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志尊淳、初の大河で「壁にぶち当たった」感覚 渋沢栄一の盟友・杉浦愛蔵好演

「青天を衝け」より杉浦愛蔵(志尊淳)
「青天を衝け」より杉浦愛蔵(志尊淳) - (C)NHK

 現在放送中の大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合ほかにて放送)のパリ編で、徳川昭武の随員として、吉沢亮演じる主人公・渋沢栄一と共にパリ万国博覧会に赴く外国奉行支配・杉浦愛蔵(譲)役の志尊淳。初となる大河ドラマの現場で、日々どんなことを感じながら撮影に挑んでいるのだろうか。

【写真】吉沢亮&志尊淳出演『一度死んでみた』場面カット

 パリ編の演出を務める田中健二とは、2018年放送の連続テレビ小説「半分、青い。」で作品を共にしている。そんな田中から大河のオファーを受けた志尊は「もちろん、初めての大河ドラマに参加できる喜びは大きかったのですが、それ以上に健二さんからお声がけいただけたことが嬉しかった」と振り返る。

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 一方で、大きな不安もあった。「お話をいただいてから作品に入るまで、あまり準備の時間がなかったんです。歴史上の人物であり、中途半端になってしまうことだけは避けたいので、正直にお話をさせていただいたんです。それでも『ぜひ』と言っていただけたので、引き受けさせていただきました」と経緯を説明する。

 志尊自身、これまで杉浦愛蔵(すぎうら・あいぞう)という人物に触れる機会はなかったと話すが「役を演じることになって調べると、愛される人柄で、武士の時代に生きた人ですが、あまり武士然としていない。陰で渋沢さんを支えた人物」と理解を深めた。具体的な役へのアプローチ方法としては「最初に発声や芝居の温度を考えました。武士らしい表現って、勇ましかったり、相手を威嚇したりするようなことが多いように感じたので、杉浦は知的で気品があり、思ったことを内に秘めるような……そんなトーンで臨みました」と語る。

 難しかったのは、栄一と杉浦の距離感。パリで栄一と出会い親交を深めると、その後家族ぐるみの付き合いとなる関係になる。「仲良くなる過程を劇中ですべて見せられるわけではないので、シーンごとに関係が深まっていくことをしっかり表現しなければいけないのは、なかなか大変でした」

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 栄一を演じる吉沢とは、2020年公開の映画『一度死んでみた』で共演経験はあるものの、しっかりと芝居で対峙するのは本作が初。「大河ドラマに出演することで、役者というのはいろいろなことを試されるし、戦うべきことがたくさんあると思うんです。それを1年間主演としてやり遂げることだけでも尊敬です」と敬意を表す。

 今回初めて大河ドラマの現場に挑んだ志尊は「現代劇はそれなりに作品に参加してきたので、自分で正解だなと思ったことをやろうという思いもあるのですが、時代劇は所作指導や言葉も違う。そちらに気をとられすぎてもいけないけれど、やるべきことはやらなければいけない。正直、(今の段階では)あまり手応えはなく、壁にぶち当たっているなと感じています」と率直な胸の内を明かす。大河ドラマだからということではなく、どんな作品に対しても「慢心したくない」という思いから、あまり自信を口にしないという志尊。だからこそ、やれる範囲のことを、丁寧に実直に取り組んでいる。

 江戸幕府崩壊後、明治時代へと突入し、杉浦は渋沢と共に働くことになる。「パリに行っているときよりも、日本に戻り、静岡藩や明治政府にいるときの方が、求められるものが多くなっていきます」と今後の杉浦の活躍について述べると「役者としてどうこうよりも、杉浦さんという人物が成し遂げてきた功績を、より多くの人に知ってもらえたら」と思いを述べていた。(取材・文:磯部正和)

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