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「ちむどんどん」矢作役を好演!井之脇海が魅せる繊細な表情の変化

矢作を演じる井之脇海
矢作を演じる井之脇海 - (C) NHK

 連続テレビ小説「ちむどんどん」(月~土、NHK総合・午前8時~ほかにて放送、土曜は1週間の振り返り)で、存在感を見せつけている井之脇海。劇中で変化していく矢作を好演している。

「ぎぼむす」でのコンビも話題だった井之脇海&上白石萌歌【写真】

 朝ドラの第106作にあたる「ちむどんどん」は、ふるさと沖縄の料理に夢をかけたヒロインの暢子(黒島結菜)と、支えあう家族の歩みを描く50年の物語。現在は第21週「君と僕のイナムドゥチ」に突入し、暢子(黒島)はついに沖縄料理の店「ちむどんどん」をオープンさせた。前途多難に思えたものの、仲間たちの支えや妹の歌子(上白石萌歌)の上京などもあり、無事に盛況の様子でスタートを切った。

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 そんななか、存在感を発揮しているのが、井之脇が演じる矢作知洋。一時は暢子と一緒にフォンターナで働いていたが、ほかの同僚とともに退職し、しばらく行方が分からずにいた。そんな矢作と暢子が再会したのは、食い逃げをして捕まるところという驚きの展開に。だが、開店準備を進める暢子は、矢作を料理人として雇うことに決めるのだった。

 沖縄料理という新たな道に飛び込んだ矢作は、プライドは捨てても手放せなかった包丁で食材を切る際には目に光るものが。そうした繊細に揺れる感情の機微が表現された演技には、称賛の声が集まった。冷たい口調ながら、冷静な意見を口にしていた矢作だが、2日に放送された第105回では身重の体の暢子を気遣う言葉をかけるなど、しだいに気持ちを開いて変化していく様子を見せた。

 そして、視聴者の熱い視線を集めたのは上京して店を手伝うようになった歌子とのやりとり。暢子に対するのとは打って変わって優しく歌子に接する矢作の態度のギャップや、歌子に思いを寄せ始めた智(前田公輝)とのバチバチの関係が注目を浴びた。この井之脇と上白石の組み合わせといえば、ドラマ「義母と娘のブルース」での共演で知られる。同シリーズで二人は成長した大樹とみゆきを演じ、恋模様が話題を呼んだ。

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 ますます存在感を増している井之脇は1995年生まれだが、芸能界に入ったのは早くも9歳のとき。黒沢清監督による映画『トウキョウソナタ』(2008)でキネマ旬報ベスト・テン新人男優賞などを受賞し、その後は大河ドラマ「おんな城主 直虎」(2017)や連続テレビ小説「ひよっこ」(2017)など、多数の話題作に出演。現在に至るまで映画やドラマに引っ張りだこで、近年では「教場」「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」「俺の家の話」「プロミス・シンデレラ」や『砕け散るところを見せてあげる』『Arc アーク』『護られなかった者たちへ』『ONODA 一万夜を越えて』『ミュジコフィリア』(主演)『猫は逃げた』『とんび』がある。など、怒とうの活躍を見せる。また、2015年には初監督作品が第68回カンヌ映画際の ショートフィルムコーナーに正式招待されるなど、マルチナ才能も発揮している。

 今後も香取慎吾が主演する『犬も食わねどチャーリーは笑う』(9月23日公開)が待機中。井之脇が演じるのは、香取ふんする妻がSNSに書き込んだ自身への不満を見つけた田村裕次郎の職場の後輩で、やがて結婚の恐ろしさを知ることになる若槻広人。脇での好演が光る。

 「ちむどんどん」では盛況に見えたちむどんどんから早くも客足が遠のいた様子。矢作の妻である佳代(藤間爽子)がどのようなかたちで物語に絡んでくるのかも気になるところ。(編集部・大内啓輔)

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