仮面ライダー×スーパー戦隊「これが最後」という使命感 白倉プロデューサーが語る未来図

左から仮面ライダーセイバー、白倉伸一郎プロデューサー、ゼンカイザー
左から仮面ライダーセイバー、白倉伸一郎プロデューサー、ゼンカイザー

 「仮面ライダー」50周年、および「スーパー戦隊」シリーズ45作目という記念すべき年となる2021年、現在放送中の「仮面ライダーセイバー」と「機界戦隊ゼンカイジャー」、そして歴代のヒーローたちの根幹に迫る、映画『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』が7月22日に公開される。そこで本作のプロデュースを務めた白倉伸一郎に、これまで東映のヒーロー作品が積み重ねてきたものを踏まえて思い描く未来図について聞いた。

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 本作のテーマは、シリーズの原作者である石ノ森章太郎が託した「ヒーロー誕生の秘密」。5月に公開された特報映像には、昭和、平成、令和に活躍した歴代37人の仮面ライダーと46人のスーパー戦隊、総勢83人のヒーローたちが勢ぞろいし、話題を呼んだ。

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『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』
「スーパーヒーロー戦記」製作委員会 (C) 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映 (C) 2021 テレビ朝日・東映 AG・東映

 白倉プロデューサーは「東映って、目を離すとすぐにヒーロー大集合映画を作っている、という風に思われがちなんですけど、実は言うほどやってないんですよね」と笑う。「今年は特に『仮面ライダー』50周年、『スーパー戦隊』45作品記念という特別な年。大きな節目だからこそ、やらなきゃいけないんじゃないかと思いました。ダブルアニバーサリー映画としてはこれが最初で最後の機会かなと、ある種の使命感を持って、作らせていただくことにしました」と作品の狙いを明かすと、「今後は『スーパー戦隊』シリーズも“周年”の方にシフトしていくつもりなので、『仮面ライダー』とはずれていく。だから、これが最後の『仮面ライダー』と『スーパー戦隊』の相乗りとなる。かつ、ここを機に『スーパー戦隊』シリーズは、『仮面ライダー』と袂(たもと)を分かつ、というわけではないけれど、今後、独自の道を歩んでいくのではないかなと思っているので、今回がその出発点でもあるつもりです」と今作が持つ意味について語る。

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 違う番組、違う世界で活躍してきたキャラクターをひとつの作品に集めることは、東映の伝統芸ともいうべき“お祭り感”がある。「仮面ライダー」「スーパー戦隊」では、「スーパーヒーロー大戦」と題したクロスオーバー作品も人気を獲得した。「東映ってやっぱりオールスター時代劇映画でのし上がってきた会社ですから。ヒーロー番組のスターを集めて、大花火を打ち上げたいという思いはDNAに刻み込まれているんですね」とその意図を語りつつも、調整には非常に苦心するという。

 「現行番組のキャラクターが前面に立つのはもちろんなのですが、各々のヒーローが、かつては現行番組の押しも押されもせぬ主役だったわけです。だからこそ彼らをうかつに集めてしまうと、本来は個々が主役だったはずのヒーローたちを十把一絡の存在にしてしまう。これはもろ刃の剣だということはよくわかっているつもりです。そのバランスの取り方、さじ加減が非常に難しいです」

『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』

 昭和、平成、令和という三世代を股(また)にかけて続いてきた東映のヒーローシリーズ。特に「仮面ライダー」は今年で50周年を迎えたわけだが、それはこれからの60周年、70周年、さらには100周年を迎えるための、未来への新たな一歩を踏み出した、とも言える。

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 白倉プロデューサーはこれからのビジョンを「新しい物語を生み出す基盤としての『仮面ライダー』であり、『スーパー戦隊』であってほしい」と語る。「だからこそ時代に即した、あるいは時代を切り開くような新しい作品が生まれていってほしい。今現在の、最新の番組として世にある意義、価値みたいなものを前面に出していってほしいなと思っているんです」と未来に向けた展望を思い描きつつも、一方では長寿シリーズであるがゆえの、これまで積み上げてきたものの重みも同時に感じている。

『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』

 「両シリーズに共通することですが、長寿シリーズというのは、歴史の重みというものをどうしても製作側が感じてやまないところがあるんです。歴史を積み重ねているからこそ伝統芸になってくる。ある種の文化として日本には定着しているわけですが、それと同時代性のある新作という命題は矛盾するんですよね。われわれが背負っている荷物はどんどん重くなっていきますが、その荷物を捨てることはできないので。その荷物を軽々と背負えてしまうような強靱(きょうじん)な体力をつけていかないといかんのかなと思っています」

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 「そのために具体的に何が必要かということですが……みんな頑張ってねということですね」と笑う白倉プロデューサーだが、特に次世代のスタッフたちによる、ある種の“若気の至り”のようなものに期待するところは大きいようだ。

 「自分とは何者だという命題を抱えながら、要するに“僕の作った仮面ライダー”“僕の作ったスーパー戦隊”といった自己実現じみたところが出発点だったとしても、そのモチベーションが強いということはすごく大事なこと。それは若い人たちにしか持ち得ないある種の熱量だと思うんです。それをプロであるベテランスタッフが支えながら、その“若気の至り”をサポートできるような、そういう布陣が組めると理想です。それが長寿シリーズであるがゆえの強みだと思うんです」と力強く語った。(取材・文:壬生智裕)

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