「御上先生」明かされた“謎の青年”の正体 高橋恭平「自分を封じる」役づくりの裏側【ネタバレあり】

日曜劇場「御上先生」(TBS系・毎週日曜よる9時~)に出演中の高橋恭平(なにわ男子)がインタビューに応じ、本作の撮影や、“謎の青年”を演じる上での難しさなどを語った。(以下、第8話のネタバレを一部含みます)
【画像・ネタバレあり】プラン御上2、発動!「御上先生」第8話
本作は、高校教師となった東大卒のエリート文科省官僚・御上孝(松坂桃李)が、令和の時代を生きる18歳の高校生たちを導きながら、汚い大人たちの権力によって子供たちが犠牲になっている現実に立ち向かう“大逆転教育再生ストーリー”。
高橋はシークレットキャストとして本作の出演が決まった時の心境を聞かれると、「びっくりしました。若いからこそできるキラキラした、少女漫画原作の作品にも出演してきましたが、歳を重ねる中で挑戦できる本格的な作品にも力添えがしたいと思っていたんです。決まった時は嬉しかったですし、こういう作品に出るのが一つの夢でもあったんです。こんなに素晴らしい作品に自分が出られるんやって気持ちでした」と振り返る。
謎の青年は、物語のカギを握る重要人物の一人。「登場シーンはもちろん、セリフが多いわけでもないので、その中で思いをどこに持っていくか考えながら演じています。話し方や見せ方には、いつも気を遣うんです。目のやりどころだったり、どこで顔を上げる、下げるとか、最初は一瞬の細かい動きを求められたので難しかったです。そこになぜ彼がいるのかを考えながら演じていました」と役づくりを紹介する。
高橋はまた、「監督やスタッフの方と役づくりについて話しましたが、『とりあえずかっこよくいてほしい』と言われました」とも述べ、『かっこいい恭平くんが出せたらいいな』と言っていただいて、『任してください。そこだけはできるんで』と自信がつきました」と笑顔を見せる。
第2話の初登場シーンについては、「30秒ほどのシーンで、雑誌をパッと落として眺めるだけのシーンだったんです。でも、そのシーンにいろいろなものが込められているとわかったので、雑誌への視線の向け方とか、感情の向け方を意識して演技をしました。撮っている時も楽しかったですけど、オンエアを見るのも楽しかったです」と振り返る。
この初登場のシーンは、スタッフが(人工的に)雨を降らせての撮影だった。「その時になぜかビルとビルの間から、僕のところにだけ光が差してきたんです。それを監督がモニター越しに見て『すごいね、なかなかないよ! 持ってるね!』って(笑)。雨ふらしのシーンだから、もちろん光が差したらおかしくなるので、スタッフさんがその後光を遮ってくれたのですが、そんなやり取りもすごく面白かったです」
第8話では、謎の青年の正体が、戸倉樹という東大生であることが明かされた。戸倉の設定について「自分とかけ離れていますが嬉しいです」と述べ、「東大生ということで、高橋恭平は封じて演技しています」と謙遜。「喋らないと僕は賢そうに見えると言われるんです(笑)。自分が想像する賢い人というのはゆっくりしゃべる人。そういうイメージがあるので、それを意識して演じています」と工夫を明かした。
高橋は「以前は制服で生徒役を演じることが確かに多かったんです。でも今回の役は新鮮です。この作品で、ドラマへの新しい携わり方を知れた気がします。芝居の最中、自分で考えるのも好きですが、アドバイスをいただければ素直にやる。いろいろなことを全部含めて、芝居は本当に楽しいです」と話す。また、年下との共演が増えていることについても「そうですね……」と少し考え、「気まずいですね(笑)」とにっこり。「今まで自分が年下の立ち回りをしていたけど、逆にそれをされると辛いです。(ご飯を奢ったり)いろいろお金も飛んでいきますね」と笑う。
主演の松坂に対しては「お芝居ではご一緒していないのですが、テレビ越しに演技を見ていたりすると、やっぱり振り返る瞬間や、スイッチの入る所だったり、切り替えの仕方がすごいな、(いい意味で)怖いなと思いました。見入ってしまいます」と刺激を受けているとのこと。
高橋は、2月28日に25歳の誕生日を迎えたばかり。「今、自分はすごい経験をさせてもらえているなって思います。25歳になって、これからもっと周囲からいただいたこと、学んだことをいろいろなところで活かしていければなと思います」と話す。俳優業に対しても「芝居面でいうと、ピュアでいたいです。『こうです』とは決めたくない。いろいろなことを真正面から受け入れてそれを出していければ」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)


