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『ゴジラ-1.0』東日本大震災を描いた可能性も…山崎貴監督、戦後日本にこだわった理由

【特報2】映画『ゴジラ-1.0』【2023年11月3日公開】 » 動画の詳細

 東宝実写『ゴジラ』シリーズ最新作『ゴジラ-1.0』のメガホンを取った山崎貴監督が4日、帝国ホテルで行われた完成報告会見に出席し、『シン・ゴジラ』(2016)以来、7年ぶりとなるゴジラ新作を手掛けるプレッシャーと共に、時代設定やキャスティングについて語った。会見には、主演の神木隆之介、ヒロインの浜辺美波、東宝株式会社取締役専務執行役員の市川南も出席した。

【動画】神木隆之介が絶叫…『ゴジラ-1.0』新予告編

 1954年公開の第1作以来、世界中のファンを魅了してきた「ゴジラ」の70周年記念作品となる本作は、すべてを失い無(ゼロ)になった戦後の日本にゴジラが出現し、この国を負(マイナス)にたたき落とすさまを描く。神木と浜辺のほか、山田裕貴青木崇高吉岡秀隆安藤サクラ佐々木蔵之介がメインキャストに名を連ねる。

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 念願だった『ゴジラ』映画のメガホンを取った山崎監督は、「ずいぶん前から『ゴジラ』映画をつくりたいなと思っていて、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』の一部分でゴジラに出てもらったりもしたのですが、いよいよ夢が叶いました。東宝の本丸であるゴジラ映画に携わることができて、うれしい限りです」と晴れやかにあいさつする。

 『シン・ゴジラ』(2016)に続くゴジラ映画を山崎監督に託すことになった経緯について、市川プロデューサーは「2016年の『シン・ゴジラ』がものすごい反響で、興収80億円を超える大ヒットとなり、作品の評価もはるかに高く、その年の映画賞を総なめにしました。その次をどうしようかと思いあぐねているうちに、2019年に山崎監督と映画『アルキメデスの大戦』を作って公開することになりまして、完成のタイミングで次の『ゴジラ』はどうですかと提案しました」と語る。監督からは「もし自分がやるなら、古い時代の設定のゴジラであれば」ということで本プロジェクトがスタート。約3年かけて脚本を練り上げ、昨年の3月から6月にかけて撮影が行われたという。

念願だったゴジラ映画のメガホンを取った山崎貴監督

 映画の時代設定について、山崎監督は「やはりゴジラというのは、核の脅威であったり、戦争の影というのがそのまま怪獣の姿をしているもの、というイメージがずっとあったので、もしやらせていただくなら、その時代でやりたいというのがありました」と説明する。東日本大震災という考えもあったというが、『シン・ゴジラ』があまりにも鮮やかに描いたということもあり、そこに対抗するためにも戦後の時代でやりたかったという思いがあった。市川プロデューサーも「戦後すぐの話なので、自衛隊もなければ、武器弾薬もない時代をつくるというのが斬新かなと思います。つまり、日本が丸腰であった時代にゴジラがやってきたらどうなるか、というのが出発点でした」と付け加えた。

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 改めてゴジラ映画に携わることになった思いを尋ねられた山崎監督は、「『ALWAYS 続・三丁目の夕日』に(ゴジラに)ゲスト出演していただいた時は本当にうれしくて、その時は尺が短かったので、なんとかその時のスキルで乗り越えられたんですけど、今回やってみたら『ゴジラ』の本編をつくるのは本当に大変だなと思いました。(西武園ゆうえんちで)『ゴジラ・ザ・ライド』という作品をやらせていただいたんですけど、その時もやはり5分くらいで作品をつくらせていただいたのですが、ずいぶん大変でした。これは相当、技術的に進まないとできないなと思っておりました」とゴジラ映画の大変さを切々と語る。また、『シン・ゴジラ』の存在が非常に大きなプレッシャーだったといい、「あの作品の時にコメントを求められて、次にやる人は大変ですね、というようなことを言っちゃったんですけど、まさかそれがブーメランになって返ってくるとは思わなかった」と苦笑い。

 それでも、ゴジラ映画への魅力はあらがえなかったとのことで「ゴジラは本丸というか、一度はやってみたい作品ではありました。ちょうど技術的にもいろいろと成熟してきた中で、今なら思っていたゴジラができるかもしれないというチャンスだったので、うれしかったですね」と山崎監督。CGを駆使したダイナミックな映像、物語づくりについて、これまでのキャリアの全てを投入したような作品だということで「完成した作品を観てみると集大成というか、今まで20数年間、監督をやらせていただいて、いろいろと吸収してきた自分の知見や技とか、そういうものを惜しみなくつぎ込んだ作品になったと思います」と自負した。

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(c)2023 TOHO CO., LTD.

 また、戦後の焼け野原のセットも見どころとなるという。浜辺は「本当に作り込まれていた。スタジオの中ではあったんですけど、見渡す限り、すべてができあがってましたね。本当に歩くのも大変で、転んでしまうくらいでした」と撮影を振り返る。セットには大量の土を投入し、高低差がすごくある状態だったといい、山崎監督も「美術チームも、セット作業じゃなくて土木作業だったと言っていましたね」と述懐。CGだけでなく、リアルな質感も大切に撮影は行われた。

 神木や浜辺をはじめとする豪華キャストについて、山崎監督は「ゴジラって虚構の存在なので、ゴジラが本当にいるんだ、本当に怖い存在なんだという風に感じてもらうためには、やはり役者さんが上手じゃないといけない。キャスティングのときにも、まずうまい人でとは言ったんですけど、皆さん本当にすご腕の人たちばかりで。現場はむちゃくちゃ楽しかったですね。この人たちと仕事できるのは、本当にしあわせなことだなと思いました」と振り返った。

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 さらに、『ゴジラ-1.0』というタイトルに込められた意味についても尋ねられた山崎監督は、「そこは皆さんがいろんな意図を感じてもらえればいいなと思います」と前置きしつつも、「一番大きいのは、戦後でゼロ状態になっている日本に、さらにゴジラがやってきてさらに悪化するというか、悲惨な状況になっている状況で、人々がどう立ち上がるのかという意味もあります。初代のゴジラよりもさらに前の時代なので、そういう意味での“マイナスワン”もあります。助走のための“マイナスワン”でもありますし、あるいは何かを失う“マイナスワン”でもあります。いろんな意味を感じていただければ」と思いを語った。(取材・文:壬生智裕)

『ゴジラ-1.0』は11月3日より全国公開

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