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岩波ホール閉館で54年の歴史に幕 支配人のコメントが発表

岩波ホール場内(提供画像)
岩波ホール場内(提供画像)

 東京・神保町の老舗映画館「岩波ホール」が、明日29日に閉館する。閉館に対して、公式サイトでは、支配人・岩波律子による最後のあいさつと動画が公開された。

 岩波ホールは1968年2月に開館し、多目的ホールとしてスタート。1974年から、世界の名作を発掘して上映する運動「エキプ・ド・シネマ」を発足した。

 同館では、4つの目標「日本では上映されることのない第三世界の名作の紹介」「欧米の映画であっても、大手興行会社が取り上げない名作の上映」「映画史上の名作であっても、なんらかの理由で日本で上映されなかったもの、または、カットされ不完全なかたちで上映されたものの完全版の紹介」「日本映画の名作を世に出す手伝い」を掲げ、ミニシアターの草分け的存在として愛され続けた。

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 しかし、今年1月に「新型コロナの影響による急激な経営環境の変化を受け、劇場の運営が困難と判断いたしました」と閉館を発表。「54年間の長きにわたり、ご愛顧、ご支援を賜りました映画ファンの皆様、関係者の皆様に心より御礼申し上げます」としていた。

 支配人は、これまでの歴史を振り返り、「私の個人的な思い出としては、セネガルのウスマン・センベーヌ監督の作品を上映できたことを、大変光栄に思っております。また、ここ数年はジョージア映画祭を2回開催いたしましたが、過去には、ポルトガル映画祭や『自由と人権』国際映画週間など、いろいろな国や地域の映画を、映画祭という形式でご紹介しておりました。そういう訳で、1974年以降、今年の2022年7月まで、名作上映活動としては48年間続いたエキプ・ド・シネマですが、現在上映中の『歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡』まで、66の国と地域の274作品を上映してまいりました」とコメント。「多目的ホール時代を含めますと、54年間となりますが、これまで、私どもの活動を見守り、劇場に足を運んでくださった皆さまに、心より感謝申し上げます」と感謝を述べる。

 なお、岩波ホールの資料については、「岩波ホールがこれまで上映してきた作品のパンフレットやポスター、また、私どもの活動を記録した広報誌である『友』についてですが、すでに、国立映画アーカイブ図書室をはじめとして、東京や地方のいくつかの図書館や資料館などに収蔵していただくことになりました。今後、岩波ホールの軌跡について調べたい方がいらっしゃいましたら、ぜひ、ご利用いただければと思います」と発表している。(編集部・梅山富美子)

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