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北野武が描く本能寺の変『首』、キャスト陣の全力ぶりがヤバかった!「どこまでやるんだこの人たち」

第76回カンヌ国際映画祭

狂気の笑み! - 映画『首』での加瀬亮
狂気の笑み! - 映画『首』での加瀬亮

 第76回カンヌ国際映画祭カンヌ・プレミアに選出されている映画『』のお披露目を翌日に控えた現地時間22日、北野武監督、西島秀俊(明智光秀役)、加瀬亮(織田信長役)、中村獅童(秀吉に憧れる百姓・難波茂助役)、浅野忠信(黒田官兵衛役)、大森南朋(羽柴秀長)がカンヌで取材会を行った。北野監督は「今回はブレーキなんか掛けなかった(笑)」という俳優陣のエネルギーに満ちあふれた撮影を振り返った。

“暴力と死と男色”の本能寺の変!『首』フォトギャラリー

 北野監督が原作・脚本・編集・秀吉役も務めた本作は、秀吉、光秀、信長、家康ら戦国武将たちと、彼らの欲と業が絡み合い本能寺の変に至るまでを、一大スケールで活写した時代劇。光秀(西島)をいたぶる残虐な信長役の加瀬をはじめ、キャスト陣は北野監督の下、リミッターが外れたように大暴れしている。

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 北野監督は「オレはもう、役者さんに頼んだ時点でほとんど任せている状態だから。その人がどれだけできるのかはわかっているし、ただ楽しんでくれ、と。ちょっと違うと思った時にはブレーキを掛けようとするけど、今回はブレーキなんか掛けなかった」と笑って打ち明ける。

 「見ていて笑ってしまった(笑)。いつまでやっているだ、この人たちって(笑)。何もあんなに泥だらけにならなくたって(笑)。獅童君なんて笑っちゃってさあ、もういいよ! って(笑)。でももうあれだけやるなら、そのままやらそう、とそんな感じですね。加瀬君なんかもドライ(カメラなしのリハーサル)から本番状態で、完全に岐阜なまりの信長として現れるわけだから、『もうちょっとこうしてください』なんて言えたもんじゃない(笑)。もう『どうぞ』と。西島君も西島君でちゃんと作ってきているし、みんなありがたいことに台本を読み込んで自分で作ってくれている」

 「こっちのイメージもクソもない。みんなのやっているのを見て、『そうだよな』と思うだけ。こっちの思った通りにしているわけじゃなくて、みんなが動いているのを必死になって撮っているだけ。頭の中じゃ、『これ編集どうしよう……』『どこまでやるんだ』と思うような」と楽しげに明かした。

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 光秀役の西島は「現場に入るとどこを見てもすごい俳優さんたちが集まっていて、監督がおっしゃる通り、最初のテストから全力でやっていたので、楽しかったですね」と充実の表情。「お互いの演技に対して『こう来るんだ!』という相乗効果で、どのシーンも強度の高いものになっていたと思います」と胸を張った。

北野武監督『首』カンヌ
加瀬亮、中村獅童、浅野忠信、大森南朋

 一方、信長役の加瀬は「監督はそうおっしゃいますが、僕は台本を読んで、監督が何を望んでいるかを考え、台本通りにやっていると思っているんですけど」と苦笑する。ただ、本作は信長の跡目をめぐって繰り広げられる物語で、彼の存在が作品の世界観を規定するため、「何かしら観ている人にその印象を与えないといけないとは思ったのと、楽しもうというのはすごくありました。西島さんを蹴るにしても楽しもうと(笑)。役柄的にはですよ!」と笑って付け足した。

 かつて大島渚監督の『御法度』(1999)でも北野監督とカンヌ入りしていた浅野は「また強烈な作品でご一緒できてうれしいです。こうして同世代の素晴らしい俳優の方たちと来られたのも」と笑顔を見せる。

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 一方、初カンヌとなった中村と大森は、前日に到着してすぐ、会場周辺を散歩してみたとのこと。大森が「少しだけはしゃごうと思ったんですけど、もう年齢を重ねているものですから、あまりはしゃがず帰って来ました」と言えば、中村も「雰囲気にやられたよね! 二人で張り切って出掛けたんだけど、あまりに雰囲気がすごいから、ビール1本だけ飲んで、『……帰ろうか』と(笑)」と応じる。大森は「もはや映画好きが集まる感じじゃないですよね。ドンツクドンツクって(笑)」と深夜までパーティーが繰り広げられるカンヌに圧倒されたと語っていた。(編集部・市川遥)

映画『首』は2023年秋、全国公開
第76回カンヌ国際映画祭は現地時間27日まで開催

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