吉沢亮「役者人生のすべてをかけた」魂を込めた主演作『国宝』公開に感慨

俳優の吉沢亮が6日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた映画『国宝』の初日舞台あいさつに、横浜流星、高畑充希、寺島しのぶ、森七菜、見上愛、黒川想矢、越山敬達、永瀬正敏、宮澤エマ、田中泯、渡辺謙、李相日監督と共に登壇。1年半以上の歳月を費やして歌舞伎役者という役柄に心血を注いだ吉沢は「これまでの役者人生のすべてをかけました」と熱い思いを打ち明けた。
本作は、芥川賞作家・吉田修一が歌舞伎の世界を舞台に書き上げた小説を映画化。任侠(にんきょう)の一門に生まれるも数奇な運命をたどり、歌舞伎役者の家に引き取られた喜久雄(吉沢)が、名門の跡取りとして歌舞伎役者になることを運命づけられ、幼いころから芸の世界に生きてきた歌舞伎界のプリンス・俊介(横浜)と共にさまざまな感情を抱きながら芸事に挑む姿を描く。
公開初日を迎えた吉沢は「ついに皆様に届けられる日が来ました。すごく嬉しい思いと共に、ちょっと寂しいような不思議な気持ちです」と胸の内を明かすと「素晴らしい方々と共に今日を迎えられて嬉しく思います」と清々しい笑顔を見せる。
約1年半の時間をかけて歌舞伎役者という役を演じた吉沢。「この作品に関わったすべての人に感謝です」という思いを伝えながらも、本作で歌舞伎の所作や舞踊の指導をした、歌舞伎役者の中村鴈治郎、舞踊家の谷口裕和に対して「お二人がいらっしゃらなかったら、僕なんかスタートラインにも立てていないような状況。1年半に渡り丁寧に積み上げてくださったので、心から感謝したいです」と思いを伝えていた。
またこの日は、吉沢演じる喜久雄の少年期を演じた黒川も登壇。吉沢は「僕らがクランクインする前に黒川君の演目の撮影をしていて、現場にお邪魔したのですが、とにかく黒川君が色っぽすぎてヤバいと思いました。少年時代から、ここまでやられてしまうと、どうしたらいいのか、いい意味ですごくプレッシャーでした」と語る。
しかも、メイク中にスタッフから「“黒川君すごいね。大丈夫?”と言われて憂鬱でした」と語った吉沢は「本当に素晴らしい土台を作っていただいて、頑張って演じることができました」と黒川に感謝を述べていた。
いよいよ上映が始まる直前になると、吉沢は「本当に魂を込めた作品です。これまでの役者人生のすべてをかけたと思っています。珠玉のエンターテインメント作品ができました」と胸を張っていた。(磯部正和)


