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『トランスフォーマー/ビースト覚醒』吹替版、おふざけゼロでも“声優無法地帯”を感じる仕上がり 音響監督・岩浪美和インタビュー

「ビーストウォーズ」子安武人、高木渉、柚木涼香が再集結!映画『トランスフォーマー/ビースト覚醒』吹替版予告編 » 動画の詳細

 実写映画『トランスフォーマー/ビースト覚醒』日本語吹替版の音響監督を担当し、“声優無法地帯”で知られる伝説のアニメ「ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー」(1997~1998)の監督・脚色も手がけた岩浪美和がインタビューに応じ、当時の声優キャストを再集結させて挑んだ、吹替版の制作エピソードを語った。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

【動画】「ビーストウォーズ」声優陣が再集結!吹替版予告編

100パーセント来ないと思っていたオファー

コンボイを演じた子安武人がオプティマスプライマル役で続投 - (C) 2023 PARAMOUNT PICTURES. HASBRO, TRANSFORMERS AND ALL RELATED CHARACTERS ARE TRADEMARKS OF HASBRO. (C) 2023 HASBRO

Q:『トランスフォーマー/ビースト覚醒』の特報公開時から、岩浪監督や「ビーストウォーズ」声優陣の続投を期待する声が多数上がっていました。実際にオファーが届いた時は、どのような心境でしたか?

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岩浪美和(以下、岩浪):『ビースト覚醒』が製作される情報は知っていたのですが、私が実写シリーズに全く関わっていなかったので、オファーは100パーセント来ないだろうと思っていました。業界の方にも「今度ビースト戦士が映画に登場するらしいけど、岩浪は音響監督で参加するの?」と聞かれて、「僕ではないでしょ」という話をしていたので、話がきた時は本当にびっくりしました。特報第1弾は、過去作と比較しても再生回数がものすごいと聞きまして、YouTubeのコメント欄には「当時の声優さん出るよね?」「当然、音響監督は岩浪だよね?」と書いてくださった方が多かったそうで、それも後押しになったみたいです。大変ありがたいことです。

Q:「ビーストウォーズ」声優の続投は、岩浪監督が参加した時から既定路線だった?

岩浪:オプティマスプライマル役の子安武人くん(「ビーストウォーズ」ではコンボイ役)など、役が被っている方は続投だろうと思いました。実際、特報のタイトルコールも子安くんでしたから。意外だったのは、「ビーストウォーズ」と被っているメンバーがそんなにいなかったこと。登場キャラクターのリストが上がってきた時、正直困りました……(笑)。プライマル役の子安くん、チーター役の高木渉くん(「ビーストウォーズ」ではチータス役)と一緒に、映画のキャラクターに合う人をチョイスして、違う役ではありますが、「ビーストウォーズ」からタランス役だったチョーさん(ストラトスフィア役)、ブラックウィドー役だった柚木涼香さん(ナイトバード役)、テラザウラー役だった飛田展男さん(スカージ役)にも参加していただきました。

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実写映画は真面目に!アニメとは「求められているものが違う」

声優続投でも真面目に吹き替え - (C) 2023 PARAMOUNT PICTURES. HASBRO, TRANSFORMERS AND ALL RELATED CHARACTERS ARE TRADEMARKS OF HASBRO. (C) 2023 HASBRO

Q:『トランスフォーマー/ビースト覚醒』の吹替版は、「ビーストウォーズ」のようにアドリブだらけとはいきません。当時の声優さんを、実写映画ではどのように演出していきましたか?

岩浪:簡単に言えば、「真面目にやる」です。「ビーストウォーズ」とは求められているものが違うので、目先の笑いを拾いにいって、映画を壊してはいけません。子安くんも極めて真面目に取り組んでいました。玄田哲章さん(オプティマスプライム役)と互角に渡り合わなければならないので、かなり大変だっだと思います。

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Q:吹き替え声優に初挑戦した中島健人さん(主人公・ノア役)は、「ビーストウォーズ」直撃世代です。

岩浪:中島さんは、小さい頃から「ビーストウォーズ」シリーズが大好きで、アフレコの時もメガトロンのフィギュアを持ってきて、マイクの横に置いていました。お話した時も「本当に好きだったので、参加できて嬉しいです」と仰っていました。また、仲里依紗さん(ヒロイン・エレーナ役)もバンブルビーが好きすぎて、実際にカマロを持っていますし、藤森慎吾さん(ミラージュ役)も『トランスフォーマー』が大好きということで、みなさん真摯に取り組んでくださいました。三名の演技も含めて、吹替版はいい出来になっていると思います。

Q:Sexy Zone による吹替版主題歌「Try This One More Time」は、「ビーストウォーズ」のオープニングテーマ「WAR WAR! STOP IT」をオマージュした楽曲だと、「ビーストウォーズ」ファンからも好評です。

岩浪:楽曲を制作してくださった方も、「ビーストウォーズ」の世界観の延長線上で作っているんだろうなと感じました。実際にエンドクレジットに挿入しても全く違和感がなく、すごくいい感じに仕上がっています。

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チーターの語尾はアニメと同じ「じゃん」

アニメと同じ高木渉が吹き替えたチーター - (C) 2023 PARAMOUNT PICTURES. HASBRO, TRANSFORMERS AND ALL RELATED CHARACTERS ARE TRADEMARKS OF HASBRO. (C) 2023 HASBRO

Q:「ビーストウォーズ」ファンとして、『トランスフォーマー/ビースト覚醒』声優無法地帯版も期待しているのですが、劇場上映やパッケージ版の特典などを含め、実現する可能性はありますか?

岩浪:実写とアニメで方向性が違いますからね……。もともと「ビーストウォーズ」の吹替版をあの形にしたのは、玩具の販促が背景にあります。対象年齢を未就学児に設定した時、オリジナルのままで放送すると、世界観やストーリーが暗く、このままでは厳しいというところから考えて、最終的にあの形になりました。『トランスフォーマー/ビースト覚醒』は映画としてすごく出来がいい作品なので、それを壊さないように届けることが、吹替版としてやらなければいけないことです。求められていることが違いますからね。

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Q:『トランスフォーマー/ビースト覚醒』吹替版は声優無法地帯ではないものの、「ビーストウォーズ」を彷彿させる言い回しなど、当時のファンが懐かしく感じる仕上がりになっている?

岩浪:そうですね。特に渉くんのチーターは、実写でも語尾は「じゃん」にしているので、第一声で「ビーストウォーズ」だと思っていただけるのではないかと思います。当時「ビーストウォーズ」を観ていた方々は、たとえふざけていなくても「彼らが帰ってきたんだな」という感覚を味わえるようになっていると思いますよ。

映画『トランスフォーマー/ビースト覚醒』は8月4日全国公開

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