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音尾琢真、秀吉&家康と不思議な縁「役者みょうりに尽きる」

音尾琢真
音尾琢真

 木村拓哉織田信長を演じる映画『レジェンド&バタフライ』(公開中)。本作で木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)を演じているのが、俳優の音尾琢真。放送中の大河ドラマ「どうする家康」では、松本潤演じる徳川家康の側近・鳥居元忠にふんしている。両作品の脚本を務めるのは、『コンフィデンスマンJP』シリーズなどの古沢良太。くしくも、同時期に同じ脚本家が描いた戦国時代を生きる人物を演じるという縁に「役者みょうりに尽きます」と感慨深げな表情を浮かべた。

【画像】大河ドラマ「どうする家康」では徳川家康に仕える鳥居元忠に

 稀代の英雄と呼ばれた尾張の戦国武将・織田信長が、隣国・美濃の濃姫(帰蝶)と政略結婚をしてから本能寺の変で命尽きるまでの30年あまりを描いた本作。音尾は信長にその才能を見出され、のちに豊臣秀吉と名乗り天下人になる木下藤吉郎を演じる。

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 一方で、1月からスタートした大河ドラマ「どうする家康」では、家康が人質として今川家にいるときから付き添い、生涯主君を守り続ける忠臣・鳥居元忠にふんしている。

 共に脚本を務めるのは古沢という数奇な巡り合わせだ。音尾は「何とも不思議な縁ですよね」と述べると「世間の人は『なんて節操がないんだ』と思っているのかなと心配になっています。『あなたの殿はどっちなんだ』って言われそうですよね。まあどっちにもいい顔をするんですけれどね」と笑う。

 同時期に映画公開とドラマスタートというのは、完全なる偶然。「もちろん、まったく別ルートからお話をいただいていたのですが、古沢さんの描く物語のなかで、同時代で別の人物に仕えるというのは、ある種パラレルワールドのような感覚。その両方を経験できるなんて、役者みょうりに尽きるなと思います」と感激の面持ち。

 「僕も古沢チルドレンの一員なのかも」とおどけつつも「同じ年に2作品の戦国もの。どちらにも興味を持っていただき、相乗効果で多くの人が観てくださるのであれば、この偶然はとてもありがたいことですし、幸せなことですね」としみじみ語る。

 藤吉郎、元忠に共通しているのが「人間味あふれるキャラクター」だということ。音尾は「近年、いかつい役や怒っている役を演じることが多かったのですが、2023年は優しさや人間味にフォーカスした役柄が続いている」と現状を分析する。

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 音尾にとって“人間味あふれるキャラクター”というのは、大きな意味があることのようだ。「作品というのは、主演の方がいて、助演の方がいて……。いろいろな役回りの人が出てきますが『ここに音尾琢真を置いておけば、物語が回る』と思っていただけるのは、とてもありがたい。僕自身、薄っぺらにならず、奥行きのある人間を演じるように……というのは常に心掛けていることなので。それが安心感に繋がって声を掛けてくださっているなら、とてもありがたいです」

『レジェンド&バタフライ』より音尾演じる木下藤吉郎(豊臣秀吉) (C) 2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会

 演じるうえでこだわっているのは、セリフの裏側にある気持ち。「あるセリフを言う際、その言葉の表面的な意味のほかに、必ず裏にある思いを表現できるように意識しています。シーンでも何か足りないなと感じたら、考えて補うように努力をしています」

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 本番でも、そのとき感じた思いを表現しようとチャレンジする。音尾は「結構細かいことを考えています。『カメラに向けて芝居をするな』なんて話もありますが、そのとき感じたことがあれば、すごく微細なことですが、自分なりに挑戦してみたりします」と語る。

 そんな音尾のチャレンジを、大友監督はしっかりすくい上げてくれるという。「監督は『どんどんやってやって』と盛り上げてくださるので、その思いをしっかりと受け止めて、作品のために貢献できることは常に考えながら臨んでいます」

 「監督から『こうしてほしい』という要求が多ければ多いほど、それに応えていく作業が楽しいんです」と語った音尾。試行錯誤しながら表現した結果を視聴者が観て「面白かった」と言ってもらえることが一番の喜びだという。その意味で、『レジェンド&バタフライ』で音尾が演じた木下藤吉郎は、観ている人に大きなインパクトを与える魅力的なキャラクターになっていると言えるだろう。(取材・文・撮影:磯部正和)

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