昨日までの自分を失ったら…？香川照之主演『宮松と山下』謎が謎を呼ぶ予告公開
香川照之主演の映画『宮松と山下』（11月18日公開）の予告映像が公開された。
本作は、数多くのCMや教育番組「ピタゴラスイッチ」などの佐藤雅彦、NHKでドラマ演出を行ってきた関友太郎、メディアデザインを手掛ける平瀬謙太朗のからなる監督集団「5月」の初長編映画。“新しい手法が生む新しい映像体験”を標榜し、過去に2本の短編映画作品がカンヌ国際映画祭から正式招待を受け、今作は第70回サンセバスチャン国際映画祭 New Directors 部門招待作品にも選ばれた。
エキストラ専門の俳優として、日々作品の中で殺され続ける男の生活をミステリアスに描く本作。公開された90秒の予告映像はは、と大声をあげた男が勇ましく相手の侍に刀を振りかざすも、斬り返され倒れるところから始まる。この男は端役ばかりを演じるエキストラ俳優の宮松であり、刀で斬られたり、弓で射られたり、銃弾に倒れたり……。そんな彼だが、一緒にタクシーの運転手をしていたという谷（尾美としのり）が現れたことから、宮松の日常は僅かに歪みだしていく。
何者かに押されて頭を強打する男や、「12年前」という文字と共に普段の様子からは想像できない笑顔で煙草を吸いながら振り向く宮松の姿。そして「お兄ちゃん、いつもここで吸ってたな」という妹の藍（中越典子）と「お兄さんといえば日本酒だったじゃないですか」という藍の夫である健一郎（津田寛治）の登場で、謎に包まれていた宮松の過去が徐々に明らかになっていく。エキストラとして演じている役なのか宮松自身なのか、「昨日までの自分を失ったら何を演じたら良いのだろう」という意味深な言葉と宮松の微かに変化する表情に想像力が掻き立てられる映像となっている。（編集部・大内啓輔）
