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カンヌ映画祭、パルムドールの行方は?役所広司主演『パーフェクト・デイズ』も高評価

第76回カンヌ国際映画祭

渋谷の公共トイレ清掃員の満ち足りた日々を描いた『パーフェクト・デイズ(原題)』
渋谷の公共トイレ清掃員の満ち足りた日々を描いた『パーフェクト・デイズ(原題)』 - (C) 2023 MASTER MIND Ltd.

 第76回カンヌ国際映画祭は残すところあと1日となり、最高賞パルムドールをはじめとした各賞を競うコンペティション部門全21作品の上映が終了した。後半に上映された10作品のうち、最も批評家から愛され、話題になった作品はフィンランドの巨匠アキ・カウリスマキ監督による『フォールン・リーヴズ(英題) / Fallen Leaves』(フィンランド)だろう。

『パーフェクト・デイズ(原題)』フォトギャラリー

 『フォールン・リーヴズ(英題)』は、酒浸りの建設作業員とスーパーマーケットの店員という孤独な男女が夜のヘルシンキで出会い、最初で最後の愛を見つけようとする物語。カウリスマキ監督らしい乾いたユーモア、現代の問題を自然に反映する作風は健在で、サウンドトラックも魅力的な愛すべき悲喜劇となっている。『パラダイスの夕暮れ』(1986)、『真夜中の虹』(1988)、『マッチ工場の少女』(1990)というカウリスマキ監督の“労働者3部作”に連なる作品だ。

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フォールン・リーヴズ
アキ・カウリスマキ監督の愛すべき一作『フォールン・リーヴズ(英題)』 - LES FEUILLES MORTES (c) Sputnik

 ドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース監督が東京で撮り上げた『パーフェクト・デイズ(原題) / Perfect Days』(日本)も評価が高く、近年のヴェンダース監督作でベストと称されている。渋谷の公共トイレ清掃員・平山(役所)の小さな喜びに満ちた日常を丹念に追ったドラマで、無口な平山を表情と佇まいのみで雄弁に表現した役所広司への賞賛も多く、最優秀男優賞に推す声も。なお、役所が主演した『うなぎ』(今村昌平監督、1997)はパルムドールを受賞している。

 前半戦で高評価を得た法廷サスペンス『アナトミー・オブ・ア・フォール(英題) / Anatomy of a Fall』(ジュスティーヌ・トリエ監督/フランス)、そしてアウシュヴィッツもの『ザ・ゾーン・オブ・インタレスト(原題) / The Zone of Interest』(ジョナサン・グレイザー監督/アメリカ、イギリス、ポーランド合作)も変わらずフロントランナーといったところ。受賞結果が発表されるのは映画祭最終日の現地時間27日。果たして『逆転のトライアングル』のスウェーデン人監督リューベン・オストルンド率いる今年の審査員団はどの作品に栄冠をもたらすのか、注目される。(編集部・市川遥)

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