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【ネタバレ】野村萬斎「どうする家康」初回の衝撃展開で「ひっくり返りそうに」

「どうする家康」より野村萬斎演じる今川義元
「どうする家康」より野村萬斎演じる今川義元 - (C)NHK

 いよいよ放送がスタートした大河ドラマ「どうする家康」。本作で松本潤ふんする徳川家康を人質にとる戦国大名・今川義元を演じた野村萬斎が、第1回「どうする桶狭間」放送シーンについて振り返った(以下、第1回のネタバレあり)。

【画像】野村萬斎ら「どうする家康」今川勢8名

 大河ドラマ62作目となる「どうする家康」は、『コンフィデンスマンJP』シリーズなどを手掛けた古沢良太によるオリジナル脚本。後の江戸幕府初代将軍となる徳川家康が、群雄割拠の戦国時代を生き抜くために悩みながらさまざまな選択をしていく姿が描かれる。

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~以下、ネタバレあり~

 萬斎にとって、大河出演は1994年放送の「花の乱」以来2度目。演じる今川義元は、家康が元康と名乗っていた時代に人質になっていた駿河の戦国大名。第1回では、家康が人質の身でありながら、義元から目を掛けてもらっているようなシーンがところどころで見られた。特に印象的だったのが、義元の後継ぎである今川氏真(溝端淳平)が、今川家の家臣・関口氏純(渡部篤郎)の娘・瀬名(有村架純)を側室として迎えたいと話したとき、家康と戦ったシーン。義元は氏真に家康と勝負をし、勝つことを条件とした。

 普段の稽古ではいつも氏真に負けていたが、瀬名への恋心を抱いていた家康は、氏真に圧勝。義元は家康に「これまでわざと負けていたのか」と怒りをあらわにする。萬斎は「芸を相伝するときと同じで、間違ったことをそのまま放っておくと、絶対に良いものにならない。我が子にとって不利であっても、しっかりと王道を説くという義元の考えに従った行動。手を抜いて相手を勝たすというのは、最大の非礼。間違ったことがまかり通っていけば、まがった道になるということを伝えたかったんでしょうね。その意味で、義元というのは人格者だったのかなと思います」と解釈を述べる。

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義元と息子・氏真(溝端淳平)

 こうした義元と家康の関係について萬斎は「師弟のような感じかな」とつぶやくと「我が子である氏真にはしっかりと厳しさを伝え、才能あふれる家康は、氏真を支える存在になってほしいという願いがあって教育を施す。そういった関係だと思っています。まあ歴史的な事実としてはそうならなかったんですけれどね。そこも一つのドラマですね」と語る。

 また第1回では桶狭間の戦いの前に、義元が家康に大高城への兵糧入れを命令する場面がある。その際、家康をはじめとする三河の衆は、あまりにも危険な役目に愚痴をこぼすが、義元が「成し遂げられるからこその役目」と期待していると諭し、家康に黄金の甲冑を与える。

義元と家康(松本潤)

 萬斎は「あれが僕のファーストシーンだったんです」と明かすと「いろいろな解釈ができる非常に面白いシーンでした」と撮影を振り返る。続けて萬斎は「口では期待していると言っていますが、実際は戦場で敵からも目立ってしまうという意地悪な目線でも捉えられる。一方試練を与えて、そこをかいくぐって生き残ってこそ、未来がひらけるんだという叱咤激励の意味と考えれば、大きな期待でもありますよね。どちらにも解釈ができるユーモアあふれるシーンでした」と古沢脚本の奥深さに触れる。

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 もう一つ、義元が沓掛城(くつかけじょう)で兵の士気を高めるために舞を披露するシーンも印象的。「あそこは能楽に引き寄せた形の演出になっているのかな。我らには何か神のような存在が後ろについているんだということを強調するシーンになればいいなという思いでやっていました。野村萬斎でなければできないという風に感じていただけたなら幸いです」

 そしてとにかく衝撃的だったのが、第1回で義元が亡くなってしまうこと。萬斎も「読んだときにはひっくり返りそうになりましたよ」と笑うと「えーこれでおしまいなのって思いました」と率直な胸の内を明かす。

 しかし「義元は家康に影響を与えた人物として、今後も出てくるんですよ」と明かし、「回想シーンは結構コミカルというか、古沢さんがちょっと遊べるシーンを作ってくださっているんです。わたしも狂言から来ている人間なので、あまり堅苦しいものよりも、面白いものの方が好きなので、監督から文句を言われない程度にやっちゃっています(笑)」と今後への期待を煽る。

 視聴者も第1回での義元の退場には驚くと思われるが、萬斎は「義元が理想として掲げた王道という考え方。今回の脚本は、戦いを描くこと以上に、平和に国を作っていくためにどういう風に歴史が推移していったかということに重きを置いている。その意味で義元が描いた王道という理想に影響を受けた家康が、どのように進んでいくのか。その際、義元の影響が出ているな……という風に見ていただけると嬉しいですね」と語っていた。(取材・文:磯部正和)

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