【ネタバレ】『28年後…』衝撃ラストのアイツ、当初は登場予定がなかった

ダニー・ボイル監督の人気サバイバル・ホラー新章『28年後…』(全国公開中)の脚本を執筆したアレックス・ガーランドが、当初の脚本には存在しなかったというキャラクターを Screen Rant に明かした。(以下、映画の結末に触れています)
『28日後…』(2002)、『28週後…』(2007)に続く最新作は、人間の理性を奪い凶暴化させるレイジウイルスのパンデミックから28年経ったイギリスを舞台に、主人公ジェイミー(アーロン・テイラー=ジョンソン)ら生存者のサバイバルを描いた作品。ボイル監督&ガーランドの黄金コンビが復活し、新たな3部作の幕があがった。
ラストシーンでは、イギリス本土に残ったジェイミーの息子スパイク(アルフィー・ウィリアムズ)がジミーという男に遭遇する。ジミーは、映画冒頭で「テレタビーズ」(イギリスの幼児向け人気番組)を観ていた少年が生き延びて成長した姿。逆さ十字が目立つ黄金のネックレスを身につけ、金髪ロングヘアと奇抜な見た目のジミーは、テレタビーズのように色分けされたジャージ姿の生存者たちを率いて、ジェイミーを狙う感染者を一掃した。海外では、カラフルなジャージ集団がスーパー戦隊の如くアクロバティックに感染者を倒すことから、「パワーレンジャー」風の衝撃エンディングとして話題になっている(※劇中にはスパイクの部屋にパワーレンジャーの人形が置かれている小ネタもある)。
ガーランド曰く、ジミーは初期の脚本には存在していなかったという。「ジミーが登場するのは、この(=映画の)バージョンからで、別の脚本家が以前執筆したバージョンでは全く違う物語でした。スウェーデン兵がイギリスに漂着する設定などは同じですが、ジミーの存在はなかった」

ジミーが登場しない別バージョンは「あまりに一般的すぎる」ことから却下され、現在の展開が生まれたとのこと。ボイル監督は「彼が登場するシナリオを読んだ時、『時計じかけのオレンジ』を初めて読んだ時のような衝撃を受けた」とジミーについて語っている。
短時間ながら強烈なインパクトを残したジミーを演じたのは、イギリス出身の俳優ジャック・オコンネル。本作と同日に日本公開されたヴァンパイア・ホラー映画『罪人たち』では、吸血鬼レミック役で抜群の存在感を放っている。
ボイル監督とガーランドは、ジミーが続編『28年後…:ザ・ボーン・テンプル(原題) / 28 Years Later: The Bone Temple』(2026年1月16日全米公開)にも登場することをVarietyに認めており、レイフ・ファインズふんするケルソン博士と並ぶ重要キャラクターになることを示唆している。なお同作では、『28日後…』の主人公ジムを演じたキリアン・マーフィーが復帰することも判明している。(編集部・倉本拓弥)