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菅田将暉主演『CUBE』、オリジナル版とどう違う?

『CUBE 一度入ったら、最後』より
『CUBE 一度入ったら、最後』より - (C) 2021「CUBE」製作委員会

 1998年公開の密室スリラー『CUBE』を菅田将暉主演でリメイクした『CUBE 一度入ったら、最後』(公開中)。無数の立方体から成る謎の空間に閉じ込められた男女6人のサバイバルを、日本に置き換えてリメイクした本作だが、オリジナル版とはどう違うのか? オリジナル版の監督を務め、日本版ではクリエイティブアドバイザーとして参加したヴィンチェンゾ・ナタリが語った。

【写真】オリジナル版『CUBE』

 オリジナル版の『CUBE』は、まだ無名だったカナダ人監督のヴィンチェンゾ・ナタリが低予算で撮り上げたもので、日本でも名物ミニシアターのシネ・ヴィヴァン・六本木で公開され、劇場歴代興収1位を記録する大ヒットとなった。日本版では、「縁もゆかりもない男女6人が謎の空間に閉じ込められる」「そこがどこなのか、何のために作られた空間なのかわからない」「部屋によっては殺人トラップが仕掛けられている」といった設定は踏襲しながら、キャラクターや彼らの背景、物語の展開は大きく変えている。監督を齊藤工、お笑い芸人の永野らが企画・プロデュースを務めたブラックコメディー『MANRIKI』(2019)や、リリー・フランキー主演の『その日、カレーライスができるまで』(2021)などの清水康彦がメガホンを取り、脚本を「おっさんずラブ」シリーズなどの徳尾浩司が手掛けた。

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 ヴィンチェンゾ・ナタリ監督はオリジナル版との違いについて「あまりネタバレになりそうなことは言いたくないんだけど」と前置きしつつ、「新しかったのは世代間の衝突だね。これが物語の一つの軸になっている」と語る。日本版のキャラクターは、29歳のエンジニア・後藤裕一(菅田将暉)、37歳の団体職員・甲斐麻子()、31歳のフリーター・越智真司(岡田将生)、13歳の中学生・宇野千陽(田代輝)、41歳の整備士・井手寛(斎藤工)、61歳の広告代理店役員・安東和正(吉田鋼太郎)という構成だ。

 「古い世代がいかに新しい世代を虐待しているか。両世代の鬱積が衝突を引き起こしている。これは21世紀の日本を具体的に現しているのは間違いない。多くを占める高齢者が少数派の若い世代に支えられている。そのような人口動態が、非対称な(asymmetrical)機能障害を引き起こしているんだ。これは僕の作品にはなかったアイディアだよ。僕が『CUBE』を作ったとき、世代間の衝突という考えはまったくなかった。清水さんの映画は、この点にフォーカスして強い社会的な意思表明をしている。とても良い意味でね」

 また、日本版ならではのエモーショナルなストーリーも指摘。「ストーリーの転換は興味深かった。とても良かったね。あと、エモーショナルなストーリーだ。心温まる瞬間がある。清水さんは、『CUBE』は他の要素と同じかそれ以上に人間ドラマが重要だと理解していたんだと思う。キューブの中にいるキャラクターたちがお互いの関係を発展させていく様を描くのが上手だと思ったね。これが映画の“エモーショナル・パンチ”になっている」とドラマ部分を高く評価している。

 オリジナル版では、殺人トラップが仕掛けられた部屋を渡り歩いていく6人のサバイバル模様のほか、閉塞された空間でむき出しになっていく人々の本性などが話題を呼んだが、日本版ではどのようにアレンジされているのか。オリジナル版と見比べるのも一興だ。(編集部・石井百合子)

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