小栗旬&窪塚洋介、「GTO」以来26年ぶり共演も撮影中ほぼ会えず「電話のシーンばっかり」

俳優の小栗旬と窪塚洋介が10日、日本体育大学・世田谷キャンパス(東京都世田谷区)で開催された映画『フロントライン』(6月13日公開)のキックオフイベント 日本体育大学救急医療学科 特別試写会にサプライズ登場し、本作での共演を振り返った。
本作は世界的パンデミックを引き起こした新型コロナウイルスを題材に、集団感染が発生した豪華客船ダイヤモンド・プリンセスが横浜港に入港した時点から、乗客全員の下船が完了するまでの日々を事実に基づいて映し出すヒューマンドラマ。この日は、劇中キャラクターのモデルとなった阿南英明医師、近藤久禎医師、脚本とプロデューサーを兼任した増本淳も登壇した。
会場には日本体育大学救急医療学科の生徒たちが集まっていたが、サプライズで小栗と窪塚が登壇すると大歓声が起こった。小栗はマイクを手にすると、「ヤバ! エグッ! って言われた」と嬉しそうな表情で学生にあいさつし、その後は窪塚と本作の撮影を仲良く振り返った。
小栗と窪塚は、ドラマ「GTO」以来26年ぶりの共演となったが、窪塚は「20年間ぐらい、旬からいろんなオファーをいただいていたけど、ことごとく応えられず、一緒にやれなかった。初めて旬に誘ってもらった仕事で一緒にできたのがこの作品で、完成した作品を見たら、この作品に携われてよかったと心から感じました」と感慨深げに振り返る。
小栗は増本プロデューサーからオファーをもらった時のことを振り返り、「増本さんに脚本を読んで欲しいって誘われて、読んでみて、どれくらい取材すればこの脚本にたどり着けるんだろうというくらいの内容で、驚かされました。その後、増本さんが取材して集めた資料も見せてもらって、増本さんがどれだけ強い気持ちでこの作品に挑んでいるかがわかったんです。これは出るしかないと思った」と述べ、出演を決めた後に自ら「窪塚くんはどうですか」と増本プロデューサーに窪塚の出演を提案したことを紹介した。
増本プロデューサーから脚本を送ってもらった窪塚は、小栗同様、「取材に裏打ちされたリアリティーのある脚本だと思った」と脚本の出来栄えに感動したといい、「スタッフの皆さんの意気込みもすごくてこれはぜひやらせてもらいたいと思った」と出演を快諾したという。しかし、撮影現場では直接絡むシーンより電話のシーンが多かったとも振り返り、小栗は「久しぶりに仕事ができるって喜んだのに、電話のシーンばっかりだった」と窪塚と振り返って会場を笑わせた。
二人はその後、学生からの質問にも応じたが、緊張して生徒が言葉に詰まると、小栗は優しく「ゆっくりでいいよ」と声をかけた。また、窪塚がこれに「旬、せっかくだから(生徒さんが考える間)歌でも歌ってよ」と声をかけるなど、仲のいいやり取りを見せつけて会場を和ませる一幕もあった。
生徒から「新しいことに挑戦するときの心構え」を聞かれた窪塚は、「20代の頃は俳優は俳優業だけやっていればいいと思っていたけど、46歳になって、レゲエをやったり、日本酒を作ったり……。それは全部自分がやりたいと思ってやったことなんです。自分軸で歩んできて、今が一番幸せ。それが大事じゃないかなと思います」と自身の考えを紹介。小栗も「新しいことに挑戦するときは自分に期待しすぎないようにしています。急にジャンプアップはできない。日々やってきたことだけが成果になる。日々できることを増やすことが新しいことにチャレンジする上で重要だと思います」とアドバイスを送っていた。(取材・文:名鹿祥史)


