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「仮面ライダークウガ」25周年、一条薫役・葛山信吾が今伝えたい思い 「超クウガ展」で再確認した作品の力

「仮面ライダークウガ」一条薫役の葛山信吾
「仮面ライダークウガ」一条薫役の葛山信吾 - (c)石森プロ・東映

 平成仮面ライダーシリーズの原点「仮面ライダークウガ」(2000~2001)の放送25周年を記念した「超クウガ展」が、東京ドームシティ Gallery AaMo で開催中だ。開幕前日の13日に行われたプレミア内覧会には、未確認生命体「グロンギ」に立ち向かった刑事・一条薫を演じた葛山信吾(53)が参加し、当時のキャストと一緒に貴重な展示品の数々を鑑賞した。内覧会を終えたばかりの葛山がインタビューに応じ、25年経った今だからこそ観るべきだという「クウガ」への思いを語った。

【動画】「仮面ライダークウガ」25周年!一条薫役・葛山信吾からメッセージ

オダギリジョーらと再会 「超クウガ展」で感じたこと

「超クウガ展」メインビジュアル - (c)石森プロ・東映

 開口一番、「とにかく情報量が多い」と驚きの表情を見せた葛山。「クウガやグロンギの立像、当時の台本のコピー、高寺成紀プロデューサー(高ははしごだかが正式表記)らスタッフの走り書きメモが、これだけ時間が経っているにもかかわらず残っていて、とても見応えがありました。当時のスケジュール表も非常に懐かしかったです」と展示会の感想を語る。プレミア内覧会には主演のオダギリジョー(五代雄介役)も出席しており、展示品を眺めながら「こういうことがありましたね!」と二人で当時を懐かしんだそうだ。

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 葛山にとってのサプライズは、劇中で一条が乗車していた日産セドリックの覆面パトカー(通称:一条車)との再会だ。一条車は「超クウガ展」の期間中、会場近くの特設スペースに展示されており、「超プレミア写真館」(有料)として記念撮影もできる。葛山は「ちょうど今、行ってきました。びっくりですね。車内も見させていただきましたが、当時のままです」と当時と変わらぬ一条車との再会を感慨深げに振り返った。

 会場で販売されている公式図録のインタビュー用にテレビシリーズ(全49話)を観返した葛山は、25年経っても色褪せない「クウガ」のメッセージ性を再確認した。「今観ても変わらない普遍的なテーマを丁寧に描いているので、世の中いろいろなことが起こっている今だからこそ、観るべき作品だということを改めて感じました」

 また、25年が経過して「客観的に作品を観られるようになった」とも語る。「若い頃は『自分の芝居が下手くそだな』とか、そういう部分が気になってしまい、照れくさくて(自分の演技を)見たくなかったんです。今回、久しぶりに全編通して鑑賞してみると、当時の撮影の大変さ、各部署のスタッフさんの大変さが画面から滲みでてきていて、改めていい作品に参加させていただいたんだなと感じました」

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テレビシリーズを再訪…涙が出た48話

五代&一条、屈指の名バディを振り返る - (c)石森プロ・東映

 「仮面ライダークウガ」は、これまでの仮面ライダー像を根底から覆した作品として、今なお語り継がれている。葛山の言葉通り、高寺プロデューサーを筆頭とするスタッフ陣が最大限の情熱を注ぎ込み、未だかつてないヒーロー番組を届けるために粉骨砕身した。役者として「クウガ」の撮影現場に入った葛山は、当時の様子を以下のように表現した。

 「1年以上の撮影期間ですから、通常の1クールドラマとは異なります。出だしはドタバタで、『これは大変だ…』と思いました。各部署が自分たちのやることを一生懸命やっているだけで、どうやって交流していいのかわからない状態でした。やがて足並みがどんどん揃っていく感じがあって、カメラマン、照明、メイク、衣装と各部署との信頼度が増していきましたし、非常にいいチームになっていきました」

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 一条のキャラクター造形は、高寺プロデューサーと密に確認を取りながら構築していったという。「自分の中でどう演じていったらいいのか、途中で迷ったりすることもありました。たとえば、(関東医大病院の法医学士)椿秀一とのシーンは楽しそうに見えるから、自分もコミカルにした方がいいのかなと思っていたら、高寺さんからは変にコミカルな芝居は求められず、『一条さんはこうあるべきですから、こうしてください』という指示のもと演じました」

 「みんなの笑顔を守りたい」とクウガとして戦い続けた五代雄介と、彼をサポートしながら最後まで見守っていた一条薫。屈指のバディとなった二人の関係性を、オダギリと葛山はどのように構築していったのか。

 「関係性について話し合うことは、あまりなかったかもしれないです。朝から晩までずっと一緒にいるわけですから、その時の関係性が一条と五代に結びついていったのかなと思います。毎日大泉の東映撮影所に通って、ロケバスで待ち時間を過ごしたり、お昼休みは一緒にお弁当を食べていたりしましたから」

「超クウガ展」で再現されたアルティメットフォーム&ダグバの決戦

 五代が凄まじき戦士(仮面ライダークウガ アルティメットフォーム)に変身し、未確認生命体第0号(ン・ダグバ・ゼバ)との決戦に挑む「EPISODE 48 空我」では、芝居がいらないほど役とシンクロしていたと葛山は振り返る。特に、一条が変身直前の五代に向けて放った「こんな寄り道はさせたくなかった……君には、冒険だけしていて欲しかった。ここまで君を付き合わせてしまって……」というセリフには、五代を戦いに巻き込むことに否定的だった一条の全てが詰まっている。

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 「あそこまで積み上げてきたものがあったので、台本のセリフをそのまま言っていた記憶がありますね。久しぶりに観たら、やっぱり涙が出ましたね。作品のストーリーもそうですし、自分がこれだけの撮影期間を積んできた思い、いろいろなものが乗っかっているようなシーンだなと思いました」

次世代へと広がる「クウガ」の輪

25周年でさらに広がる「クウガ」の輪 - (c)石森プロ・東映

 葛山のキャリアにおいて、「仮面ライダークウガ」という作品はどのような位置付けなのだろうか。「自分の名前を世間に広く知っていただくきっかけになった作品です。当時ファンクラブがあったのですが、会員数が急激に伸びたりもしました。そういうことで、次の仕事にもつながっていったと思います。最初こそ『子ども番組ってどうなんだろう』と思ったこともありましたが、本当に自分にとって財産ですし、とても素敵な時間を過ごすことができました」

 25周年を迎えてもなお「仮面ライダークウガ」の続編を待ちわびるファンの声も多いが、葛山は「正直、あまり『クウガ』の物語をいじりたくない」と持論を展開する。「『仮面ライダークウガ』は、高寺プロデューサーらスタッフ陣や出演者が一丸となって考えて作り上げた作品で、そこに対して愛してくれている人がたくさんいらっしゃるわけです。そこに何かを後付けして、もちろん素晴らしいと思う人もいれば、ない方が良かったと思う人も絶対いると思うんです。個人的には(テレビシリーズは)完結したものとして、あってほしいなと考えています」

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 「超クウガ展」は東京会場を皮切りに、福岡、名古屋、大阪の4大都市を巡回し、2026年にはアジア圏での開催も予定している。2000年から「クウガ」を応援してきたファンはもちろん、「クウガ」を観たことがない令和の子どもたちも、両親と一緒に会場に足を運ぶことだろう。展覧会を通して「クウガ」の歴史が次世代へとつながることを、葛山自身も強く望んでいる。「25周年記念で『クウガ』がさまざまなチャンネルで放送されていて、Xでは初めて観たという声も見かけます。『クウガ』以降の仮面ライダーファンが作品を観て、面白かったと言ってくれる人が増えていくのは、僕たちにとって1番ありがたく、幸せなことです。『超クウガ展』を通して、『クウガ』の輪がさらに広がることを願っています」(取材・文:編集部・倉本拓弥)

「超クウガ展」東京会場は7月6日(日)まで東京ドームシティ Gallery AaMo で開催※休館日なし

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