89歳・山崎努、俳優生活70年…「やめる気もない」発言に割れんばかりの拍手

第39回東京国際映画祭

山崎努
山崎努

 俳優の山崎努(※崎=たつさき)が2日、都内で開催中の第39回東京国際映画祭「Nippon Cinema Now部門」に出品された映画『山崎リバーサイド -俳優の肩ごしに-』(※崎=たつさき)ワールド・プレミア上映舞台あいさつに、監督を務めた犬童一心と共に登壇。サプライズゲストとして渡辺謙が駆け付けた。今年12月に90歳を迎える山崎は俳優業について「やめる気もないしね」と熱い思いを語った。

【画像】山崎努、渡辺謙のサプライズ登壇に笑顔!Q&Aの様子

 本作は、名優・山崎努を追ったドキュメンタリー映画。本人のロングインタビューを軸に、老いと向き合い、癌闘病の中でも「俳優」を追求する姿を追う。山崎から影響を受けた渡辺謙、柄本明、香川照之、鶴見辰吾、そして山田洋次監督や黒澤映画を支えたスクリプター・野上照代のインタビューなども収録し、本人に迫る。

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サプライズゲストとして駆け付けた渡辺謙

 現在89歳の山崎は、自身のドキュメンタリー映画が上映されることに「これまではめったに自分のことはしゃべらなかった」と言い、「この世の皆さんとのお別れのメッセージをすることが心の隅にありました」と胸の内を語る。

 『山崎リバーサイド -俳優の肩ごしに-』は、俳優としてさまざまな人物を演じてきた山崎が、自らのことを語る作品。山崎は「もともと僕はコンプレックスの塊で、人前に出ることやカメラの前で何かをすることが若い頃からすごく苦手だったんです。ですから、大変なエネルギーがないと、人前に出たりカメラの前で何かをしたりすることは無理だった」と振り返ると「だんだん歳をとって場慣れして図々しくなりましたけれども、かなり嫌な形で劣等感や羞恥心が残っています」と自身を顧みる。

 そんななか、自分のすべてをさらけ出した本作。山崎は「そんな羞恥心を取っ払い、すっぽんぽんの状態でカメラの前に立とうと思ったのがこの作品」と位置づける。

 観客から「自分をさらけ出すコツは?」と聞かれると、山崎は「僕は思うんですよね」と切り出し「自分以外のいろんな俳優さんを見ていても、内向的で人前に出て何かをすることが苦手な人の方が、実は舞台やカメラの前で演技をする時に力があるんですね。なぜかと言うと、外と自分との間の壁が厚いわけです。壁が厚いから、力いっぱい当たらないと突き抜けられないんです。その突き抜けた時のエネルギーというのは、人前で何でも軽くできちゃう人よりも強い、力強い勢いがあると思うんです」と持論を展開する。

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 また山崎は「なぜ僕が俳優として立っていられるのかを考えると」とつぶやくと「その答えは『自分をさらけ出すこと』ができるから。内面をさらけ出すこと。これは普通の人にはできないです。恥ずかしくて、みっともなくてできないんです。それを胸の底まで全部さらけ出しちゃうんです。なかなか覚悟がないとできません」と俳優の矜持を述べる。

 しかし「ただ恥ずかしいことをしていてもだめ」と山崎は説くと「その恥ずかしいことを人が観たくないと言われたら成り立たない。“見る価値のある恥”をかかなければいけないんです」と断言。犬童監督は山崎の言葉に「これは名言ですね。映画のなかで言って欲しかった」と発言して会場を笑わせていた。

 司会者から「俳優生活70年ですね」と問われた山崎は「何年やっているなんてことはまったく実感がないし、意識したこともなかった。毎日が新鮮で、楽しくて不安で。夢中になっているうちに70年が経っていました。自分のなかではまだ7年ぐらいのつもり」と笑うと「やめる気もないですしね」と発言。会場からは割れんばかりの拍手が巻き起こった。(磯部正和)

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