金原ひとみの小説が17年ぶり映画化!杉咲花主演・松居大悟監督『ミーツ・ザ・ワールド』10月24日公開

金原ひとみの小説を杉咲花主演で映画化する『ミーツ・ザ・ワールド』が10月24日より公開されることが明らかになった。歌舞伎町を舞台に、杉咲演じる擬人化焼肉漫画をこよなく愛する27歳の主人公が、美しいキャバ嬢との出会いを経て新たな世界を知っていくストーリーで、ティザービジュアルと超特報映像が公開。金原の著作が映画化されるのは第130回芥川賞を受賞したデビュー作『蛇にピアス』(2008・蜷川幸雄監督)以来、17年ぶりとなる。
第35回柴田錬三郎賞を受賞した金原ひとみの同名小説に基づく本作。杉咲が演じるのは、擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」に全力で愛を注ぎながらも、自分のことは好きになれない由嘉里。27歳になって結婚・出産……と違う世界に次々と離脱するオタク仲間をみて、このまま仕事と趣味だけで生きていくことへの不安と焦りを感じ、婚活を始めることに。しかし参加した合コンで惨敗。歌舞伎町の道端で酔いつぶれていたところを美しいキャバ嬢・ライに助けられ、その出会いは由嘉里を新たな世界に導いていく。監督は、『くれなずめ』(2021)、『ちょっと思い出しただけ』(2021)などの松居大悟。撮影は、本作の舞台である歌舞伎町で行われた。
現在、広瀬すず、清原果耶と共に主演を務める映画『片思い世界』が公開中の杉咲。『ミーツ・ザ・ワールド』では脚本段階から携わり、「自分も誰かにとっての他者。そこに引かれた線のただただ寂しいとき、この映画を利用してほしいです。孤独をむしゃむしゃ噛み砕くふつつかな心意気が、疲れてしまった誰かの血肉になってくれたらと心を込めました」とコメントを寄せている。
ティザービジュアルは、ゴミが散乱した部屋で大好きな擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」のキャラクターのアクリルスタンドを眺める由嘉里を捉えたもの。超特報映像は由嘉里が歌舞伎町に導かれるように足を踏み入れるカットからはじまり、由嘉里が推すキャラクターの笑い声や「新しい世界に連れてってあげるからさ」というナレーションなどが収められている。
原作者・金原ひとみ、松居大悟監督のコメントは下記の通り。(石川友里恵)
<原作:金原ひとみ>
エンドロールで自分の名前が流れてきたのを見て、そうか自分が書いたんだ、とびっくりするほどのめり込んで観ました。それぞれに思いを託し、言葉で編み上げたキャラクターたち、行き場のない思いを拾い集めて紡いだストーリー、祈りを込めたラストシーンが、松居さんの斬新な演出と、素晴らしいキャストによって新たな作品に昇華していました。同じ世界に生きられない人を愛してしまった全ての人に、この物語が届きますように。
<監督:松居大悟>
どう生きるべきとか死ぬべきとか、見渡すと限りない善意も悪意も蔓延っていて、何を選択するにも途方に暮れてしまう。ラベルを貼って、ラベルを貼るなと追求して、ラベルを貼らないと生きていけない者もいて。「それでも生きるのは素晴らしい」なんてざっくりした肯定すら煩わしくて。今回初めて、『生きること』についての映画に挑みたいと思いました。この金原ひとみさんの原作や制作過程が、そうさせてくれました。この物語の主人公である会社員の由嘉里は、大好きな擬人化焼肉漫画で、推しのマイナーキャラをカップリングして妄想することが心の支えで。映画を作る中で唯一確かだったのは、誰かや何かを、推す、眩しさです。信じる気持ちは眩しくて、狂気を孕んでいて、狭いからこそ光は眩しい。由嘉里を演じる杉咲花さんと、長い時間をかけて魂を込めて、この作品に挑みました。なんだか怖い歌舞伎町が少し愛しくなりました。ちょっと長くなりましたが、ここで伝えたいことはひとつです! 映画おたのしみに!


