中島みゆき、岡田麿里“推し”宣言 アニメ『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌書き下ろし
シンガーソングライターの中島みゆきが、アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などの脚本家・岡田麿里が手掛ける監督最新作『アリスとテレスのまぼろし工場』の主題歌「心音（しんおん）」を書き下ろした。「ゲームもアニメもさっぱりわからない」という中島だが、岡田の台本を読み参加を決意。「最後まで読み終わらないうちに、どっぷり、岡田麿里様のしもべとなっておりました。岡田麿里様は、中島の絶大なる『推し』です！」とコメントを寄せている。
本作の舞台は、突然起こった製鉄所の爆発事故で全ての出口を失い、時が止まってしまった町。変化の禁じられた世界で日々を過ごす中学三年生の少年・菊入正宗は、謎めいた同級生の睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉へと足を踏み入れる。そこにいたのは、喋ることのできない、野生の狼のような少女。二人の少女と正宗との出会いによって生まれた、日常に飽きた少年少女たちの「恋する衝動」が世界の均衡を崩し、壊し始める。
中島が本作に参加したきっかけは、2022年の秋、44作目のアルバム「世界が違って見える日」CDジャケットの撮影をしている頃に届いた、岡田からの依頼だった。当初は「ゲームもアニメもさっぱりわからない中島に、御注文をくださるとは、なんでなの？ と謎な気持ち」だったという中島だが、台本に描かれた物語に心動かされ参加を決意した。
初めて岡田と会った日を、中島は「スタジオで初めて岡田麿里様にお目にかかった日は、ただもう中島は物陰から、じぃっとお姿を拝見するばかり。一瞬だけ駆け寄って『この台本、好きです！』と言うのが精一杯でした。まるで中学生の片想いレベルです」と振り返っている。
そして、中島の楽曲を愛聴していたという岡田は、願いが結実した楽曲について「流れてきた瞬間、正面から、強い風がぶわっと吹いた気がしました。風にあおられて、緊張だけでなく、スタジオの景色がすべて吹っ飛んでいきました。そして、この物語の主人公である正宗と五実、睦実の姿が見えました。彼らはしんと冷たい世界の中で、腹の底から叫び、走っていました」とコメント。「この素晴らしい主題歌が流れる、エンディングを迎えるために。『まぼろし工場』とアニメスタッフは最後まで駆け抜けていきます。本当にありがとうございました」と感謝をつづっている。
本作では、14歳の主人公・正宗の声を榎木淳弥、正宗の同級生・佐上睦実の声を上田麗奈、謎の少女・五実の声を久野美咲が担当。副監督を平松禎史、キャラクターデザイン・総作画監督を石井百合子、美術監督を東地和生、音楽を横山克が務める。中島みゆき、岡田麿里のコメント全文は以下の通り。（編集部・入倉功一）
映画『アリスとテレスのまぼろし工場』は9月15日より全国公開
中島みゆきコメント
ゲームもアニメもさっぱりわからない中島に、御注文を
くださるとは、なんでなの？ と謎な気持ちで、
届いた台本をおそるおそる読み始め、最後まで読み終わ
らないうちに、どっぷり、岡田麿里様のしもべとなっておりました。
岡田麿里様は、中島の絶大なる「推し」です！
スタジオで初めて岡田麿里様にお目にかかった日は、
ただもう中島は物陰から、じぃっとお姿を拝見するばかり。
一瞬だけ駆け寄って「この台本、好きです！」と言うのが
精一杯でした。まるで中学生の片想いレベルです。
岡田麿里コメント
『アリスとテレスのまぼろし工場』の主題歌が完成したとご連絡があり、スタジオにお伺いしました。
期待で前夜は眠れなかったうえに、その場にみゆきさんがいらっしゃったことで興奮と緊張は限界に達し、挙動不審かつドライマウスの私に歌詞の紙が渡されました。
そこには、「心音（しんおん）」と書かれていました。
「心音（しんおん）」が流れてきた瞬間、正面から、強い風がぶわっと吹いた気がしました。
風にあおられて、緊張だけでなく、スタジオの景色がすべて吹っ飛んでいきました。
そして、この物語の主人公である正宗と五実、睦実の姿が見えました。
彼らはしんと冷たい世界の中で、腹の底から叫び、走っていました。
2023年6月現在、『まぼろし工場』の制作は順調です……とは正直、言えません。
映画の内容と同じく、さまざまな困難にぶちあたり、倒れそうになることもあります。
でも、そのたびに「心音（しんおん）」がどんどんと心臓を叩いてくれ、蘇生させられています。
みゆきさん、瀬尾さん（＊中島みゆき音楽プロデューサー）をはじめとした「心音（しんおん）」チームの皆さん。
この素晴らしい主題歌が流れる、エンディングを迎えるために。『まぼろし工場』とアニメ
スタッフは最後まで駆け抜けていきます。本当にありがとうございました。
