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映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』黒い絵を描いたのは誰?

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』より
『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』より - (C) 2023「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会 (C) LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

 荒木飛呂彦の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」とスピンオフ「岸辺露伴は動かない」に登場する漫画家・岸辺露伴を主人公にした読切作品を実写映画化した『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(公開中)。本作では、露伴が「この世で最も黒く、邪悪な絵」の謎を追ってパリ・ルーヴル美術館に赴くさまが描かれるが、映画の肝となる「黒い絵」の制作過程を、ドラマシリーズに続いて監督を務めた渡辺一貴監督が明かした(※一部ネタバレあり)。

【動画】実写「岸辺露伴」の衣装、なぜモノトーン?

 本作は、国内外の漫画家が参加するルーヴル美術館のバンド・デシネプロジェクトの描き下ろし作品として2009年に発表されたフルカラーの読切作品「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」を、2020年から3期にわたって放送されたドラマシリーズ「岸辺露伴は動かない」のスタッフ&キャストが再集結して映画化。相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を備えた岸辺露伴(高橋一生)と、担当編集・泉京香(飯豊まりえ)がパリ・ルーヴル美術館で「この世で最も黒く、邪悪な絵」が引き起こす恐ろしい事件に遭遇する。

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~以下ネタバレを含みます~

 長尾謙杜演じる青年期の露伴が、初恋の相手である謎めいた女性・奈々瀬(木村文乃)から「決して見てはいけないし、触ってはいけない」と教えられた「黒い絵」。物語は露伴がこの記憶を思い返すところから始まり、この絵にたどり着くことで想像を絶する体験をすることになる。クライマックスで露伴がたどり着く「黒い絵」の制作を手掛けたのは、日本画家の宮崎優(崎は「たつさき」が正式表記)。過去には、渡辺が演出を務めたNHKの単発ドラマ「浮世の画家」(2019・原作カズオ・イシグロ)にも作品を提供している。

 渡辺監督いわく、「黒い絵」を制作するにあたって難関となったのが黒の色味。「数年前に画家が主人公の『浮世の画家』というドラマを撮った時に、宮崎さんに日本画を描いていただいたんです。そのご縁で今回もお願いしました。一番悩んだのが黒の表現方法。日本画の黒は主に墨で描かれるので、実は真っ黒ではないんですよね。黒ではなくどちらかというとグレーに近い色味。だから真っ黒にはなりえない前提で、日本画でどれだけ黒い印象を出すことができるのか、宮崎さんに取り組んでいただきました」と語る。

 また、「黒い絵」には複数の意味合いが込められているという。「ネタバレになるので具体的に何を描いた絵なのかは伏せますが、この絵における黒というのはいわゆる概念というか、主観的な意味での黒なので、物理的に真っ黒である必要はないんです。コンセプトとしては恐怖というよりも哀しみ、愁いみたいなものが表現された作品にしてくださいとお願いしました。日本画は色を重ねられる油絵と違って一発勝負なので、方針を決めたら制作は宮崎さんにお任せしました」

 原作漫画に登場するものとは少し趣の異なる「黒い絵」は、映画オリジナルの見どころとして一度見たら忘れられないインパクトを放つ。(編集部・石井百合子)

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