【ネタバレ】『サンダーボルツ*』タスクマスターの結末、脚本家もショックだった 初期案から大幅変更

マーベル・スタジオ最新作『サンダーボルツ*』(全国公開中)に登場するタスクマスターは、初期脚本では本編と全く異なる結末を迎えるはずだったという。共同脚本家のエリック・ピアソンが、The Hollywood Reporter に明かした。(以下、映画のネタバレを含みます)
映画『ブラック・ウィドウ』(2020)で初登場したタスクマスターは、スパイ育成機関「レッドルーム」で肉体改造と洗脳を施された人間兵器で、敵の戦闘スタイルをコピーする能力を持つ。その正体は、レッドルームの首謀者ドレイコフの娘・アントニアだった。
タスクマスターは、ほかの無法者たちと同じくサンダーボルツ*のメンバーとして紹介されていたが、本編ではゴーストに頭を撃ち抜かれて早々に死亡してしまう。公開後に発表された新ポスタービジュアルでは、タスクマスターの顔がゴーストの横に小さく映っているだけで、その扱いにショックを受けたファンも多い。
『ブラック・ウィドウ』の脚本家で知られ、『サンダーボルツ*』の初期脚本を手がけたピアソンもそのうちの一人で、タスクマスターの死について「本当にショックを受けました」と心境を語っている。というのも、ピアソンによる初期脚本では、タスクマスターは最後まで生き残るはずだったといい、ジョアンナ・カロらによる最終稿での「最大の変更点」だと強調した。
ピアソン版の脚本では、タスクマスターを殺害したゴースト/エイヴァとの関係性も掘り下げられるはずだったという。共にラボで育った過去も持つキャラクターであり、「エイヴァが“お姉さん”役となり、アントニア(タスクマスター)が自由になる方法や自立する術を教わる展開でした」と明かしている。
タスクマスターの死亡には賛否があるものの、「なぜそうしたのかは理解しています」とピアソン。メガホンを取ったジェイク・シュライアー監督からは、「観客に驚きを与えたかった。そして、物語のリスクや緊張感を高めて、“この世界では誰も安全ではない”と示したかった。登場人物たちが悪人だと言われながらも、実際には善人に見えてしまう場面が多いからこそ、彼らが本当に悪いことをしてきた過去を、冷酷で非情な生き方をしてきたことを、しっかり描く必要があると思った」と伝えられたという。
ピアソンの次回作は、マーベル・コミック最初のヒーローチームを再び実写化した『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(7月25日日米同時公開)。『サンダーボルツ*』には、同作とリンクするポストクレジットシーンが用意されているが、ピアソンは関わっていないと認めている。(編集部・倉本拓弥)


