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朝ドラ「あんぱん」史実とは違う、のぶと嵩を幼なじみにした理由とは?

北村匠海が演じる柳井嵩と、今田美桜が演じる主人公・朝田のぶ
北村匠海が演じる柳井嵩と、今田美桜が演じる主人公・朝田のぶ - (C) NHK

 「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さんの夫婦をモデルにした連続テレビ小説「あんぱん」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか ※土曜は1週間の振り返り)。小学生の頃、やなせさんにファンレターを送ったことをきっかけに文通をしていたという脚本家の中園ミホは、本作のオファーを受ける前から「今のなにやら物騒な世の中を見たらどう思うだろう?」と、やなせさんに思いをはせることが多くなっていたという。不思議な縁でやなせさんと結ばれていた中園は、徹底した取材と記憶をもとに脚本の執筆に至るが、ヒロイン・のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)の関係性は史実とは少し違う。その理由を中園が語った。

【画像】勝気なのぶ(今田美桜)とやや気弱な嵩(北村匠海)

 劇中、嵩は再婚する母・登美子(松嶋菜々子)によって伯父・寛(竹野内豊)の家に預けられる形で、のぶが暮らす高知・御免与町にやって来る。そこでのぶと嵩は幼なじみとして関係を築いていくのだが、実際のところ、やなせさんと暢さんは戦後、大人になり高知新聞社で同僚として出会っている。“幼なじみ”にこだわった理由を、中園は「二人が結婚した時から始めることも考えたけど、どうしてもやなせさんの幼少期や、二人の青春期を描きたかったんです。そうでないとやなせさんを描いたことにならないからです。やなせさんが作詞した『アンパンマンのマーチ』の『なんのために生まれて なにをして生きるのか』というメッセージや、やなせさんは戦争によって大切な弟を亡くし、その果てにアンパンマンが生まれたことはとても尊いことだと感じているので、それらやなせさんの精神全てを伝えたい」と力を込める。

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 そのため、やなせさんが生まれ育った自然豊かな地、暢さんと出会った高知新聞社、アトリエにしていたマンションなどに赴き取材を敢行した中園だが、「暢さんに関しては秘書の方からたくさん話を伺いましたが資料がほとんど残ってないので、こういう人だったんじゃないかな? というイマジネーションを膨らませて書いています」と打ち明ける。男勝りを意味する「ハチキン」おのぶのキャラクター設定については「やなせさんは子どもの頃、気が弱くて男の子っぽい遊びをしなくて、『女の子と遊んでいた記憶しかない。ミホちゃんみたいな元気な女の子だった』とおっしゃっていたので、暢さんが近所に住んでいたら、こんな感じかな? と考えてオリジナルで作りました。あと、やなせさんは複雑な生い立ちでセンチメンタルな詩もいっぱい残っているほどで、寂しかったと思うんです。『おとうとものがたり』を読むと、元気な女の子がそばにいてくれたらいいな……と思うので、そんなわたしの願望も入れています」と思いを寄せる。

 そんなのぶと嵩の恋愛パートにおいては「二人が出会ったらこういう会話をして、こうなるんじゃないかな? と考えながら脚本を作っていったら、自然と恋に落ちていました。そこはうまく書けた自信があります。見どころです」とアピールし、「久しぶりにラブストーリーを書きました。ラブストーリーは大好きですが最近は“お仕事もの”が多いので、久しぶりに大恋愛ものを書くのは楽しいですね」と笑みをこぼす。

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 筆が乗るのはキャスティングのおかげでもあるようで、「普通、希望はなかなか叶いませんが、今回は次々に決まっていくからびっくりしました。全ての役の希望が通っている感じで、こんなドラマは今までにないです」と目を丸くし、「今田さんはドラマ『Doctor-X 外科医・大門未知子』でもご一緒しています。気の強い役は演じる俳優によってはうるさく見えますが、今田さんはとても性格がよくて、それが画面にも表れるので、そこは今田さんだから大丈夫、と信頼して書いています」と話す。北村においては「第1回の冒頭を観たときに、やなせさんそのものだと思って鳥肌が立ちました。気づいたら脚本を書き終えていることがときどきあって、そんな時はやなせさんが導いて書かせてくださったのかな……と感じるのですが、撮影現場にもやなせさんが降りて来ているのかな……と思いました」と目を細めた。(錦怜那)

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