トム・クルーズ、『ミッション:インポッシブル』監督も空飛ぶ飛行機の翼の上を歩けるように訓練

人気アクションシリーズ最新作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』を引っ提げ来日したトム・クルーズが7日、盟友クリストファー・マッカリー監督と共にTOHOシネマズ六本木ヒルズで会見を行い、マッカリー監督との異例尽くしのコラボレーションについて語った。
本作は、トム演じる敏腕スパイ、イーサン・ハントの活躍を描いた人気アクションシリーズ第8弾だ。マッカリーは脚本のリライトを担当した第4弾『ゴースト・プロトコル』でシリーズに初参加し、第5弾『ローグ・ネイション』で監督に就任。マッカリー以前は毎作監督を変えることで知られた本シリーズだが、彼はこの最新作まで計4作のメガホンを取るなど、トムから絶大な信頼を寄せられている。
マッカリー監督いわく、トムとは常に映画について語り合っている関係で、それが時折、映画の撮影で中断される感じなのだという。新型コロナウイルスのまん延で隔離生活を強いられた際には、家族ぐるみで一緒に暮らしたほどだ。
マッカリー監督:僕たちが太陽を見るのは、朝、車に歩いて向かう時だけ。仕事を終える頃には暗くなっていたから。パンデミックの時、僕たちは『トップガン マーヴェリック』のポストプロダクション、前作『デッドレコニング』の撮影、『ファイナル・レコニング』の準備を同時にやっていた。
トム:朝、仕事場にはいつも一緒に車で行くんだ。映画やストーリーについて話しながら。僕たちは常に複数の映画に取り組んでいるからね。
Q:どちらが運転するんですか?
マッカリー監督&トム:どっちもしない(笑)。
マッカリー監督:彼はカメラの前でしか運転しない。
トム:そんな……時々は運転してあげたでしょ? ヘリや飛行機も飛ばしてあげたし。
マッカリー監督:ノルウェーでは仕事場まで運転してくれたね。トムは僕の運転手だ。
トム:それに僕は君のパイロットでもある!
マッカリー監督:彼は私的に飛ぶのと、撮影で飛ぶのを分けてくれるんだよ。
トム:曲芸飛行をする時には警告するよね。ちょっとアクロバティックなことをしてみる? って。
マッカリー監督:警告しなかったことも1回あったけど。
トム:いつ?
マッカリー監督:ノルウェーで、僕がヘリの窓の外を見ていた時。
トム:そうだった! ごめんね。普通は事前に警告するんだけどね。
Q:監督も飛行機の翼の上に出たと聞きました。
トム:それがMcQ(マッカリー監督)なんだ。冒険心があるところが、彼の好きなところもでもある。『トップガン マーヴェリック』をやった時は、彼は複数の戦闘機に乗った。この映画では、飛行機の翼の上を歩くというアイデアがあり、飛行機選びに始まり準備に数年かかった。それでストーリーの話になった時に、「(監督にも)実際にやってみてほしい」と言ったら、「できない」「本当にできない」って(笑)。でも「聞いてほしい。一番いいのはやってみることだよ。外に出て、飛行機の翼に座り、風を感じてみて」と言って、僕は彼を訓練した。
マッカリー監督:トムから20分のチュートリアルを受けたよ。それで翼の上を歩いた。実際、素晴らしかった。かなり楽しかったし。絶対またやる。
トムいわく、彼が編み出した呼吸法(風が自分を打つ時は息を止める)を伝授し、いつ風が自分を打つかがわかっていたからマッカリー監督は楽しめたとのこと。また、マッカリー監督は本作の水中スタントシーンのため、スキューバダイビングの訓練をし、実際に水中からトムを監督している。
「監督が実際に水中にいて、ハンドシグナルで意思疎通できるというのはかなり異例のことなんだ。それは空中でも同じで、彼はヘリコプターで傍を飛んでいたから『これは危険』『照明に問題あり』『もう1回やって』などその場でやり取りができた」と振り返ったトム。
マッカリー監督は「以前、水中シーンを地上から監督したこともあるが、それはまるで“ボクシンググローブをして懐中時計の修理をするようなもの”だった。水中にいる別の人を通してトムと話し、僕が見られるのはカメラが実際に映したものだけで、トムとカメラの関係は見られない。ちょっとした変更があっただけで、全員が一度水の外に出ないといけなくなる。だから、1日に6ショットしか撮れない。めちゃくちゃ時間がかかるんだ。僕たちがやりたいことには、このやり方じゃ時間が足りない。だからトムと一緒に水の中にいることにした。今は22~24ショット撮れるよ」と効率性と映画の質を高めるための措置だったと語っていた。(編集部・市川遥)
映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は5月23日より全国公開 5月17日~22日まで先行上映も決定


