横浜流星「べらぼう」新章で蔦重の変化意識 「重心を下げて声も低く」

大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)の5月2日放送・第17回より、横浜流星演じる主人公・蔦屋重三郎が板元として本格的に始動する新章が幕を開ける。放送を前に、横浜がコメントを寄せた。
大河ドラマ第64作となる本作は貸本屋から身を興し、喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴、東洲斎写楽らを世に送り出し、江戸のメディア王として時代の寵児となった蔦屋重三郎を主人公にしたストーリー。脚本を大河ドラマ「おんな城主 直虎」、ドラマ10「大奥」(NHK)シリーズなどの森下佳子が務める。
第17回「乱れ咲き往来の桜」では、蔦重は青本など10冊もの新作を一挙に刊行し、耕書堂の認知度は急上昇する。そんな中、うつせみ(小野花梨)と足抜けした新之助(井之脇海)と再会し、話の中で、子供が読み書きを覚えるための往来物と呼ばれる手習い本に目を付ける。一方、田沼意次(渡辺謙)は、相良城が落成し、視察のため三浦(原田泰造)と共にお国入りする。繁栄する城下町を見て、ある考えを思いつく。
第17回からの蔦重の変化を、横浜は「彼の明るさや、人を楽しませようと思う根本の部分は変わっていないです。ただ、蔦重は人と関わって、たくさんの失敗を重ねる中で様々なものを全て吸収して、駆け引きや会話が上手くなっています。演じる上でも、重心を下げて声も低くするということなどは意識しています。これから彼の夢や目標は大きくなっていきますが、少年期と同じように失敗して、それでもへこたれずに前に進んでいくのが蔦重らしさだと思うので、そこは変わらないと思います」と見る。
また、作品に対する周囲からの反応については「ふだん大河ドラマを見ていない方から「見てるよ」と連絡が来るのが一番嬉しいです。NHKの作品に初めて出させていただいた自分の使命が一つ叶えられたのではないかと思います」といい、「今も収録はハードですが、楽しんでくださる方々がいるから、そのみなさんにしっかりこの作品を届けたいという、その一心でいます」と意気込みを語る。
ここまで「蔦重を生きてきた」ことで、「たまに自分自身とリンクするときはあります」と横浜。「蔦重も力をつけてきて、叶えられる望みと叶えられない望みがあるという壁にぶつかっています。自分もたくさんの方々に知ってもらえるようになって、でもできることとできないことがあるし、そういうときに蔦重だったらどうするんだろうとか、自分だったらこうするけどとか、お互い背中を押し合っているという気持ちでもいます」
そして第17回以降の注目ポイントについて「商いの話がより本格的になって、会話劇が中心になります。会話劇には技術がいるのでしっかりと高めて、そこを皆さんに楽しんでいただけるように今から心がけています。また、この時代は景気がよくなかったので、今の時代と重なる部分もあるんです。蔦重はそれでも明るく、世を元気にしようとしているので、見てくださる方々に寄り添いつつ、蔦重を見ていると明日が来るのが楽しみだなと思ってもらえるように、いまも蔦重を生きています」と語った。(石川友里恵)