緒方恵美『呪術廻戦 0』大ヒットに感慨「未来に繋がっていく仕事」アニメ第2期も放送決定
『劇場版 呪術廻戦 0』の大ヒット御礼舞台あいさつが12日にTOHOシネマズ日比谷で行われ、声優の緒方恵美、花澤香菜、中村悠一、櫻井孝宏、榎木淳弥が来場。緒方は大ヒットを受けて「コロナ禍でこの作品を作れたのが一番大きい。未来につながっていく仕事だったと思います」と思いを語った。この日はテレビアニメの第2期が放送決定となったことも発表された。
本作は、芥見下々のコミックを原作にしたアニメ「呪術廻戦」の1年前を舞台にした「呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校」を映画化。幼なじみを事故で亡くした高校生・乙骨憂太が幼なじみの呪いに苦しみ、最強の呪術師のもとで呪いを学ぼうとするさまが描かれる。この日の舞台あいさつは全国214の劇場で生中継。事前に“重大発表”があると宣言されていたこともあり、大勢の観客が見守った。
イベント終盤、虎杖悠仁の声を務める榎木が映画のヒットを祝福するためにサプライズで登壇。肩には「祝！大ヒット」と書かれたたすきをかけており、その背中には「祝！テレビアニメ第2期」の文字が。2023年に放送決定の発表に、会場内は拍手で沸いた。榎木は「シュールな格好で発表しましたけど」と笑ってみせつつ、「（第2期の）内容はまだ知らないのですが、原作の流れだと五条と夏油の過去の話もありそうなので、楽しみにしていただきたいなと思います」と期待を寄せた。
榎木は今回の劇場版を内田雄馬（伏黒恵役）と瀬戸麻沙美（釘崎野薔薇役）、そして中村悠一（五条悟役）とともに映画館で鑑賞したという。「アクションも原作から膨らんでいるし、終わった後にはみんなで感想を言い合って盛り上がりました。泣けました。里香ちゃん頑張れと（緒方が声を担当する乙骨）憂太の気合がすごく画面から伝わって。圧倒されましたね」と笑顔。さらに「あとは二人とも小学生のように『おもろかった』と瀬戸さんが言っていました」と振り返った。
本作は、昨年12月24日に公開され、2月11日までの50日間で動員784.1万人、興収108.3億円という大ヒットを記録。緒方は「公開からこれだけ時間がたってから、あらためてお礼を申し上げるきっかけをいただけるのは幸せです」としみじみ。「関係者から見たよというLINEが多く来たのがびっくりでした。コロナの前なら、話したいから飲もうかということになるのですが、今は飲めないので、熱い感じの感想を書いてくださることが多かったのにびっくりして、嬉しかったです」とその反響の大きさを感じている様子。
収録について話題が及ぶと、中村は「年明けに映画を観て、収録では気づかなかったことが、改めてスクリーンを通じて気づくことがあって。緒方さんの呼吸の演技がめちゃくちゃいいんです。呼吸の音で、グッとこっちの心を持っていかれるんです」と語る。櫻井も「そうなんです！」とすぐさま同意し、緒方は「収録のときは分厚いアクリル板が両脇にあるので、隣で喋っていても全部聞こえるわけではない。息使いや気配などは一緒に撮っている方が圧倒的によくて、それが伝わってきたけど、細かい息使いが今は聞けない状態で録っているので、できたものを観て初めて知るということもありますね」と語った。
また、コロナ禍のためにアフレコ収録が個別で行われることが多いなか、本作では一部のシーンは緒方、中村、櫻井の3人での収録が行われたという。緒方は「やはり一緒に収録をしないと違うな、ということを改めて感じました。本当は一緒に芝居をするというのは当たり前のこと。だから重要なシーンだけでしたが、今回みんなで（アフレコを）やれるシーンがあって、本当に良かったなと思います」としみじみ。
「コロナ禍でだいぶアニメーションのあり方が変わってしまいました。芝居の掛け合いの仕方も変わってきている部分があると思うんです。若手の声優さんの中には、一度も掛け合いをしたことがないという人もいる。それが大事で、こういう映像になるというのを、もう一度、業界の方ももう一度確認してもらいたい。もちろん音響スタッフが頑張っているんですけど、なんとかまたみんなで掛け合ったりできるようなシーンが少しでも多いような、そういうアフレコに、そういう日常に戻れたらと思っています」
最後にメッセージを求められた緒方は、原作者やスタッフなどの関係者に謝辞を述べながら「たくさんの方に支持していただけたのは幸せ。とても稀有な素晴らしい作品だと思います。コロナ禍でこの作品を作れたのが一番大きい。未来につながっていく仕事だったと思います。この作品だけではなく、アニメ業界やマンガ業界、いろんな形で未来につながっていくように、みなさんの力をいただけたらうれしいなと思います」と呼びかけた。（取材・文：壬生智裕）
『劇場版 呪術廻戦 0』は全国公開中
