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「おかえりモネ」りょーちんを熱演!永瀬廉のさらなる飛躍に期待

りょーちんの幸せを願わずにはいられない
りょーちんの幸せを願わずにはいられない - (C) NHK

 清原果耶が主演を務める連続テレビ小説「おかえりモネ」(月~土、NHK総合・午前8時~ほか)で、主人公・百音(清原)の幼なじみ、及川亮を演じる King & Prince永瀬廉。第15週「百音と未知」に続き、第16週「若き者たち」での好演が話題となっている。

金髪姿もイケメン!永瀬廉演じるりょーちん【写真】

 本作は、宮城県は気仙沼に生まれ育ち、登米で青春を送る百音が、気象予報という仕事を通じて人々に幸せな未来を届けていく姿を描く。永瀬演じる亮は、高校卒業後、すぐに漁師見習いとして漁船に乗り始める。震災をきっかけに人が変わってしまった父親・新次(浅野忠信)のことなど、一人で抱えこむものが多い役どころだ。

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 亮の何気ない返事、何気ない仕草、永瀬がその声や微笑みで表現する一つひとつから、亮の優しさが伝わってくる。だからこそ、すべてをひとりで背負いこんでしまったのだとわかる。それでも、嬉しそうに百音を呼ぶ声や表情に、変わらぬ「りょーちん」を見つけることができる。

 亮は、現実のどこかにいる“誰か”である。悲しいときに、きちんと悲しむことが許されなかった人間、早く大人にならなければいけなかった子ども、それらの静かな苦しみが、亮を通してありありと描かれる。悲しみを現実のものとして受け止め、咀嚼するには向き合う時間が必要だ。後回しになればなるほど、無意識下で膨らみきった悲しみや怒り、虚無感が、ふとしたきっかけで容赦なく襲い掛かる。

 「俺もう全部やめてえわ」。亮が、誰にも言えなかったその一言。電話越しに、百音だけに心中を明かしたシーンは印象的だ。こんなときでさえ我慢をしてしまうのか、あるいは、いつのまにか感情のままに泣き喚くこともできなくなってしまったのか。わずかに震える声とすがるような瞳からは、精神的にギリギリのところまできているが、自分の足で立ち続けようとする様子が伺える。永瀬が、亮のこれまでをともに背負っているからこそ生まれた名シーンだった。

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 亮が百音に抱く感情はきっと、恋という甘い言葉だけではとても形容できない。恋心はなきにしもあらず、独占欲や嫉妬、さまざまな感情がないまぜになっているようだ。亮は、百音に“母親”を求めているのではないか、という声もSNS上にはある。多くの人間にとって母親とは、自身のありのままを受け入れてくれる存在。そして、戻れる場所だ。その存在を失った亮にとって百音は、すべてが変わってしまう前の光であり、“戻れる場所”でもある。

 東京で変わっていく(ように見えた)幼なじみと、故郷から動けずにいる亮。喫茶店で向かい合い、笑い合う2人には同じ空気を感じる。けれど亮の心情によって、まとう“色”が異なって見えることも。撮影技術や演出効果はもちろんあれど、永瀬は役の心の動きを“色”として魅せる。

 これまで、ドラマ4本(本作含む)、映画3本に出演した永瀬は、2022年には主演作『真夜中乙女戦争』の公開も控えている。映画『弱虫ペダル』(2020)では第44回日本アカデミー賞「新人俳優賞」を受賞。そして「おかえりモネ」への出演は、間違いなく俳優・永瀬廉の名が広まる絶好の機会となった。意志を映す強い瞳、繊細な声色、役とともに生きる真摯な姿勢で、さらなる飛躍を期待したい。(文・新亜希子)

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