ADVERTISEMENT

ジブリ「君たちはどう生きるか」展は“普通の美術館”目指す 宮崎吾朗「絵を一点一点見てほしい」

最初に描かれたサギ男
最初に描かれたサギ男 - (c)2023 Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli

 三鷹の森ジブリ美術館の新企画展示「君たちはどう生きるか」展が、18日から開幕する。前日となる17日にプレス内覧会と記者会見が行われ、企画・監修を務めた宮崎吾朗とジブリ美術館・館長の安西香月が、展示内容について説明した。

【画像】宮崎駿直筆のイメージボード、ほぼ全て展示!「君たちはどう生きるか」展

 『君たちはどう生きるか』は、宮崎駿監督が約7年の歳月を費やして制作した長編アニメーション映画。企画展示では、映画の制作過程において描かれた絵を純粋に展示し、紙と鉛筆から始まる手描きの豊かさ、描くことの力そのものを伝える。展示は第一部「イメージボード編」(11月18日~2024年5月予定)からはじまり、第二部「レイアウト編」、第三部「背景美術編」の三部構成となっている。

ADVERTISEMENT

 第一部で特集されるイメージボードとは、構想段階に作品のイメージを固めて、登場人物や建物、舞台設定などを考えるために描かれるもの。『君たちはどう生きるか』では駿監督が自ら描いており、今回はイメージボードのほぼ全てが展示される。

宮崎駿が書き下ろして制作したパノラマボックス- (c)2023 Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli

 本展示は、過去にジブリ美術館が実施した企画展示とは大きく異なり、館内のレイアウトはシンプルに、展示品も数が厳選され、一点ずつ額縁に入れられている。安西館長は、“普通の美術館”を目指したことを明かすと「今までにない展示になっております」とアピール。吾朗監督も「今回は絵を一点一点見てほしいという気持ちが強かったので、ジブリ美術館では今までなかった、絵を額縁に入れて、観賞してもらう形式で展示しています」と補足すると、「紙に鉛筆や絵の具で描いているというのは稀なケース。それでいて、7年もかけて映画を作るという行為そのものが博物館的といいますか、美術品として見るに値するものではないか」と強調した。

ADVERTISEMENT

 館内には、駿監督が自ら書き下ろし制作したパノラマボックス「黄金の門」が展示されている。駿監督はこの日、美術館を訪れて本展示を見学したといい「悪夢がよみがえる」と呟いていたとのこと。また、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーも美術館に立ち寄ったそうで、「美術館みたいじゃん! 逆に新鮮だね」と感想を述べていたという。

企画・監修を務めた宮崎吾朗

 過去の企画展示のように詳細な解説はなく、展示されているのはイメージボードと簡単なキャプションのみ。吾朗監督は「まだ(映画を)解説できないと思うんです」と理由を明かし、「映画が上映中だということもありますし、宮崎をはじめとする制作に関わった人たちにとっては、生々しい記憶として残っている。そんなに時間が経っていないのに、第三者の我々が勝手に説明をつけるというのもはばかられる。今回は絵があるので、それをしっかりと見てもらうことに注力した方がいいと考えました」と語っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

「君たちはどう生きるか」展第一部「イメージボード編」は11月18日から2024年5月(予定)まで三鷹の森ジブリ美術館にて開催
美術館入場は日時指定の予約制(チケットはローチケWEBにて、毎月10日に翌月入場分を発売)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT

おすすめ映画

ADVERTISEMENT

人気の記事

ADVERTISEMENT

話題の動画

ADVERTISEMENT

最新の映画短評

ADVERTISEMENT