。

【写真】谷原章介が究極のハンサム役に

 前回・36回は、これまで将軍・足利義昭(滝藤賢一)を支えてきた明智光秀(長谷川博己)が、「信長を討て」と命じられたことから苦渋の決断として義昭と決別し、室町幕府を離反することになる激動の回となった。37回「信長公と蘭奢待(らんじゃたい)」では、上洛間近の武田信玄(石橋凌)の進軍が突然止まったことから義昭が窮地に。二条城にいた幕臣・三淵(谷原)も捕らえられ、信長(染谷将太)側についた義弟・細川藤孝(眞島秀和)と苦しい再会を果たした。

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 戦いに敗れた三淵は光秀と藤孝が来訪した際、これまで同列に並んでいた2人に上座を譲り、藤孝に「裏切り者に成り果てたか?」と声を荒げる場面も。冷静に「政を行うには、時の流れを見ることが肝要」と返す藤孝に三淵は苦悶の表情を浮かべ涙を流すが、谷原いわくこの涙は予定しなかったものだという。

 「演出ではありません。本当は涙は流したくありませんでした。テストでも流れそうになったので、演出家の方と流したくないねと話していました。義を捨て、自己保身に走り時代に迎合した藤孝への思いは弟なだけに怒りと悔しさしかありません。胸にあったのは将軍家への申し訳なさ、身内が裏切ったことに対する無念さです。そんな弟の前で涙など絶対に見せたくないと思ってました。ただ堪えれば堪えるほど思いが溢れ涙となってしまいました。床に打ちつけた拳は数日の間痛みが残りました」

 三淵が戦ったのは幕府のためだったのか、それとも義昭のためだったのか。義昭を奉じて将軍にしたことへの責任だったのか、あるいは義輝(向井理)を死なせてしまったことへの贖罪だったのか……? 聡明な三淵が破滅に向かった真意について、谷原は以下のように思いを巡らせた。

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 「最初から諦めていたわけではありません。守りきれなかった義輝様への無念、そのために義昭様を推戴して幕府の再興への希望を持った時期はあると思います。義昭様の将軍としての素養、摂津をはじめとする幕府の旧態然とした幕閣、そして信長をはじめとする新しい勢力の台頭を見て、時代が確実に移り変わっていくことはわかっていました。ただ、三渕は自分の保身のために義を捨てることはできなかった。幕府が滅びていくのが天命なのであればそれに殉じようという思いはだんだんと強くなっていきました。足利将軍家以外に仕えるつもりはなかったのだと思います。三淵は足利家とともに滅びようと覚悟を決めたのです」(編集部・石井百合子)

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