綾野剛、渾身の映画『でっちあげ』完成に万感 思いは「銀幕のなかに込めました」
俳優の綾野剛が16日、東京・カナデビアホールで行われた映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』(6月27日全国公開)のレッドカーペット&プレミアイベントに、柴咲コウ、亀梨和也、大倉孝二、迫田孝也、三浦綺羅、木村文乃、光石研、北村一輝、小林薫、三池崇史監督と共に登壇した。
【動画】綾野剛、柴咲コウ、亀梨和也が登壇!『でっちあげ』 プレミアイベント【トークノーカット】
本作は、2003年に教師による児童へのいじめが認定された体罰事件の真相を追った福田ますみのルポルタージュを『悪の教典』などの三池崇史監督が映画化。児童への体罰を行ったとして告発された小学校教諭・薮下誠一(綾野)が、メディアの過熱報道などによって追い詰められていく姿を描く。
綾野は「この日を迎えられて本当に嬉しいし、最高の気持ちです」と晴れやかな表情を浮かべると「こういった景色を皆さんに作っていただき、あらためて感謝申し上げます。渾身の作品が誕生しました。俳優部、各部署のみなさんの繊細さ、濃密さをぎゅっと凝縮して1本の作品にまとめましたので、129分、感じたことのない体験、したことのないような時間を皆さんに提供できると思います」と語る。
子役の三浦は、薮下が体罰をしたという関係性で綾野と共演しており「剛さんは僕が撮影初日で緊張しているとき『よろしく』と言ってギュッとしてくれたんです」と裏話を明かすと「そのとき緊張がほぐれました。撮影の合間もお互い呼び方を一緒に決めたり、お話ができたので嬉しかったです。でも演技の迫力が凄くて、本当にびっくりしてしまったシーンもあります」と撮影を振り返る。
そんな三浦に、綾野は「年が違うとか関係なく、俳優として対等な関係のなかでお芝居を作っていく共演者としてリスペクトが生まれました」と、自身のスタンスを述べると「彼の吸収力みたいなものを目の当たりにしていると、おこがましいかもしれませんが、また役者続けたいなとか、作品を作っていきたいなと感じてもらえていたら嬉しいです」と先輩としてエールを送る。
この日は、ポスタービジュアルのキャッチコピーである「なぜ、それを信じますか?」にちなみ、キャストが信じるものを答えるコーナーも。綾野は「現場です」と即答すると「そこが自分にとってはすべてなので。現場でどう生きたか、その現場のためにどれだけ準備をしてきたか……みたいなことが、すべて作品の中に入れられる。そこに対する畏怖と喜びみたいなものが内包されているのが現場なので」と発言。
そんな綾野が魂を込めた作品の公開が近づいてきた。綾野は「銀幕のなかに自分たちの思いは込めました。ぜひ受けとっていただけたら幸いです」と思いを明かしていた。(磯部正和)


