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丸山隆平、今後も続けたい俳優&アイドルの両立「より大きな“円”になれたら」

丸山隆平、俳優&アイドルとしての目標とは 写真:中村嘉昭
丸山隆平、俳優&アイドルとしての目標とは 写真:中村嘉昭

 SUPER EIGHT のメンバーであり、俳優としても活動する丸山隆平が、『おくりびと』『東京リベンジャーズ』シリーズ等で助監督として経験を積んだ古川豪監督が11年かけて脚本を完成させた映画『金子差入店』で主演を務めている。彼が挑戦したのは、刑務所や拘置所に収容された人へ厳格なルールに基づいて差入をしたり、依頼を受けて代理で面会に出向く“差入屋”の金子真司。近年、俳優としての取り組みに力の入る丸山が、作品のこと、俳優としての現在地について語った。

【動画インタビュー】丸山隆平、演技に対する思い&SUPER EIGHTとしての目標

日常から“金子ごっこ”

日常から“金子真司モード”に - (c)2025「金子差入店」製作委員会

 映画で主演を務めるのは『泥棒役者』以来、8年ぶりの丸山。以前、古川監督に「役者として新たな挑戦をしたい」という胸の内を語っていたそうで、「俳優のお仕事が好きなんですよね。いろいろなことを考えるきっかけになる、自分にとって大切な仕事で。“お芝居欲”が高まっていたのだと思います。そんな熱いことを、恥ずかしながら監督にお話ししたかもしれません」と振り返る。

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 オファーに際しては「勇気あるなぁと思った」そうで、「僕自身は映画の主演をたくさんやらせていただいているわけではなくて。長い時間をかけて構想を練った作品で初監督を務めるなら、経験を積んだ俳優さんにオファーしそうなところを、僕なんや! と(笑)。重厚なストーリーでもあって、“久しぶりに映画の主演だ! うわ~い”とただ喜ぶわけにはいきませんでした」とプレッシャーを隠さない。

 金子は人に言えない過去を持ち、息子のために生き直そうともがく男。この役で気迫の演技を見せる丸山は、「オリジナル作品を自ら書いて演出される方というのは、その人自身がにじみ出ます。そんな実感があり、今回もどこかで監督と金子とが強くつながっていると思えて、監督のことを無意識のレベルにまで落とし込もうと、台本を読み込むと同時にたくさんお話ししました」と独特に思える役づくりを明かす。

  その上で、「買い物をしながらでも、金子なら? と考える、いわば“ひとりエチュード(即興)”をして。今日は金子で過ごしま~す! という“金子ごっこ”を日常に織り込み、撮影までに、何をしていても金子真司でいられるような状態に持っていこうと監督を観察しました」と時間と労力をかけて挑んだ。

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差入屋は国民性を感じさせる職業

丸山隆平と対峙する北村匠海 - (c)2025「金子差入店」製作委員会

 丸山を取り巻くのは北村匠海寺尾聡甲本雅裕ら骨太な実力派揃いで、まるで演技バトルの様相を呈す。「バトルとしてやってはいないのですが……」と前置きしつつ、「観てくださる方は楽しいと思います。よくもこれだけ、アプローチの違う方がキャスティングされたなと。撮影はめくるめく日々でした。どのシーンもかけがえがないと思えるし、とにかく楽しかった。そのなかで、“北村匠海さんとのシーンはどうでした?”と聞かれることが多くて」と金子が面会室で対峙する犯罪者のひとりを演じた北村との演技合戦を語る。

 もっさりした長髪に隠れた目が異様にギラつき、思考が不連続で会話のキャッチボールがスムーズに成立しない。まるで怪物のような小島を肩の力を抜いて体現する北村を前に、「現場に行って、こういうカタチで演じられるのだなと。あの役を如何にもそれらしい演技で表現したら、意図が見え過ぎて恥ずかしいことになります。それを、そういう人と素直に思えるように演じられていました。違和感を覚えないところに持っていく、それは本来、役者のやるべきことなのかもしれませんが、本当に魅力的な俳優さんです」と緊張感あふれる共演を回想する。

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 完成した作品は「たくさんの人に届くべき映画」と感じたそうで、「差入屋というのは身近なお仕事ではないかもしれません。でも服役中の人も見捨てない、そんな優しさも感じさせる、細やかな日本の国民性を感じさせる職業だなと。そこを入口に家族や友人、社会に対して、自分は何を捨ててきて、何を大切にすべきか? 考えさせられるような映画でもあります。しかも、自分にもできることがあるという希望を見い出せる。世代や性別に関係なく、何かを感じずにはいられない映画です」と胸を張る。

SUPER EIGHTとソロ活動、相互作用に期待

グループ&ソロ活動の相互作用に期待 - 写真:中村嘉昭

 大役にして難役であったはずの金子役。その気迫のせいか、劇中の彼を取り巻く空気は研ぎ澄まされているよう。それは SUPER EIGHT の明るく楽しい“丸ちゃん”とは別人で、本人も「時間が経つとより俯瞰で、観客に近い目線で観られます。するとやっぱり新鮮で。“こんな顔してんねや”という思いは確かにありました。へ~! でした(笑)。僕は器用ではないので、現場で自分の演技をチェックしません。そうして細かく修正していく俳優さんもいらっしゃいますが、それをやろうとすると意識し過ぎて、心がうまく動かないんじゃないかという不安と未熟さがあるから。監督を信じているというのもありますし。それもあって、仕上がりを観たときは狙ってできない表現が出ていたと思えました」と手応えを感じている。

 SUPER EIGHT のメンバーの舞台には必ず足を運ぶという丸山。尋ねられれば感想も言うが、「おこがましくて」というのも彼らしい。メンバーに限らず、人の作品にあれこれ言うのは「べろべろに酔っぱらった席ぐらいでいいかも」と笑う。そうした場面でもお芝居論を戦わせるというより、「話題になった映画、あれ観た? とかそんな話で。“いつかあの監督とご一緒したい”なんて話はしていると思うのですが、だいたい忘れています」

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 SUPER EIGHT は結成20年を超え、「アイドルとしてはこれ以上ないような経験をし、景色を観させてもらったとメンバーの誰もが思っています。これからも、楽しくやっていけたら。それで、“~で観た子や”などと個人の活動でも認知していただいて。それぞれの活動が相互作用を起こし、より大きな“円”になれたら嬉しい」と前を向く。

 そんな彼自身、この映画を経て「お芝居への向き合い方、お芝居に対する気持ちが変わらなかったことが嬉しい」とも。達成感を覚えるのは公開されてからかもしれないし、どこかの映画祭で評価を受けるかもしれない。「もちろんそれは大きな喜びですけど」と前置きしつつ、「やっぱり芝居はお仕事で、楽しいだけではダメ。エゴも必要ありません。改めてこの仕事の厳しさと豊かさを感じました。“古川監督を皆で盛り上げるぞ! いい映画にするぞ!”という熱い現場でもあって、こういうモノづくりの場所に身を置けるような俳優でいたい。素敵な作品と出会うたびに、いただく作品にピュアでいたい。実直で素直な役者に」。そう語る丸山の顔は、俳優としての決意と充実感に溢れていた。(取材・文/浅見祥子)

映画『金子差入店』は5月16日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

丸山隆平、演技に対する思い&SUPER EIGHTとしての目標 映画『金子差入店』単独インタビュー » 動画の詳細
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