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カンヌ国際映画祭、性的暴行疑惑の仏俳優を出禁に

第78回カンヌ国際映画祭

映画祭から締め出された俳優テオ・ナヴァッロ・ミュジー
映画祭から締め出された俳優テオ・ナヴァッロ・ミュジー - Edward Berthelot / Getty Images

 第78回カンヌ国際映画祭が、性的暴行の告発を受けているフランスの俳優テオ・ナヴァロ=ミュッシに対して、現地時間15日に予定されていた映画『ドシエ137(原題) / Dossier 137』のプレミア出席およびレッドカーペットへの出入りを禁止した。映画祭の総代表を務めるティエリー・フレモーが、The Hollywood Reporter に明かした。性的暴行の疑いによって俳優がカンヌから締め出されるのは、今回が初めてとなる。

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 コンペティション部門に出品されている同作は、ドミニク・モル監督がメガホンを取った犯罪ドラマで、テオもキャストの一人に名を連ねている。テオは元交際相手3人からレイプおよび身体的暴力の疑いで告発されており、裁判所は先月、原告の最初の訴えを棄却したものの、交際相手たちは民事訴訟を起こす意向を示している。

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 映画祭側は、映画の製作サイドと合意のうえ、テオをカンヌから排除する前例のない措置を取った。判断の根拠について、フレモー総代表は「事件が進行中であるため」と説明。告発が却下されるか、テオが無罪となれば出禁は解除されるという。

 フレモー総代表は、カンヌに映画を出品する製作陣は、映画製作の過程を通して関係者の安全、尊厳、人間性が守られていたことを保証する必要があるとし、新たな情報が明らかになった場合は「個別に対応しなければならない」と述べている。

 『ドシエ137(原題)』の製作会社 Haut et Court は、テオへの告発は映画の撮影より前の時期であると、The Hollywood Reporter 宛の声明で証言。「告発された事実が映画製作以前のものであったとはいえ、被害者の訴えとその声に敬意を表し、映画祭の運営側と話し合いの上、当人がカンヌに同行しないことを決定しました」とコメントし、今回の決定は「明白な判断だった」と映画祭側を支持している。(藤田良太)

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