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安藤サクラ、初の最優秀助演女優賞に涙!苦しかった撮影で一度は引退考える

第46回日本アカデミー賞

安藤サクラ
安藤サクラ - 写真提供:東京写真記者協会

 第46回日本アカデミー賞授賞式が10日、港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われ、俳優の安藤サクラ(37)が映画『ある男』の演技で初めて最優秀助演女優賞に輝いた。

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 映画化もされた「マチネの終わりに」などで知られる平野啓一郎の小説を原作とする『ある男』。死後に別人と判明した男の身元調査を依頼された弁護士(妻夫木聡)が、他人として生きた男の真実を追う姿を描く。安藤は、再婚した亡き夫・大祐(窪田正孝)が全くの別人であることを知った谷口里枝という女性を演じた。

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 授賞式ではまず、優秀賞受賞者として紹介された安藤。撮影時を振り返って「いまだに『すごく難しい役だったな』と。里枝という役はいろいろなことが起こる役柄で、悲しいことが立て続けに起こるし、それが断片的に映画の中で描かれている。いつも原作(のある作品)をやるときは割り切ることが多いのですが、原作を参考書のように持ち歩きながら、すごく考えて……。ただ、監督がすごく粘って、たくさんたくさん撮ってくださって、窪田くんといろんな形の家族を演じたり、妻夫木さんと向き合っている中で探っていった感じです」と感慨深げに語る。

 そんな本作への出演には安藤自身、並々ならぬ緊張もあったという。「すごく緊張していましたし、苦しかったです。クヨクヨしていました、ずっと。いつもは現場が大好きなので、あまりクヨクヨしないように気をつけて、楽しいが勝っちゃうんですけど。でも、途中からは『やっぱり現場が好きだな』と改めて思って変わっていきました。この現場がなかったら、作品に関われないままクヨクヨした時間を過ごしていたかもしれないな、と」と胸中を打ち明けた。

 主演の妻夫木は撮影中、安藤から「女優に向いていない。この作品で引退しようと思っている」と相談を受けたことを明かす。そのことについて安藤は「クヨクヨのピークに達して、私は子育てと撮影を両立するのがうまくいかなくて……その前もけっこう長く休んでいたのですが、大好きな現場に行くことが自分の人生ですごく大切な時間になるんじゃないかなとハッと気づいたんです」と語った。

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 その後、昨年『護られなかった者たちへ』で最優秀助演女優賞を受賞した清原果耶がプレゼンターとして登場し、今年の最優秀助演女優賞の受賞者として安藤を発表。ブロンズを手渡された安藤は「ありがとうございます」と言葉を発すると、感極まった様子で声を詰まらせた。

 「こうやって受賞させていただいて、本当にこの現場の最中に『やっぱり現場がすごく好きなんだ』と。それは、自分ができるできないとは関係なく、撮影でみなさんの中にいるということが何よりも好きなんだと、はっきりと思えて。自分がうまくできなくて、押しつぶされそうになっても、クヨクヨせずに……。死ぬわけじゃないし、撮影の現場にいることを超えられるものはないなと、この現場中にはっきりと思えたので、また現場に向かうことができています」

 続けて「ただ、私にとっては子育てと撮影というのはうまくできない。どうしたらいいのかはわからないので、今は悩みつつ家族で会議しながら、みんなで協力し合って、また頑張れたらいいな、大好きな現場に戻れたらいいなと思っています」と夫の柄本佑(『ハケンアニメ!』で優秀助演男優賞を受賞)への目配せを交えて、スピーチを締めくくった。

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 安藤はこれまで第39回の『百円の恋』と第42回の『万引き家族』で最優秀主演女優賞を受賞(優秀主演女優賞は第38回の『0.5ミリ』を加えて3度受賞)。今回、初の優秀助演女優賞にして最優秀助演女優賞に輝く快挙となった。

 今年の優秀助演女優賞には安藤のほかに有村架純(『月の満ち欠け』)、尾野真千子(『ハケンアニメ!』)、清野菜名(『ある男』『キングダム2 遥かなる大地へ』)、永野芽郁(『母性』)、松本穂香(『“それ”がいる森』)が選ばれていた。なお、1部門の受賞者は5名を選出することが基本だが、今回は同一人物が異なる2作品で選出され、 次点の受賞者が得票数同数(最優秀賞の投票は対象作品での選考)となり、受賞6名7作品となった。(編集部・大内啓輔)

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