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木村拓哉、綾瀬はるかに感じた絶対的な「安心感」

新しい信長の姿。
新しい信長の姿。 - (C) 2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会

 木村拓哉が戦国時代の武将・織田信長を演じた映画『レジェンド&バタフライ』で、正室・濃姫を演じた綾瀬はるかとの“夫婦の絆”を感じた撮影を振り返った。
 
 映画『レジェンド&バタフライ』は東映創立70周年を記念した感動大作。これまでに3度、共演歴がある木村と綾瀬。ドラマ「南極大陸」で、木村は南極観測隊の隊長役、綾瀬はその妻の妹という間柄だった。ドラマ「MR.BRAIN」で木村は脳科学者、綾瀬はその助手を務めた。ドラマ「HERO 特別編」で、木村は検事、綾瀬は新米検事にふんした。夫婦役を演じるのは本作が初めてとなる。

【画像8点】木村拓哉の信長ビジュアル

 木村は「こういう間柄でのキャスティングは初めてなので、撮影で役を生きてみて、彼女が自分の正妻としていてくれた場合はこんなに安心感のある人なんだと感じました」ともともと相性の良かった綾瀬に対して、さらに信頼感が増した様子。

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 出会いこそ政略結婚で結ばれた信長と濃姫。全く気が合わない水と油の関係だったが、いつしか天下統一という共通の夢を抱き、絆を深めてゆく。だが、志半ばに濃姫は病に倒れてしまう。「劇中では濃姫がなぜ体を蝕まれていったのか、病名などは詳しく表現していないんです」と訝しみながら、「僕も監督にはあえて聞きませんでした」と木村。そこには大きな理由があった。

 「当時の人にはきっと詳しい病気の情報なんて、持っていないですよね。ただ、弱っていく彼女の姿を目の前にしながら、なんだかわからないし、どうしていいか知らないけれど、『絶対、治す。自分がしたいからしてることじゃ!』ってだけ。その一心で病身の妻に向き合っていたのだと思います」と語る。

 信長の看病の甲斐なく、濃姫は弱っていくばかりでも、信長は兵を率いて、戦いに出なければならない。木村はその場面の撮影時、綾瀬に一つ、リクエストをしたという。

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(C) 2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会

 「『戻ってきたならば、南蛮の楽器を聴かせよ。南蛮船に乗って、異国に行こうぞ』っていう信長のセリフがあるんです。いざ帰ってきたら、これまでに彼女がしてみたいって言っていたことを全部、一緒に叶えようと約束する。ストーリー上は『では、行ってまいる』と言い残して、屋敷を後にする流れになっていて、一度、それで撮影もしたんです。でも僕はそこで、1個だけ、綾瀬さんにお願いをしました。信長と濃姫が出会って間もない頃、半分、ケンカみたいな初夜を迎えた後に狩りに出るのですが、その時に『どっちが大きい獲物を取れるか勝負だ』って信長が売ったケンカに対して、濃姫は『合点じゃ!』って応じてくれたんですね。だから、台本にはなかったんですけど、『南蛮の楽器を聴かせよ。いいな?』って言った直後に、『あのケンカを買ってくれた時と同じセリフを言ったらどうかな』って綾瀬さんにパスを出したら、しっかり受けてくれたんです」。
 
 二人ならではの見事な連携プレー。おかげで、「これまでにない新しい関係性を構築することができた」と木村。それは濃姫が決して側にいることはなかった、あの運命の「本能寺の変」の場面にまで、影響を及ぼした。

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 「撮影の工程で、それぞれのシーンを撮っている時は実際には相手は実在していないわけです。スタジオの傍らにいてくれたわけでもありません。本能寺の場面ではもう自分には炎しか見えない状態でした。でも、そんな場面でも、炎の中にでさえ、濃姫の姿を思い描こうと思ったら、そこに思い描くことができたんです。気づいたら、そういう間柄になっていた。今回、綾瀬さんだからこそ感じさせていただいた一面でした」と綾瀬に感謝の思いを告げた。

 誰もが知る織田信長と濃姫の誰も知らない壮大なクライマックス。そこには木村と綾瀬が、夫婦として生きた証が刻まれている。(取材・文:高山亜紀)

映画『レジェンド&バタフライ』は1月27日公開

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